京都大学 2011年 文系 第3問 解説

方針・初手
2つのグラフの交点の個数は、それらの方程式を連立させた方程式の実数解の個数に等しくなります。
$$ x^3 - 4x^2 + 6x = x + a $$
これを変形し、定数 $a$ を分離して
$$ x^3 - 4x^2 + 5x = a $$
とします。左辺を $f(x)$ とおき、曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸に平行な直線 $y = a$ の共有点の個数を調べる「定数分離」の定石を用います。
解法1
3次関数 $y = x^3 - 4x^2 + 6x$ と直線 $y = x + a$ のグラフの交点の個数は、方程式
$$ x^3 - 4x^2 + 5x = a $$
の実数解の個数に等しい。$f(x) = x^3 - 4x^2 + 5x$ とおく。
$$ f'(x) = 3x^2 - 8x + 5 = (3x-5)(x-1) $$
$f'(x) = 0$ となるのは $x = 1,\ \dfrac{5}{3}$ のときである。
| $x$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ | $\dfrac{5}{3}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $2$ | $\searrow$ | $\dfrac{50}{27}$ | $\nearrow$ |
極値の計算:
$$ f(1) = 1 - 4 + 5 = 2 $$
$$ f\!\left(\frac{5}{3}\right) = \frac{125}{27} - \frac{100}{9} + \frac{25}{3} = \frac{125 - 300 + 225}{27} = \frac{50}{27} $$
曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = a$ の共有点の個数を $a$ の値によって分類する。
- $a > 2$ のとき:1個
- $a = 2$ のとき:2個
- $\dfrac{50}{27} < a < 2$ のとき:3個
- $a = \dfrac{50}{27}$ のとき:2個
- $a < \dfrac{50}{27}$ のとき:1個
解説
方程式の解の個数を問う問題において、定数 $a$ が1次の形で含まれている場合は「定数分離」を行うのが最も確実で視覚的にもわかりやすい解法となる。方程式を $(x\text{ の関数}) = a$ の形に変形し、左辺の関数のグラフを正確に描き、直線 $y=a$ を上下にスライドさせて交点を数えるだけである。
計算の山場は極小値 $f\!\left(\dfrac{5}{3}\right)$ の計算のみであり、分数の計算をミスなく行えるかが正解への鍵となる。
答え
- $a < \dfrac{50}{27}$、$2 < a$ のとき:1個
- $a = \dfrac{50}{27}$、$a = 2$ のとき:2個
- $\dfrac{50}{27} < a < 2$ のとき:3個
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