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京都大学 2005年 理系 第4問 解説

数学A/整数問題数学1/方程式不等式テーマ/整数の証明
京都大学 2005年 理系 第4問 解説

方針・初手

整数問題の基本である「(式)$\times$(式)$=$(整数)」の形を作ることを目指す。左辺の $a^3 - b^3$ を因数分解し、右辺の $217$ を素因数分解して、各因数の候補を絞り込む。因数の符号やとりうる値の範囲(不等式)を評価することで、無駄な計算を減らすことができる。

解法1

与えられた方程式を因数分解すると、

$$ (a - b)(a^2 + ab + b^2) = 217 $$

$217 = 7 \times 31$ である。

第2因数について平方完成を行うと、

$$ a^2 + ab + b^2 = \left(a + \frac{b}{2}\right)^2 + \frac{3}{4}b^2 \geqq 0 $$

方程式の右辺が正であるから $a^2 + ab + b^2 > 0$ であり、$a - b > 0$。

さらに、$a^2 + ab + b^2 = \dfrac{1}{4}(a-b)^2 + \dfrac{3}{4}(a+b)^2 \geqq \dfrac{1}{4}(a-b)^2$ より、

$$ 4(a^2 + ab + b^2) \geqq (a-b)^2 \quad \cdots (*) $$

$A = a-b$、$B = a^2+ab+b^2$ とおくと、$A, B$ は正の整数で $AB = 217$ かつ $(*)$ を満たす。

$217$ の正の約数の組 $(A, B)$ の候補は $(1, 217), (7, 31), (31, 7), (217, 1)$ であるが、$(*)$ より $4B \geqq A^2$ を満たさない $(31, 7)$($4 \cdot 7 = 28 < 961$)と $(217, 1)$($4 < 217^2$)は除外される。

(i)

$a - b = 1,\ a^2 + ab + b^2 = 217$ のとき

$a = b+1$ を代入して、

$$ (b+1)^2 + (b+1)b + b^2 = 217 \implies 3b^2 + 3b - 216 = 0 \implies b^2 + b - 72 = 0 $$

$$ (b-8)(b+9) = 0 \implies b = 8,\ -9 $$

$a = b+1$ より、$(a, b) = (9, 8),\ (-8, -9)$

(ii)

$a - b = 7,\ a^2 + ab + b^2 = 31$ のとき

$a = b+7$ を代入して、

$$ (b+7)^2 + (b+7)b + b^2 = 31 \implies 3b^2 + 21b + 18 = 0 \implies b^2 + 7b + 6 = 0 $$

$$ (b+1)(b+6) = 0 \implies b = -1,\ -6 $$

$a = b+7$ より、$(a, b) = (6, -1),\ (1, -6)$

解説

「(整数) $\times$ (整数) $=$ (整数)」の形に持ち込む、整数問題の典型的な解法です。

平方完成によって因数が正であることを示し負の約数のケースを排除すること、$a^2+ab+b^2 \geqq \dfrac{1}{4}(a-b)^2$ という評価でありえないケースを排除することで、計算量を劇的に減らすことができます。特に「$x^2+xy+y^2 \geqq \dfrac{1}{4}(x-y)^2$」といった同次式の評価は難関大学で非常に有効なテクニックです。

答え

$$ (a, b) = (9, 8),\ (-8, -9),\ (6, -1),\ (1, -6) $$

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