京都大学 2012年 理系 第2問 解説

方針・初手
正四面体の各頂点から点 $P, Q, R$ までの距離を変数でおき、余弦定理を用いて $\triangle PRQ$ の各辺の長さを表す。各面の頂角が $60°$ であることを利用すると、2次式の連立方程式が得られる。$\triangle PRQ$ が正三角形であるという条件からそれらが等しいとおき、代数的な式変形(因数分解と背理法)によって変数の値がすべて等しい(すなわち $OP=OQ=OR$)ことを証明する方針が簡明である。
解法1
正四面体 $OABC$ の1辺の長さを $a$ とする。点 $P, Q, R$ はそれぞれ辺 $OA, OB, OC$ 上にあり、頂点とは異なるため、$OP=p,\ OQ=q,\ OR=r$ とおくと、
$$ 0 < p < a, \quad 0 < q < a, \quad 0 < r < a $$
$\triangle OPQ$ において、$\angle POQ = 60°$ であるから、余弦定理より
$$ PQ^2 = OP^2 + OQ^2 - 2 \cdot OP \cdot OQ \cos 60° = p^2 + q^2 - pq $$
同様に、$\angle QOR = 60°,\ \angle ROP = 60°$ であるから、
$$ QR^2 = q^2 + r^2 - qr, \qquad RP^2 = r^2 + p^2 - rp $$
仮定より $\triangle PRQ$ は正三角形であるから、$PQ^2 = QR^2 = RP^2$ である。
$PQ^2 = QR^2$ より
$$ p^2 + q^2 - pq = q^2 + r^2 - qr $$
$$ p^2 - r^2 - pq + qr = 0 $$
$$ (p-r)(p+r) - q(p-r) = 0 $$
$$ (p-r)(p+r-q) = 0 \quad \cdots① $$
$QR^2 = RP^2$ より
$$ q^2 + r^2 - qr = r^2 + p^2 - rp $$
$$ q^2 - p^2 - qr + rp = 0 $$
$$ (q-p)(q+p) - r(q-p) = 0 $$
$$ (q-p)(q+p-r) = 0 \quad \cdots② $$
ここで、$p \neq r$ と仮定する(背理法)。
このとき、① より $p - r \neq 0$ であるから、
$$ p + r - q = 0 \implies q = p + r $$
これを② に代入すると、
$$ (p+r-p)(p+r+p-r) = 0 \implies r \cdot 2p = 0 \implies 2pr = 0 $$
しかし、$p > 0,\ r > 0$ であるため $2pr > 0$ であり、これは矛盾である。
したがって、$p = r$ でなければならない。
さらに $p = r$ のとき、② は
$$ (q-p)(q+p-p) = 0 \implies q(q-p) = 0 $$
$q > 0$ であるから $q = p$ となる。
以上より、$p = q = r$、すなわち $OP = OQ = OR$ が成り立つ。
$\triangle OAB$ において、$OP:OA = OQ:OB = p:a$ であるから、
$$ PQ \parallel AB $$
全く同様に、$\triangle OBC$ において $OQ:OB = OR:OC = p:a$ より $QR \parallel BC$、$\triangle OCA$ において $OR:OC = OP:OA = p:a$ より $RP \parallel CA$ が成り立つ。
したがって、3辺 $PQ,\ QR,\ RP$ はそれぞれ3辺 $AB,\ BC,\ CA$ に平行である。(証明終)
解説
空間図形の問題であるが、ベクトルの内積などを用いるよりも、初等幾何と代数を組み合わせた方が計算が少なく済む。正四面体の対称性から各面のなす角がすべて $60°$ であることに着目し、余弦定理を利用して式を立てるのが最良のアプローチである。
得られた対称な連立方程式を解く際、「直感的に $p=q=r$ だろう」と決めつけるのではなく、「$p \neq r$ と仮定すると矛盾が生じる」という背理法を明記することで、論理的な隙のない完全な証明となる。
答え
略(解法1の証明を参照)
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