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九州大学 1965年 文系 第1問 解説

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九州大学 1965年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1)は与えられた連立不等式を $xy$ 平面上に図示する基本的な領域図示問題である。直線の方程式を求め、不等号の向きから領域を特定する。

(2)は図形の成立条件を代数的な不等式に帰着させる問題である。まず、線分上の点の順序関係を(1)の条件から決定し、$3$つの線分 $AP, PQ, QB$ の長さを $x, y$ を用いて表す。その後、これらが三角形の成立条件(三角不等式)を満たすことを示す。

解法1

(1)

与えられた条件は以下の連立不等式である。

$$\begin{cases} 0 < x < \frac{1}{2} \\ \frac{1}{2} < y < 1 \\ y < x + \frac{1}{2} \end{cases}$$

これを $xy$ 平面上に図示する。

直線 $x = 0$, $x = \frac{1}{2}$, $y = \frac{1}{2}$, $y = 1$, $y = x + \frac{1}{2}$ を境界とする領域を考える。

$0 < x < \frac{1}{2}$ かつ $\frac{1}{2} < y < 1$ が表す領域は、$4$点 $(0, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, 1), (0, 1)$ を頂点とする正方形の内部である。

このうち、$y < x + \frac{1}{2}$ を満たすのは、直線 $y = x + \frac{1}{2}$ の下側の領域である。

直線 $y = x + \frac{1}{2}$ は、正方形の頂点である $2$点 $(0, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, 1)$ を通る。

したがって、求める領域はこれら $3$点 $(0, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, 1)$ を頂点とする直角三角形の内部となる。ただし、不等号はすべて等号を含まないため、境界線上の点はすべて含まない。

(2)

(1)の条件から $x < \frac{1}{2}$ かつ $\frac{1}{2} < y$ であるため、明らかに $x < y$ が成り立つ。

また、$x > 0$ かつ $y < 1$ であることから、$0 < x < y < 1$ となる。

したがって、長さ $1$ の線分 $AB$ 上において、点 $A, P, Q, B$ はこの順に並ぶ。

$AB = 1$, $AP = x$, $AQ = y$ であるから、$3$つの線分 $AP, PQ, QB$ の長さはそれぞれ以下のように表せる。

$$\begin{aligned} AP &= x \\ PQ &= AQ - AP = y - x \\ QB &= AB - AQ = 1 - y \end{aligned}$$

これら $3$つの線分が三角形を作りうるための必要十分条件は、各線分の長さが正であり、かつ以下の三角不等式を同時に満たすことである。

$$\begin{cases} AP + PQ > QB \\ PQ + QB > AP \\ QB + AP > PQ \end{cases}$$

(1)の条件より、$x > 0$, $y - x > 0$, $1 - y > 0$ は満たされているため、各線分の長さはすべて正である。

次に、三角不等式についてそれぞれに長さの式を代入して整理する。

第1の不等式

$$\begin{aligned} x + (y - x) &> 1 - y \\ y &> 1 - y \\ 2y &> 1 \\ y &> \frac{1}{2} \end{aligned}$$

第2の不等式

$$\begin{aligned} (y - x) + (1 - y) &> x \\ 1 - x &> x \\ 2x &< 1 \\ x &< \frac{1}{2} \end{aligned}$$

第3の不等式

$$\begin{aligned} (1 - y) + x &> y - x \\ 1 &> 2y - 2x \\ y - x &< \frac{1}{2} \end{aligned}$$

以上より、$3$つの線分が三角形を作りうるための条件は、$y > \frac{1}{2}$ かつ $x < \frac{1}{2}$ かつ $y - x < \frac{1}{2}$ となる。

これは(1)で与えられた条件そのものであり、(1)の範囲にある $(x, y)$ において、$3$つの線分は必ず三角形を作りうることが示された。

解説

幾何的な図形の成立条件を、代数的な不等式(座標や変数の関係式)に翻訳して証明する標準的な問題である。(1)の領域の図示が、そのまま(2)の証明における「三角形の成立条件」の領域と完全に一致するという構成になっている。

(2)では、まず点 $P, Q$ が線分 $AB$ 上でどのような位置関係にあるかを、(1)の条件から明確に順序立てて決定することが重要である。これにより、各線分の長さを絶対値記号を用いずに $x, y$ の一次式でシンプルに表すことができる。三角形の成立条件としては、「最大辺の長さが他の二辺の長さの和よりも小さい」ことを用いてもよいが、本解法のように $3$つの三角不等式をすべて立式する方が、場合分けが発生せず論理展開がスムーズである。

答え

(1) $3$点 $(0, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, \frac{1}{2}), (\frac{1}{2}, 1)$ を頂点とする三角形の内部。ただし境界線を含まない。(図示省略)

(2) $3$つの線分の長さを $x, y$ で表し、それらが三角不等式を満たす条件を整理すると、(1)で与えられた条件式と完全に一致することを示した。

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