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京都大学 2002年 理系 第1問 解説

数学B/数列数学3/極限テーマ/漸化式テーマ/場合分け
京都大学 2002年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた漸化式 $n(n-2)a_{n+1} = S_n$ について、$n=1, 2$ の場合を具体的に調べて $a_2, a_3$ の情報を得ます。その後、$a_n = S_n - S_{n-1}$ を用いて数列 $\{a_n\}$ の漸化式を導き、$n \geqq 3$ の一般項を $a_3$ を用いて表します。最後に、極限の条件 $\lim_{n \to \infty} S_n = 1$ から未定となっている $a_3$ を決定します。

解法1

与えられた条件式を次のように番号付ける。

$$ n(n-2)a_{n+1} = S_n \quad \cdots (1) $$

(1)に $n=1$ を代入すると、

$$ 1 \cdot (-1) \cdot a_2 = S_1 $$

$S_1 = a_1 = 1$ であるから、$-a_2 = 1$ より $a_2 = -1$ となる。

次に、(1)に $n=2$ を代入すると、

$$ 2 \cdot 0 \cdot a_3 = S_2 $$

ここで $S_2 = a_1 + a_2 = 1 - 1 = 0$ となるため、この式は $0 = 0$ となり、$a_3$ の値を定めることはできない。そこで $a_3 = c$ ($c$ は定数)とおく。

$n \geqq 3$ のとき、(1)より

$$ S_n = n(n-2)a_{n+1} $$

また、(1)の $n$ を $n-1$ に置き換えると、

$$ S_{n-1} = (n-1)(n-3)a_n $$

$a_n = S_n - S_{n-1}$ であるから、

$$ a_n = n(n-2)a_{n+1} - (n-1)(n-3)a_n $$

これを整理して $a_{n+1}$ について解くと、

$$\begin{aligned} n(n-2)a_{n+1} &= a_n + (n-1)(n-3)a_n \\ n(n-2)a_{n+1} &= (n^2 - 4n + 4)a_n \\ n(n-2)a_{n+1} &= (n-2)^2 a_n \end{aligned}$$

$n \geqq 3$ より $n-2 \neq 0$ であるから、両辺を $n-2$ で割って

$$ n a_{n+1} = (n-2) a_n $$

$$ a_{n+1} = \frac{n-2}{n} a_n $$

この漸化式を繰り返し用いると、$n \geqq 3$ において

$$\begin{aligned} a_n &= \frac{n-3}{n-1} a_{n-1} \\ &= \frac{n-3}{n-1} \cdot \frac{n-4}{n-2} a_{n-2} \\ &\ \ \vdots \\ &= \frac{n-3}{n-1} \cdot \frac{n-4}{n-2} \cdot \frac{n-5}{n-3} \cdots \frac{2}{4} \cdot \frac{1}{3} a_3 \end{aligned}$$

分母と分子の項が次々と打ち消し合い、分子には $2 \cdot 1$ が、分母には $(n-1)(n-2)$ が残る。

$$ a_n = \frac{2 \cdot 1}{(n-1)(n-2)} a_3 = \frac{2c}{(n-1)(n-2)} \quad \cdots (2) $$

なお、この式は $n=3$ のときも $a_3 = \dfrac{2c}{2 \cdot 1} = c$ となり成り立つ。

次に、極限の条件 $\lim_{n \to \infty} S_n = 1$ を用いる。$n \geqq 3$ のとき、(1)と(2)より

$$ S_n = n(n-2)a_{n+1} = n(n-2) \cdot \frac{2c}{n(n-1)} = \frac{2c(n-2)}{n-1} $$

極限をとると、

$$ \lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \frac{2c\left(1 - \frac{2}{n}\right)}{1 - \frac{1}{n}} = 2c $$

条件よりこれが $1$ に等しいので、

$$ 2c = 1 \iff c = \frac{1}{2} $$

よって、$a_3 = \dfrac{1}{2}$ であり、これを(2)に代入すると $n \geqq 3$ のときの一般項は

$$ a_n = \frac{2 \cdot \frac{1}{2}}{(n-1)(n-2)} = \frac{1}{(n-1)(n-2)} $$

となる。

解説

階差の形 $a_n = S_n - S_{n-1}$ を用いて $S_n$ を消去し、$a_n$ についての漸化式を導くのが定石です。ただし、$n(n-2)a_{n+1} = S_n$ という式には $n-2$ という因数が含まれているため、$n=2$ のときに $a_{n+1}$ すなわち $a_3$ の係数が $0$ となり、漸化式から $a_3$ が一意に定まらないことに注意が必要です。このように一部の項が任意定数として残る場合でも、慌てずに文字でおき、他の条件(本問では極限)を利用して定数を決定するという流れを身につけておきましょう。

答え

$a_1 = 1$, $a_2 = -1$, $a_n = \dfrac{1}{(n-1)(n-2)} \ (n \geqq 3)$

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