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九州大学 1997年 文系 第8問 解説

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九州大学 1997年 文系 第8問 解説

方針・初手

$n$ 回の試行後に袋の中にある赤玉と白玉の個数の状態を考え、1回の試行による状態の遷移確率を求める。白玉は取り出されても常に袋に戻されるため、袋の中の白玉の数は常に8球であることに着目する。

解法1

袋の状態と遷移確率を計算する。 試行において、白玉は常に袋に戻されるため、袋の中の白玉は常に8球である。 一方、取り出した赤玉は手元に置くため、袋の中の赤玉は初期状態の2球から減少していく。 袋に赤玉が $k$ 球($k = 2, 1, 0$)残っている状態からの1回の試行を考える。

(i) 赤玉2球、白玉8球(計10球)のとき

$$\frac{{}_8\text{C}_2}{{}_{10}\text{C}_2} = \frac{28}{45}$$

$$\frac{{}_2\text{C}_1 \times {}_8\text{C}_1}{{}_{10}\text{C}_2} = \frac{16}{45}$$

$$\frac{{}_2\text{C}_2}{{}_{10}\text{C}_2} = \frac{1}{45}$$

(ii) 赤玉1球、白玉8球(計9球)のとき

$$\frac{{}_8\text{C}_2}{{}_9\text{C}_2} = \frac{28}{36} = \frac{7}{9}$$

$$\frac{{}_1\text{C}_1 \times {}_8\text{C}_1}{{}_9\text{C}_2} = \frac{8}{36} = \frac{2}{9}$$

(1)

$p_1$ は、最初の状態から1回の試行で赤玉が2球残る確率であるから、(i) より

$$p_1 = \frac{28}{45}$$

$q_1$ は、最初の状態から1回の試行で赤玉が1球残る確率であるから、(i) より

$$q_1 = \frac{16}{45}$$

(2)

2回の試行後に赤玉が1球残っているのは、以下の2つの排反な事象のいずれかである。

したがって、(i)(ii) の遷移確率を用いると、

$$\begin{aligned} q_2 &= p_1 \times \frac{16}{45} + q_1 \times \frac{7}{9} \\ &= \frac{28}{45} \times \frac{16}{45} + \frac{16}{45} \times \frac{7}{9} \\ &= \frac{16}{45} \left( \frac{28}{45} + \frac{35}{45} \right) \\ &= \frac{16}{45} \times \frac{63}{45} \\ &= \frac{112}{225} \end{aligned}$$

(3)

$n \geqq 2$ について、$n$ 回の試行後に赤玉が2球残っているのは、$n-1$ 回の試行後に赤玉が2球残っており、$n$ 回目の試行で白玉を2球取り出す場合のみである。したがって、

$$p_n = \frac{28}{45} p_{n-1}$$

また、$n$ 回の試行後に赤玉が1球残っているのは、以下の2つの排反な事象のいずれかである。

したがって、

$$q_n = \frac{16}{45} p_{n-1} + \frac{7}{9} q_{n-1}$$

解説

確率漸化式の典型的な問題である。白玉が毎回袋に戻されるという条件から、各試行において分母となる「袋の中の総球数」が状態によって異なることに注意する(赤玉が2球残っているときは計10球、赤玉が1球残っているときは計9球となる)。 それぞれの状態からの遷移確率をあらかじめ求めておくことで、(2)の計算や(3)の立式をスムーズに行うことができる。

答え

(1)

$$p_1 = \frac{28}{45}, \quad q_1 = \frac{16}{45}$$

(2)

$$q_2 = \frac{112}{225}$$

(3)

$$p_n = \frac{28}{45} p_{n-1}$$

$$q_n = \frac{16}{45} p_{n-1} + \frac{7}{9} q_{n-1}$$

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