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九州大学 1962年 文系 第4問 解説

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九州大学 1962年 文系 第4問 解説

方針・初手

直線①の方程式を平行移動と対称移動の条件に従って変形し、直線②の方程式を $a, b$ を用いて表す。 直線と放物線が交わらない条件は、それらの方程式から $y$ を消去して得られる $x$ の2次方程式が実数解を持たないこと、すなわち判別式が負になることである。 それぞれの直線について判別式の条件を求め、得られた $a, b$ の連立不等式が表す領域を $ab$ 座標平面上に描画するための情報を整理する。

解法1

(1)

直線① $y = ax + b$ を $y$ 軸の正の方向へ $3$ だけ平行移動した直線の方程式は、

$$y - 3 = ax + b$$

すなわち、

$$y = ax + b + 3$$

となる。 次に、この直線を $x$ 軸に関して対称移動した直線の方程式は、$y$ を $-y$ に置き換えて、

$$-y = ax + b + 3$$

$$y = -ax - b - 3$$

これが直線②である。

直線①と放物線③ $y = x^2 - 2x + 1$ が交わらないための条件を求める。 ①と③より $y$ を消去して整理すると、

$$x^2 - 2x + 1 = ax + b$$

$$x^2 - (a + 2)x + 1 - b = 0$$

この $x$ についての2次方程式の判別式を $D_1$ とすると、実数解を持たないための条件は $D_1 < 0$ である。

$$D_1 = \{-(a + 2)\}^2 - 4(1 - b) < 0$$

$$a^2 + 4a + 4 - 4 + 4b < 0$$

$$4b < -a^2 - 4a$$

$$b < -\frac{1}{4}a^2 - a \cdots \text{(A)}$$

同様に、直線②と放物線③が交わらないための条件を求める。 ②と③より $y$ を消去して整理すると、

$$x^2 - 2x + 1 = -ax - b - 3$$

$$x^2 + (a - 2)x + b + 4 = 0$$

この $x$ についての2次方程式の判別式を $D_2$ とすると、実数解を持たないための条件は $D_2 < 0$ である。

$$D_2 = (a - 2)^2 - 4(b + 4) < 0$$

$$a^2 - 4a + 4 - 4b - 16 < 0$$

$$a^2 - 4a - 4b - 12 < 0$$

$$4b > a^2 - 4a - 12$$

$$b > \frac{1}{4}a^2 - a - 3 \cdots \text{(B)}$$

求める条件は、(A) と (B) を同時に満たすことであるから、

$$\frac{1}{4}a^2 - a - 3 < b < -\frac{1}{4}a^2 - a$$

(2)

(1)で求めた条件を満たす点 $(a, b)$ の存在範囲は、$ab$ 座標平面において、次の2つの放物線を境界とする領域である。

$$C_1 : b = -\frac{1}{4}a^2 - a = -\frac{1}{4}(a + 2)^2 + 1$$

$$C_2 : b = \frac{1}{4}a^2 - a - 3 = \frac{1}{4}(a - 2)^2 - 4$$

求める領域は、上に凸の放物線 $C_1$ の下側かつ、下に凸の放物線 $C_2$ の上側である。

まず、存在範囲を囲む2つの曲線 $C_1, C_2$ の交点の $a$ 座標を求める。

$$-\frac{1}{4}a^2 - a = \frac{1}{4}a^2 - a - 3$$

$$\frac{1}{2}a^2 = 3$$

$$a^2 = 6$$

$$a = \pm\sqrt{6}$$

次に、これらの曲線が $a$ 軸($b=0$)と交わる点の座標を求める。

$C_1$ について、$b=0$ とすると、

$$-\frac{1}{4}a^2 - a = 0$$

$$-\frac{1}{4}a(a + 4) = 0$$

よって、$a = 0, -4$ となるため、交点の座標は $(0, 0), (-4, 0)$ である。

$C_2$ について、$b=0$ とすると、

$$\frac{1}{4}a^2 - a - 3 = 0$$

$$a^2 - 4a - 12 = 0$$

$$(a - 6)(a + 2) = 0$$

よって、$a = 6, -2$ となるため、交点の座標は $(6, 0), (-2, 0)$ である。

続いて、各曲線が $b$ 軸($a=0$)と交わる点の座標を求める。

$C_1$ は原点を通るため、交点は $(0, 0)$ である。 $C_2$ について、$a=0$ とすると $b=-3$ となるため、交点の座標は $(0, -3)$ である。

以上より、求める領域は、放物線 $C_1$ と $C_2$ に囲まれた部分の内部となる。不等式に等号が含まれないため、境界線は含まない。

解説

放物線と直線の共有点の有無を、判別式の符号に帰着させる基本的な問題である。 直線の平行移動と対称移動の処理において、どの文字をどのように置き換えるべきかを正確に実行できるかが最初のポイントとなる。 領域の図示においては、境界となる2つの放物線の頂点の位置関係だけでなく、軸との交点や放物線同士の交点を正確に求めることが求められている。交点の $a$ 座標 $\pm\sqrt{6}$ を求めたあと、$\sqrt{6}$ のおおよその値(約 $2.45$)を意識することで、軸との交点($a=6, -2$ など)との位置関係の矛盾を防ぐことができる。

答え

(1)

$$\frac{1}{4}a^2 - a - 3 < b < -\frac{1}{4}a^2 - a$$

(2)

横軸を $a$ 軸、縦軸を $b$ 軸とする座標平面において、上に凸の放物線 $b = -\frac{1}{4}a^2 - a$ の下側かつ、下に凸の放物線 $b = \frac{1}{4}a^2 - a - 3$ の上側で囲まれた領域の内部。(境界線を含まない)

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