九州大学 1969年 文系 第4問 解説

方針・初手
点 $B, C$ は原点 $O$ から直線に下ろした垂線の足であるため、$\angle OBA = \angle OCA = 90^\circ$ となることに着目する。これにより、四角形 $ABOC$ は対角の和が $180^\circ$ となり、4点 $A, B, O, C$ は線分 $OA$ を直径とする円周上にあることがわかる。
(1) では、2直線の交点 $A$ の座標を求め、線分 $OA$ を直径とする円の方程式を立てる。
(2) では、四角形 $ABOC$ の面積を2つの直角三角形 $\triangle OBA$ と $\triangle OCA$ に分割して計算するのが簡明である。辺の長さは「点と直線の距離」および「三平方の定理」を用いて求めることができる。
解法1
(1)
直線 ①、②の方程式は以下の通りである。
$$2x - 3y + 26 = 0 \cdots\cdots ①$$
$$x + y - 17 = 0 \cdots\cdots ②$$
①、②を連立して解く。②より $y = -x + 17$ を①に代入して整理する。
$$2x - 3(-x + 17) + 26 = 0$$
$$5x - 25 = 0$$
$$x = 5$$
これを $y = -x + 17$ に代入すると $y = 12$ となる。よって、点 $A$ の座標は $A(5, 12)$ である。
次に、問題の条件から直線 $OB$ と直線 ① は垂直であるから、$\angle OBA = 90^\circ$ である。同様に、直線 $OC$ と直線 ② は垂直であるから、$\angle OCA = 90^\circ$ である。
したがって、$\angle OBA + \angle OCA = 180^\circ$ であり、4点 $A, B, O, C$ は同一円周上にある。さらに、$\angle OBA = 90^\circ$ であることから、この円は線分 $OA$ を直径とする円である。
線分 $OA$ の中点が求める円の中心であり、その座標は以下のようになる。
$$\left( \frac{5 + 0}{2}, \frac{12 + 0}{2} \right) = \left( \frac{5}{2}, 6 \right)$$
また、円の半径 $r$ は線分 $OA$ の長さの半分であるため、半径の2乗は次のように計算できる。
$$r^2 = \left( \frac{5}{2} - 0 \right)^2 + (6 - 0)^2 = \frac{25}{4} + 36 = \frac{169}{4}$$
したがって、求める円の方程式は次のようになる。
$$\left( x - \frac{5}{2} \right)^2 + (y - 6)^2 = \frac{169}{4}$$
(2)
四角形 $ABOC$ の面積 $S$ は、2つの直角三角形 $\triangle OBA$ と $\triangle OCA$ の面積の和として求められる。
$$S = \triangle OBA + \triangle OCA$$
点と直線の距離の公式を用いて、原点 $O$ から直線 ① までの距離 $OB$、および直線 ② までの距離 $OC$ を求める。
$$OB = \frac{|2 \cdot 0 - 3 \cdot 0 + 26|}{\sqrt{2^2 + (-3)^2}} = \frac{26}{\sqrt{13}} = 2\sqrt{13}$$
$$OC = \frac{|0 + 0 - 17|}{\sqrt{1^2 + 1^2}} = \frac{17}{\sqrt{2}} = \frac{17\sqrt{2}}{2}$$
線分 $OA$ の長さは、2点間の距離の公式より以下のように計算できる。
$$OA = \sqrt{5^2 + 12^2} = \sqrt{169} = 13$$
直角三角形 $\triangle OBA$ において、三平方の定理より $AB$ の長さを求める。
$$AB = \sqrt{OA^2 - OB^2} = \sqrt{13^2 - (2\sqrt{13})^2} = \sqrt{169 - 52} = \sqrt{117} = 3\sqrt{13}$$
同様に、直角三角形 $\triangle OCA$ において、三平方の定理より $AC$ の長さを求める。
$$AC = \sqrt{OA^2 - OC^2} = \sqrt{13^2 - \left(\frac{17}{\sqrt{2}}\right)^2} = \sqrt{169 - \frac{289}{2}} = \sqrt{\frac{49}{2}} = \frac{7\sqrt{2}}{2}$$
それぞれの直角三角形の面積を計算する。
