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京都大学 2016年 理系 第3問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/図形総合
京都大学 2016年 理系 第3問 解説

方針・初手

解法1

頂点 A から平面 OBC に下ろした垂線の足を $H_A$ とする。

条件より $H_A$ は $\triangle OBC$ の外心であるから、点 $H_A$ から $\triangle OBC$ の 3 頂点 O, B, C までの距離は等しい。

すなわち、$H_A\text{O} = H_A\text{B} = H_A\text{C}$ が成り立つ。

また、直線 $AH_A$ は平面 OBC に垂直であるから、平面 OBC 上の任意の直線と垂直である。特に、$AH_A \perp H_A\text{O}$、$AH_A \perp H_A\text{B}$、$AH_A \perp H_A\text{C}$ となる。

したがって、$\triangle AOH_A$、$\triangle ABH_A$、$\triangle ACH_A$ はすべて $\angle H_A = 90^\circ$ の直角三角形である。

これら 3 つの直角三角形に対して三平方の定理を用いると、

$$ AO^2 = AH_A^2 + H_A\text{O}^2, \quad AB^2 = AH_A^2 + H_A\text{B}^2, \quad AC^2 = AH_A^2 + H_A\text{C}^2 $$

ここで $H_A\text{O} = H_A\text{B} = H_A\text{C}$ であるから、

$$ AO^2 = AB^2 = AC^2 \implies OA = AB = AC $$

同様に、頂点 B から平面 OAC に下ろした垂線の足を $H_B$ とすると、$H_B$ は $\triangle OAC$ の外心であり、$\triangle BOH_B$、$\triangle BAH_B$、$\triangle BCH_B$ に三平方の定理と $H_B\text{O} = H_B\text{A} = H_B\text{C}$ を適用すると、

$$ OB = AB = BC $$

さらに、頂点 C から平面 OAB に下ろした垂線の足を $H_C$ とすると、$H_C$ は $\triangle OAB$ の外心であり、同様の議論から、

$$ OC = AC = BC $$

以上より得られた 3 つの関係式をすべて合わせると、

$$ OA = OB = OC = AB = BC = CA $$

四面体 OABC の 6 つの辺の長さがすべて等しいため、四面体 OABC は正四面体である。$\square$

解法2

$\vec{a} = \vec{OA}$、$\vec{b} = \vec{OB}$、$\vec{c} = \vec{OC}$ とする。

頂点 A から平面 OBC に下ろした垂線の足を $H_A$ とする。

直線 $AH_A$ は平面 OBC に垂直であるから、$\vec{AH_A} \cdot \vec{b} = 0$、$\vec{AH_A} \cdot \vec{c} = 0$ が成り立つ。

また、$H_A$ は $\triangle OBC$ の外心であるから、$H_A$ は線分 OB、線分 OC の垂直二等分面上にある。ゆえに、

$$ \vec{OH_A} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}|\vec{b}|^2, \qquad \vec{OH_A} \cdot \vec{c} = \frac{1}{2}|\vec{c}|^2 $$

$\vec{AH_A} = \vec{OH_A} - \vec{a}$ であるから、

$$ (\vec{OH_A} - \vec{a}) \cdot \vec{b} = 0 \implies \vec{a} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}|\vec{b}|^2 $$

$$ (\vec{OH_A} - \vec{a}) \cdot \vec{c} = 0 \implies \vec{a} \cdot \vec{c} = \frac{1}{2}|\vec{c}|^2 $$

同様に、頂点 B から平面 OAC へ下ろした垂線についての条件から、

$$ \vec{b} \cdot \vec{a} = \frac{1}{2}|\vec{a}|^2, \qquad \vec{b} \cdot \vec{c} = \frac{1}{2}|\vec{c}|^2 $$

頂点 C から平面 OAB へ下ろした垂線についての条件から、

$$ \vec{c} \cdot \vec{a} = \frac{1}{2}|\vec{a}|^2, \qquad \vec{c} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}|\vec{b}|^2 $$

これらより、

$$ \vec{a} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}|\vec{b}|^2 = \frac{1}{2}|\vec{a}|^2 \implies |\vec{a}| = |\vec{b}| $$

$$ \vec{a} \cdot \vec{c} = \frac{1}{2}|\vec{c}|^2 = \frac{1}{2}|\vec{a}|^2 \implies |\vec{a}| = |\vec{c}| $$

したがって $|\vec{a}| = |\vec{b}| = |\vec{c}| = l$ とおくと、$\vec{a} \cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a} = \dfrac{l^2}{2}$ である。

各辺の長さを調べると、

$$ OA = OB = OC = l $$

$$ AB^2 = |\vec{b} - \vec{a}|^2 = |\vec{b}|^2 - 2\vec{a} \cdot \vec{b} + |\vec{a}|^2 = l^2 - l^2 + l^2 = l^2 \implies AB = l $$

同様に対称性より $BC = CA = l$ も成り立つ。

すべての辺の長さが $l$ で等しいため、四面体 OABC は正四面体である。$\square$

解説

空間図形の証明問題ですが、図形的な性質(直角三角形と三平方の定理)に着目すると、驚くほどあっさりと示すことができます。「外心」という情報を「各頂点からの距離が等しい」と言い換えることがカギです。

ベクトルを用いた解法2は、外心のベクトル的性質 $\vec{OH} \cdot \vec{x} = \dfrac{1}{2}|\vec{x}|^2$(H が外心、$\vec{x}$ が頂点へのベクトル)を知っていると、機械的な計算だけで完答できるため、試験本番では非常に心強い解法となります。

答え

(証明は解答参照)四面体 OABC のすべての辺の長さが等しいことが示されたため、四面体 OABC は正四面体である。

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