京都大学 2005年 理系 第5問 解説

方針・初手
(1) 2曲線の共有点の存在は、差をとった関数 $h(x) = \cos x - \dfrac{1-x^2}{1+x^2}$ について、区間の両端における符号を調べ、中間値の定理を用いることで示せます。接線が特定の点を通ることは、接点を文字で置き、接線の方程式を立てて直接 $x=0$ を代入して示します。
(2) 差の関数 $h(x)$ をそのまま微分しても導関数の符号変化を追うのは困難です。方程式 $\cos x = \dfrac{1-x^2}{1+x^2}$ を変形し、半角の公式を利用して $\tan\dfrac{x}{2} = x$ という方程式に帰着させるのがポイントです。
解法1
(1)
$f(x) = \cos x$、$g(x) = \dfrac{1-x^2}{1+x^2}$ とし、$h(x) = f(x) - g(x)$ とおく。
区間 $2k\pi \leqq x \leqq (2k+1)\pi$($k$ は正の整数)における両端の値を調べる。
$$ h(2k\pi) = 1 - \frac{1-(2k\pi)^2}{1+(2k\pi)^2} = \frac{2(2k\pi)^2}{1+(2k\pi)^2} > 0 $$
$$ h((2k+1)\pi) = -1 - \frac{1-\{(2k+1)\pi\}^2}{1+\{(2k+1)\pi\}^2} = \frac{-2}{1+\{(2k+1)\pi\}^2} < 0 $$
$h(x)$ は連続関数であり $h(2k\pi) > 0$、$h((2k+1)\pi) < 0$ であるから、中間値の定理により $h(x) = 0$ となる $x$ が開区間 $(2k\pi, (2k+1)\pi)$ に少なくとも1つ存在する。よって $C_1$ と $C_2$ は共有点を持つ。
次に、共有点の $x$ 座標を $c$ とする。$2k\pi < c < (2k+1)\pi$ において $\sin c > 0$ かつ $c > 0$ であるから、
$$ \cos c = \frac{1-c^2}{1+c^2} \quad \cdots \text{①} $$
$$ \sin c = \sqrt{1 - \cos^2 c} = \sqrt{\frac{4c^2}{(1+c^2)^2}} = \frac{2c}{1+c^2} \quad \cdots \text{②} $$
$C_1: y = \cos x$ より、点 $(c, \cos c)$ における接線の方程式は $y - \cos c = -\sin c \cdot (x - c)$ であるから、$x = 0$ を代入して
$$ y = \cos c + c\sin c = \frac{1-c^2}{1+c^2} + c \cdot \frac{2c}{1+c^2} = \frac{1-c^2+2c^2}{1+c^2} = \frac{1+c^2}{1+c^2} = 1 $$
したがって、この接線は点 $(0, 1)$ を通る。
(2)
$C_1$ と $C_2$ の共有点の $x$ 座標は $\cos x = \dfrac{1-x^2}{1+x^2}$ を満たす。この方程式を同値変形する。
$$ 1 - \cos x = \frac{2x^2}{1+x^2}, \quad 1 + \cos x = \frac{2}{1+x^2} $$
辺々割ると($1 + \cos x \neq 0$)、
$$ \frac{1-\cos x}{1+\cos x} = x^2 $$
半角の公式より $\dfrac{1-\cos x}{1+\cos x} = \tan^2\dfrac{x}{2}$ であるから、
$$ \tan^2 \frac{x}{2} = x^2 $$
$2k\pi < x < (2k+1)\pi$ より $k\pi < \dfrac{x}{2} < k\pi + \dfrac{\pi}{2}$ であり、この範囲で $\tan\dfrac{x}{2} > 0$。また $x > 0$ であるから、
$$ \tan \frac{x}{2} = x $$
$t = \dfrac{x}{2}$ とおくと、方程式は $\tan t = 2t$($k\pi < t < k\pi + \dfrac{\pi}{2}$)に等しい。
$F(t) = \tan t - 2t$ とおくと、
$$ F'(t) = \frac{1}{\cos^2 t} - 2 $$
この区間で $F'(t) = 0$ となるのは $t = k\pi + \dfrac{\pi}{4}$ のときのみであり、$F(t)$ の増減は以下のようになる。
$$ \lim_{t \to k\pi+0} F(t) = -2k\pi < 0, \quad \lim_{t \to k\pi+\frac{\pi}{2}-0} F(t) = +\infty $$
$F(t)$ は $\left(k\pi, k\pi+\dfrac{\pi}{4}\right]$ で単調減少(常に負)、$\left[k\pi+\dfrac{\pi}{4}, k\pi+\dfrac{\pi}{2}\right)$ で単調増加(負から $+\infty$ へ)であるから、$F(t) = 0$ の解はこの区間にただ1つ存在する。
よって、$C_1$ と $C_2$ の共有点はただ1つである。
解説
(1) では中間値の定理による存在証明と接線の計算が軸です。$\sin c$ の符号が正であることを定義域から確認する手順を省かないようにしましょう。
(2) では $\dfrac{1-\cos x}{1+\cos x} = \tan^2\dfrac{x}{2}$ という半角公式の変形が鍵です。$\dfrac{1-x^2}{1+x^2}$ が $\cos$ の半角公式の形をしていることに気づけると、$\tan t = 2t$ という扱いやすい形に帰着させることができます。
答え
(1)
略(解法1の証明を参照)
(2)
略(解法1の証明を参照)
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