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九州大学 1962年 理系 第6問 解説

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九州大学 1962年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) 交点の $x$ 座標は、放物線と直線の式から $y$ を消去した2次方程式の解として求まる。与えられた数列の関係式を用いて、求めた解が $a_{r+1}$ と一致することを示す。直交性については、接線の傾きと直線の傾きの積が $-1$ になることを確認する。

(2) 回転体の体積は、$y$ 軸周りの円板積分の公式を用いる。積分区間は $y = c_r$ から $y = a_r$ までとなる。得られた体積 $V_n$ は等比数列になるので、無限等比級数の和を計算する。

解法1

(1) 放物線② $y = a_r - b_r x^2$ と直線③ $y = x$ の交点の $x$ 座標は、方程式

$$a_r - b_r x^2 = x$$

の解である。これを整理すると、

$$b_r x^2 + x - a_r = 0$$

となる。解の公式より、

$$x = \frac{-1 \pm \sqrt{1 + 4a_r b_r}}{2b_r}$$

ここで、条件 $a_n b_n = \frac{3}{4}$ より $a_r b_r = \frac{3}{4}$ であるから、根号の中は $1 + 4 \cdot \frac{3}{4} = 4$ となる。したがって、

$$x = \frac{-1 \pm 2}{2b_r}$$

点 $P_r$ は第一象限にあるため、$x > 0$ である。$b_r > 0$ より $x = \frac{1}{2b_r}$ となる。これが点 $P_r$ の $x$ 座標 $c_r$ である。

$$c_r = \frac{1}{2b_r}$$

また、$a_r b_r = \frac{3}{4}$ より $b_r = \frac{3}{4a_r}$ であるから、

$$c_r = \frac{1}{2 \cdot \frac{3}{4a_r}} = \frac{4a_r}{6} = \frac{2}{3}a_r$$

数列 $\{a_n\}$ の漸化式 $a_{n+1} = \frac{2}{3}a_n$ より、$a_{r+1} = \frac{2}{3}a_r$ であるから、

$$c_r = a_{r+1}$$

が示された。

次に、放物線②について $y' = -2b_r x$ である。点 $P_r(c_r, c_r)$ における接線の傾き $m_r$ は、

$$m_r = -2b_r c_r$$

ここで、$c_r = \frac{1}{2b_r}$ を代入すると、

$$m_r = -2b_r \cdot \frac{1}{2b_r} = -1$$

直線③の傾きは $1$ であり、これら2つの直線の傾きの積は $-1 \times 1 = -1$ となる。したがって、点 $P_r$ における放物線②の接線と直線③は直交する。

(2) 点 $P_r$ は直線 $y=x$ 上の点であるから、その $y$ 座標も $c_r$ である。 求める体積 $V_r$ は、曲線 $x^2 = \frac{a_r - y}{b_r}$ と $y$ 軸、および直線 $y = c_r$ で囲まれた部分を $y$ 軸の周りに回転させた体積であるから、

$$V_r = \pi \int_{c_r}^{a_r} x^2 \, dy = \pi \int_{c_r}^{a_r} \frac{a_r - y}{b_r} \, dy$$

これを計算すると、

$$V_r = \frac{\pi}{b_r} \left[ -\frac{(a_r - y)^2}{2} \right]_{c_r}^{a_r} = \frac{\pi}{2b_r} (a_r - c_r)^2$$

となる。ここで、$c_r = \frac{2}{3}a_r$、$b_r = \frac{3}{4a_r}$ を代入すると、

$$V_r = \frac{\pi}{2 \cdot \frac{3}{4a_r}} \left( a_r - \frac{2}{3}a_r \right)^2 = \frac{2\pi a_r}{3} \cdot \left( \frac{1}{3}a_r \right)^2 = \frac{2\pi}{27} a_r^3$$

となる。これより数列 $\{V_n\}$ は、$V_n = \frac{2\pi}{27} a_n^3$ と表される。

数列 $\{a_n\}$ は公比 $\frac{2}{3}$ の等比数列であるから、

$$a_n = a_1 \left( \frac{2}{3} \right)^{n-1}$$

したがって、

$$V_n = \frac{2\pi}{27} \left\{ a_1 \left( \frac{2}{3} \right)^{n-1} \right\}^3 = \frac{2\pi}{27} a_1^3 \left( \frac{8}{27} \right)^{n-1}$$

これは初項 $\frac{2\pi}{27}a_1^3$、公比 $\frac{8}{27}$ の等比数列である。公比について $0 < \frac{8}{27} < 1$ であるから、この無限等比級数は収束し、その和は

$$\sum_{n=1}^{\infty} V_n = \frac{\frac{2\pi}{27}a_1^3}{1 - \frac{8}{27}} = \frac{\frac{2\pi}{27}a_1^3}{\frac{19}{27}} = \frac{2\pi}{19} a_1^3$$

となる。

解説

(1) は問題文の指示通りに素直に計算を進めればよい。与えられた関係式 $a_n b_n = \frac{3}{4}$ が、交点の座標や接線の傾きを求める際にきれいに作用するよう設定されている。

(2) は典型的な回転体の体積計算と無限等比級数の和の問題である。$y$ 軸周りの回転体であるため、関数を $x^2 = f(y)$ の形に直して $y$ で積分する円板積分を用いるのが定石である。積分計算で展開せずに $(a_r - y)^2$ の形を作ることで計算ミスを防ぎやすくなる。公比の絶対値が $1$ より小さいことを確認してから無限等比級数の和の公式を適用する。

答え

(1) 略(解答内の証明を参照)

(2) $\frac{2\pi}{19} a_1^3$

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