トップ 京都大学 1996年 理系 第6問

京都大学 1996年 理系 第6問 解説

数学3/微分法数学2/指数対数テーマ/最大・最小テーマ/速度・距離
京都大学 1996年 理系 第6問 解説

方針・初手

解法1

時刻 $t$ (時間) におけるガソリンの残量を $x(t)\ (\text{kg})$、最初に積むガソリンの量を $x_0\ (\text{kg})$ とする。つまり、$x(0) = x_0$ である。 走行中のガソリン消費量は毎時 $\frac{100+x}{100}e^{kv}\text{kg}$ であるから、ガソリン残量の変化について以下の微分方程式が成り立つ。

$$ \frac{dx}{dt} = -\frac{100+x}{100}e^{kv} $$

これを変数分離形で解く。$x \geqq 0$ より $100+x > 0$ であるから

$$ \frac{dx}{100+x} = -\frac{e^{kv}}{100} dt $$

両辺を積分すると

$$ \int \frac{dx}{100+x} = \int -\frac{e^{kv}}{100} dt $$

$$ \log(100+x) = -\frac{e^{kv}}{100} t + C \quad (C\text{ は積分定数}) $$

$t=0$ のとき $x = x_0$ であるから

$$ \log(100+x_0) = C $$

したがって

$$ \log(100+x) = -\frac{e^{kv}}{100} t + \log(100+x_0) $$

$$ 100+x = (100+x_0) \exp\left( -\frac{e^{kv}}{100} t \right) $$

車が一定速度 $v\ (\text{km/h})$ で $100\text{km}$ 離れた地点に到着する時刻は、$t = \frac{100}{v}$ である。 目的地に到着するまでのガソリン消費量を最小にするには、目的地に到着した瞬間にガソリンがちょうどなくなるように最初に積んでおけばよい(到着時にガソリンが余る場合、その余分な燃料も運ぶことになり途中の消費量が増えるため)。 したがって、$t = \frac{100}{v}$ のとき $x = 0$ となる。これを代入すると

$$ 100 = (100+x_0) \exp\left( -\frac{e^{kv}}{100} \cdot \frac{100}{v} \right) $$

$$ 100 = (100+x_0) \exp\left( -\frac{e^{kv}}{v} \right) $$

これより、最初に積むガソリンの量 $x_0$ は

$$ 100+x_0 = 100 \exp\left( \frac{e^{kv}}{v} \right) $$

$$ x_0 = 100 \left\{ \exp\left( \frac{e^{kv}}{v} \right) - 1 \right\} $$

となる。

$x_0$ を最小にするには、指数関数の単調増加性より $f(v) = \frac{e^{kv}}{v}\ (v > 0)$ が最小となればよい。 $f(v)$ を $v$ で微分すると

$$\begin{aligned} f'(v) &= \frac{(e^{kv})' \cdot v - e^{kv} \cdot (v)'}{v^2} \\ &= \frac{k e^{kv} \cdot v - e^{kv} \cdot 1}{v^2} \\ &= \frac{e^{kv}(kv - 1)}{v^2} \end{aligned}$$

$f'(v) = 0$ となるのは $kv - 1 = 0$、すなわち $v = \frac{1}{k}$ のときである($k > 0$ より $\frac{1}{k} > 0$)。 $v > 0$ における $f(v)$ の増減表は以下のようになる。

$v$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{k}$ $\cdots$
$f'(v)$ $-$ $0$ $+$
$f(v)$ $\searrow$ 極小かつ最小 $\nearrow$

よって、$v = \frac{1}{k}$ のとき $f(v)$ は最小値をとる。 その最小値は

$$ f\left(\frac{1}{k}\right) = \frac{e^{k \cdot (1/k)}}{1/k} = k e $$

である。

このとき、$x_0$ の最小値は

$$ 100 ( e^{ek} - 1 ) $$

となる。

解説

どの量を関数として設定するかがカギとなる問題です。「毎時○○$\text{kg}$のガソリンを消費する」という条件を、時刻 $t$ に対するガソリンの残量 $x$ の微分方程式 $-\frac{dx}{dt}$ として翻訳できるかが問われています。 変数 $x$ が減衰していく(積載量が減り車が軽くなっていく)ため、消費量そのものではなく残量で方程式を立てるのが定石です。 また、「消費量を最小にする」という条件を、「目的地に到着したときに残量がちょうど $0$ になる」と言い換える論理のステップも重要です。余分に積むとそれ自体が重りになって余計にガソリンを消費してしまうという現実的な物理モデルに基づいています。

答え

最初に積むガソリンの量: $100(e^{ek} - 1)\text{kg}$

走行速度: 時速 $\frac{1}{k}\text{km}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。