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京都大学 2010年 理系 第2問(甲) 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学2/図形と式テーマ/空間図形テーマ/図形総合
京都大学 2010年 理系 第2問(甲) 解説

方針・初手

直線が平面と直交することを示すには、平面上の交わる2直線(あるいは1次独立な2つのベクトル)と、その直線が垂直であることを示せば十分です。 条件より、すでに辺 AB と辺 CD が垂直であること($\vec{AB} \cdot \vec{CD} = 0$)は与えられているため、平面 ABM 上のもう1つのベクトル、例えば $\vec{AM}$ と $\vec{CD}$ が垂直であることを示すのが目標になります。 ここでは、ベクトルを用いて内積を計算する解法と、図形的な性質(直角三角形の斜辺の中点)を利用する解法の2つを示します。

解法1(ベクトルを用いる解法)

頂点 C を基準とし、$\vec{CA} = \vec{a}$, $\vec{CB} = \vec{b}$, $\vec{CD} = \vec{d}$ とおく。 与えられた条件より、

$$ \vec{CA} \perp \vec{CB} \iff \vec{a} \cdot \vec{b} = 0 \quad \cdots① $$

$$ \vec{DA} \perp \vec{DB} \iff (\vec{a} - \vec{d}) \cdot (\vec{b} - \vec{d}) = 0 \quad \cdots② $$

$$ \vec{AB} \perp \vec{CD} \iff (\vec{b} - \vec{a}) \cdot \vec{d} = 0 \quad \cdots③ $$

③より、$\vec{b} \cdot \vec{d} - \vec{a} \cdot \vec{d} = 0$ となり、

$$ \vec{a} \cdot \vec{d} = \vec{b} \cdot \vec{d} \quad \cdots④ $$

を得る。次に②を展開すると、

$$ \vec{a} \cdot \vec{b} - \vec{a} \cdot \vec{d} - \vec{b} \cdot \vec{d} + |\vec{d}|^2 = 0 $$

となる。ここに①および④を代入すると、

$$ 0 - \vec{a} \cdot \vec{d} - \vec{a} \cdot \vec{d} + |\vec{d}|^2 = 0 $$

$$ 2\vec{a} \cdot \vec{d} = |\vec{d}|^2 \quad \cdots⑤ $$

が導かれる。点 M は辺 CD の中点であるから、$\vec{CM} = \dfrac{1}{2}\vec{d}$ と表せる。 ここで $\vec{AM}$ と $\vec{CD}$ の内積を計算する。

$$ \vec{AM} \cdot \vec{CD} = (\vec{CM} - \vec{CA}) \cdot \vec{CD} = \left( \frac{1}{2}\vec{d} - \vec{a} \right) \cdot \vec{d} = \frac{1}{2}|\vec{d}|^2 - \vec{a} \cdot \vec{d} $$

⑤より $\vec{a} \cdot \vec{d} = \dfrac{1}{2}|\vec{d}|^2$ であるから、

$$ \vec{AM} \cdot \vec{CD} = \frac{1}{2}|\vec{d}|^2 - \frac{1}{2}|\vec{d}|^2 = 0 $$

よって、$\vec{AM} \perp \vec{CD}$ である。

四面体 ABCD において、頂点 A, B および辺 CD の中点 M は同一直線上にないため、$\vec{AB}$ と $\vec{AM}$ は1次独立である。 $\vec{AB} \perp \vec{CD}$ かつ $\vec{AM} \perp \vec{CD}$ であるから、ベクトル $\vec{CD}$ は平面 ABM 上の任意のベクトルと垂直になる。

したがって、3点 A, B, M を通る平面は辺 CD と直交する。

解法2(図形の性質を用いる解法)

辺 AB の中点を N とする。

$\triangle CAB$ において、条件より $\angle ACB = 90^\circ$ の直角三角形である。 直角三角形の斜辺の中点 N は、3頂点 A, B, C から等距離にある(N を中心とする外接円を考えれば明らかである)ため、

$$ CN = \frac{1}{2}AB \quad \cdots① $$

が成り立つ。同様に、$\triangle DAB$ において、条件より $\angle ADB = 90^\circ$ の直角三角形であるから、

$$ DN = \frac{1}{2}AB \quad \cdots② $$

が成り立つ。①、②より $CN = DN$ となるため、$\triangle NCD$ は $CN=DN$ の二等辺三角形である。 点 M は底辺 CD の中点であるから、二等辺三角形の頂角 N から引いた中線 NM は底辺 CD と垂直に交わる。

よって、直線 NM と直線 CD は直交する($NM \perp CD$)。

また、条件より直線 AB と直線 CD は直交している($AB \perp CD$)。 直線 NM と直線 AB は、点 N において交わる2直線であり、これらはともに3点 A, B, M を通る平面上の直線である。 直線 CD は、平面 ABM 上の交わる2直線(NM と AB)の両方と直交しているため、直線 CD は平面 ABM 全体と直交する。

したがって、3点 A, B, M を通る平面は辺 CD と直交する。

解説

「直線が平面に垂直であること」の証明の基本は、「平面上の交わる2直線(1次独立な2ベクトル)とそれぞれ垂直であること」を示すことです。 本問では、条件の1つとしてすでに $\vec{AB} \perp \vec{CD}$ が与えられているため、もう1つの方向、すなわち $\vec{AM} \perp \vec{CD}$ や $\vec{BM} \perp \vec{CD}$、あるいは中点同士を結ぶ $\vec{NM} \perp \vec{CD}$ などを示せばよいと見抜くことが重要です。

解法1のように文字を定めて内積を計算するのは、考える手順が定型化されており手堅いアプローチです。 一方、解法2のように「直角三角形の斜辺の中点」という平面図形の性質を空間図形に適用できると、計算を全くせずに論理だけで鮮やかに証明することができます。

答え

略(解法1の証明を参照)

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