$$\triangle OBA = \frac{1}{2} \cdot OB \cdot AB = \frac{1}{2} \cdot 2\sqrt{13} \cdot 3\sqrt{13} = 39$$
$$\triangle OCA = \frac{1}{2} \cdot OC \cdot AC = \frac{1}{2} \cdot \frac{17\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{7\sqrt{2}}{2} = \frac{119}{4}$$
したがって、求める四角形 $ABOC$ の面積 $S$ は以下のようになる。
$$S = 39 + \frac{119}{4} = \frac{156 + 119}{4} = \frac{275}{4}$$
解法2
(2) について、各頂点の座標を求めて面積を計算する別解
点 $B$ は、原点 $O$ を通り直線 ① に垂直な直線と、直線 ① との交点である。直線 ① の傾きは $\frac{2}{3}$ であるから、直線 $OB$ の方程式は $y = -\frac{3}{2}x$ となる。これを直線 ① の方程式に代入する。
$$2x - 3\left(-\frac{3}{2}x\right) + 26 = 0$$
$$\frac{13}{2}x = -26$$
$$x = -4$$
これを $y = -\frac{3}{2}x$ に代入すると $y = 6$ となるため、点 $B$ の座標は $B(-4, 6)$ である。
同様に、点 $C$ は、原点 $O$ を通り直線 ② に垂直な直線と、直線 ② との交点である。直線 ② の傾きは $-1$ であるから、直線 $OC$ の方程式は $y = x$ となる。これを直線 ② の方程式に代入する。
$$x + x - 17 = 0$$
$$2x = 17$$
$$x = \frac{17}{2}$$
これを $y = x$ に代入すると $y = \frac{17}{2}$ となるため、点 $C$ の座標は $C\left(\frac{17}{2}, \frac{17}{2}\right)$ である。
四角形 $ABOC$ は $\triangle OBA$ と $\triangle OCA$ に分割できるため、原点を1つの頂点とする三角形の面積公式 $S = \frac{1}{2}|x_1y_2 - x_2y_1|$ を用いてそれぞれの面積を計算する。
点 $A(5, 12)$、点 $B(-4, 6)$ より、$\triangle OBA$ の面積は以下のようになる。
$$\triangle OBA = \frac{1}{2} | 5 \cdot 6 - (-4) \cdot 12 | = \frac{1}{2} | 30 + 48 | = 39$$
点 $A(5, 12)$、点 $C\left(\frac{17}{2}, \frac{17}{2}\right)$ より、$\triangle OCA$ の面積は以下のようになる。
$$\triangle OCA = \frac{1}{2} \left| 5 \cdot \frac{17}{2} - \frac{17}{2} \cdot 12 \right| = \frac{1}{2} \left| \frac{85 - 204}{2} \right| = \frac{1}{2} \left| -\frac{119}{2} \right| = \frac{119}{4}$$
したがって、求める面積 $S$ はこれらの和となる。
$$S = \triangle OBA + \triangle OCA = 39 + \frac{119}{4} = \frac{275}{4}$$
解説
本問は、「2つの直角が向かい合う四角形は円に内接し、その円の直径は直角をなす2辺の斜辺となる」という図形の基本的な性質に気づけるかが最大の鍵となる。これに気づけば、(1) は交点 $A$ を求めるだけで線分 $OA$ を直径とする円の方程式を容易に立式できる。
(2) の面積計算においては、四角形を $\triangle OBA$ と $\triangle OCA$ の2つの直角三角形に分割する方針が最も自然である。解法1のように「点と直線の距離」と「三平方の定理」を組み合わせて辺の長さを求める手法は計算量が抑えやすく、解法2のように垂線の足の座標を求めて面積公式(またはベクトルの成分計算)を用いる手法は立式が機械的で分かりやすい。どちらも入試における典型的な処理であるため、確実に正答できるようにしておきたい。
答え
(1)
$$\left( x - \frac{5}{2} \right)^2 + (y - 6)^2 = \frac{169}{4}$$
(または $x^2 + y^2 - 5x - 12y = 0$)
(2)
$$\frac{275}{4}$$
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