九州大学 2015年 文系 第4問 解説

方針・初手
(1) は $n$ が正の偶数であるという条件を数式に翻訳し、$2^n - 1$ が $3$ を法として $0$ と合同になること、または因数分解によって $3$ をくくり出せることを示す。
(2) は (1) の誘導を活用する。(1) の結果を使うためには指数の $p-1$ が正の偶数でなければならない。したがって、素数 $p$ が $2$ である場合と、$3$ 以上の奇素数である場合で場合分けを行う。
解法1
(1)
$n$ は正の偶数であるから、自然数 $m$ を用いて $n=2m$ と表すことができる。これを $2^n - 1$ に代入すると、
$$ 2^n - 1 = 2^{2m} - 1 = (2^2)^m - 1 = 4^m - 1 $$
となる。ここで、$3$ を法とする合同式を考える。
$$ 4 \equiv 1 \pmod 3 $$
であるから、両辺を $m$ 乗して、
$$ 4^m \equiv 1^m \equiv 1 \pmod 3 $$
となる。したがって、
$$ 4^m - 1 \equiv 1 - 1 \equiv 0 \pmod 3 $$
が成り立つ。よって、$n$ が正の偶数のとき、$2^n - 1$ は $3$ の倍数であることが示された。
(2)
$p$ は素数であるから、$p=2$ の場合と $p \ge 3$ の場合で分けて考える。
(i) $p=2$ のとき
与式に代入すると、
$$ 2^{2-1} - 1 = 2^k $$
$$ 1 = 2^k $$
$k$ は $0$ 以上の整数であるから、$k=0$ と求まり、これは条件を満たす。
(ii) $p \ge 3$ のとき
$p$ は奇素数であるから、$p-1$ は正の偶数となる。 したがって、(1) の結果より、左辺の $2^{p-1} - 1$ は $3$ の倍数である。 与えられた等式 $2^{p-1} - 1 = p^k$ より、右辺の $p^k$ も $3$ の倍数でなければならない。
ここで、$k=0$ とすると $p^0 = 1$ となり $3$ の倍数にならないため不適である。 よって $k \ge 1$ である。 $p^k$ が $3$ の倍数であり、$p$ が素数であることから、素因数分解の一意性より $p=3$ に限られる。
$p=3$ を与式に代入すると、
$$ 2^{3-1} - 1 = 3^k $$
$$ 3 = 3^k $$
となり、$k=1$ を得る。これは $k \ge 0$ を満たす。
(i)、(ii) より、条件を満たす組は $(p, k) = (2, 0), (3, 1)$ のみである。
解法2
(1) の別解
$n$ は正の偶数であるから、自然数 $m$ を用いて $n=2m$ と表すことができる。
$$ 2^n - 1 = 2^{2m} - 1 = 4^m - 1 $$
ここで、$a^m - b^m = (a-b)(a^{m-1} + a^{m-2}b + \cdots + b^{m-1})$ の因数分解公式を用いると、
$$ 4^m - 1^m = (4-1)(4^{m-1} + 4^{m-2} + \cdots + 4 + 1) $$
$$ = 3(4^{m-1} + 4^{m-2} + \cdots + 4 + 1) $$
$m$ は自然数であるから、括弧内の $4^{m-1} + 4^{m-2} + \cdots + 4 + 1$ は整数である。 したがって、$2^n - 1$ は $3$ の倍数であることが示された。
解説
素数に関する方程式(ディオファントス方程式)の典型問題である。 (1) は合同式を用いると非常に見通しよく解答できる。因数分解による証明も定石の一つであり、どちらを選んでも問題ない。 (2) は「素数」という条件から、唯一の偶素数である $2$ と、それ以外の奇素数で場合分けをする発想が鍵となる。この場合分けを行うことで、$p \ge 3$ のときに指数 $p-1$ が偶数となり、(1) の誘導に自然に乗ることができる。$p^k$ が $3$ の倍数になるという結果から $p=3$ を導く際、$k=0$ の可能性を明確に排除できていると論理としてより隙がなくなる。
答え
(1) 略(解説内の証明を参照)
(2) $(p, k) = (2, 0), (3, 1)$
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