九州大学 1967年 文系 第4問 解説

方針・初手
対数の方程式であるため、何よりもまず「底の条件」と「真数条件」を確認する。 その後、$\tan x = \frac{\sin x}{\cos x}$ の関係と底の変換公式を利用して対数の底を $\sin x$ に統一し、$\log_{\sin x} \cos x$ をひとつの文字で置き換えて方程式を解く。
解法1
対数の底の条件より、
$$\sin x > 0, \quad \sin x \neq 1$$
$$\cos x > 0, \quad \cos x \neq 1$$
真数条件より、
$$\cos x > 0$$
$$\tan x > 0$$
これらを同時に満たす条件を考える。 $\sin x > 0$ かつ $\cos x > 0$ であるため、角 $x$ の動径は第1象限にある。 このとき $\tan x > 0$ は満たされ、また $\sin x \neq 1$ および $\cos x \neq 1$ も満たされる。 したがって、$n$ を整数として、$x$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。
$$2n\pi < x < 2n\pi + \frac{\pi}{2}$$
次に、方程式を変形する。 底の変換公式を用いて、第2項の底を $\sin x$ に統一する。
$$\log_{\cos x} \tan x = \frac{\log_{\sin x} \tan x}{\log_{\sin x} \cos x}$$
ここで、$\tan x = \frac{\sin x}{\cos x}$ であるから、分子は対数の性質を用いて次のように変形できる。
$$\log_{\sin x} \tan x = \log_{\sin x} \left( \frac{\sin x}{\cos x} \right) = \log_{\sin x} \sin x - \log_{\sin x} \cos x = 1 - \log_{\sin x} \cos x$$
これを与式に代入すると、方程式は次のようになる。
$$\log_{\sin x} \cos x + \frac{1 - \log_{\sin x} \cos x}{\log_{\sin x} \cos x} = 1$$
ここで $t = \log_{\sin x} \cos x$ とおく。 条件より $\cos x < 1$ であるため、$\log_{\sin x} \cos x \neq 0$ すなわち $t \neq 0$ である。 方程式を $t$ で表すと、
$$t + \frac{1 - t}{t} = 1$$
両辺に $t$ を掛けて分母を払う。
$$t^2 + 1 - t = t$$
整理すると、
$$t^2 - 2t + 1 = 0$$
$$(t - 1)^2 = 0$$
よって、
$$t = 1$$
$t$ を元に戻すと、
$$\log_{\sin x} \cos x = 1$$
対数の定義より、
$$\cos x = \sin x$$
条件より $\cos x > 0$ であるため、両辺を $\cos x$ で割ることができる。
$$\tan x = 1$$
最初に求めた条件 $2n\pi < x < 2n\pi + \frac{\pi}{2}$ を満たす $x$ を求めると、
$$x = \frac{\pi}{4} + 2n\pi$$
解説
対数を含む方程式を解く際の鉄則である「真数条件と底の条件」を最初に処理することが最も重要である。この条件処理により、角 $x$ が第1象限の角に限定され、後半の方程式を解く過程(分母が $0$ にならないことの確認や、$\cos x$ で割る操作)や最後の解の吟味が非常にスムーズになる。 計算面においては、$\tan x = \frac{\sin x}{\cos x}$ を用いて真数を $\sin x$ と $\cos x$ のみにし、底を統一して置換することで、シンプルな二次方程式に帰着させる対数計算の典型的な処理が問われている。
答え
$$x = \frac{\pi}{4} + 2n\pi \quad (n\text{は整数})$$
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