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九州大学 1982年 理系 第3問 解説

数学B/数列数学2/図形と式数学3/極限テーマ/漸化式テーマ/面積・体積
九州大学 1982年 理系 第3問 解説

方針・初手

円 $C_n$ は定点 $P(p, 0)$ で $x$ 軸に接するため、中心の座標は直線 $x=p$ 上にある。さらに、第1象限内の円であることから、中心の座標を $O_n(p, r_n)$ とおくことができる。ここで $r_n$ は円 $C_n$ の半径であり、$r_n > 0$ である。 各ステップにおける直線 $l_n$ の方程式を立て、円の中心 $O_n$ と直線 $l_n$ の距離が半径 $r_n$ に等しいという条件から、$r_n$ と $r_{n-1}$ の関係式(漸化式)を導く。

解法1

(1)

円 $C_n$ は点 $P(p, 0)$ で $x$ 軸に接する第1象限の円であるから、その半径を $r_n$ ($r_n > 0$) とすると、中心 $O_n$ の座標は $(p, r_n)$ と表せる。

まず、$n=1$ のときを考える。 直線 $l_1$ の方程式は $y = 2\sqrt{2}x$ すなわち $2\sqrt{2}x - y = 0$ である。 円 $C_1$ は $l_1$ に接するので、中心 $O_1(p, r_1)$ と直線 $l_1$ の距離は半径 $r_1$ に等しい。 点と直線の距離の公式より、

$$\frac{|2\sqrt{2}p - r_1|}{\sqrt{(2\sqrt{2})^2 + (-1)^2}} = r_1$$

$$\frac{|2\sqrt{2}p - r_1|}{\sqrt{9}} = r_1$$

$$|2\sqrt{2}p - r_1| = 3r_1$$

これを解くと、

$$2\sqrt{2}p - r_1 = \pm 3r_1$$

ゆえに、$2\sqrt{2}p = 4r_1$ または $2\sqrt{2}p = -2r_1$ となる。 ここで $p > 0, r_1 > 0$ であるから、$2\sqrt{2}p = -2r_1$ は不適である。 したがって、

$$4r_1 = 2\sqrt{2}p \iff r_1 = \frac{\sqrt{2}}{2}p$$

次に、$n \ge 2$ のときを考える。 直線 $l_n$ は $l_{n-1}$ に平行であり、すべての直線 $l_n$ の傾きは $l_1$ と同じく $2\sqrt{2}$ である。 $l_n$ は円 $C_{n-1}$ の中心 $O_{n-1}(p, r_{n-1})$ を通る傾き $2\sqrt{2}$ の直線なので、その方程式は、

$$y - r_{n-1} = 2\sqrt{2}(x - p)$$

すなわち、

$$2\sqrt{2}x - y - 2\sqrt{2}p + r_{n-1} = 0$$

と表せる。 円 $C_n$ は直線 $l_n$ に接するので、中心 $O_n(p, r_n)$ と直線 $l_n$ の距離は半径 $r_n$ に等しい。 同様に距離の公式を用いると、

$$\frac{|2\sqrt{2}p - r_n - 2\sqrt{2}p + r_{n-1}|}{\sqrt{(2\sqrt{2})^2 + (-1)^2}} = r_n$$

$$\frac{|r_{n-1} - r_n|}{3} = r_n$$

$$|r_{n-1} - r_n| = 3r_n$$

これを解くと、

$$r_{n-1} - r_n = \pm 3r_n$$

ゆえに、$r_{n-1} = 4r_n$ または $r_{n-1} = -2r_n$ となる。 $r_{n-1} > 0, r_n > 0$ であるから、$r_{n-1} = -2r_n$ は不適である。 したがって、

$$4r_n = r_{n-1} \iff r_n = \frac{1}{4}r_{n-1}$$

以上より、数列 $\{r_n\}$ は初項 $\frac{\sqrt{2}}{2}p$、公比 $\frac{1}{4}$ の等比数列であることがわかる。 よって、一般項 $r_n$ は、

$$r_n = \frac{\sqrt{2}}{2}p \left( \frac{1}{4} \right)^{n-1}$$

(2)

円 $C_n$ の面積 $S_n$ は、

$$S_n = \pi r_n^2 = \pi \left\{ \frac{\sqrt{2}}{2}p \left( \frac{1}{4} \right)^{n-1} \right\}^2 = \frac{\pi p^2}{2} \left( \frac{1}{16} \right)^{n-1}$$

ゆえに、数列 $\{S_n\}$ は初項 $\frac{\pi p^2}{2}$、公比 $\frac{1}{16}$ の等比数列である。 公比 $\frac{1}{16}$ は $0 < \frac{1}{16} < 1$ を満たすので、無限等比級数 $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$ は収束し、その和 $S$ は、

$$S = \sum_{n=1}^{\infty} S_n = \frac{\frac{\pi p^2}{2}}{1 - \frac{1}{16}} = \frac{\frac{\pi p^2}{2}}{\frac{15}{16}} = \frac{\pi p^2}{2} \cdot \frac{16}{15} = \frac{8}{15}\pi p^2$$

解説

図形を題材に数列の漸化式を立て、極限を求める典型的な問題である。 円が $x$ 軸に定点 $P$ で接するという条件から、すべての円の中心の $x$ 座標が等しくなることに気づくのが初手として重要である。これにより、円の中心座標を $(p, r_n)$ という扱いやすい形で設定できる。 また、絶対値を外す際の場合分けにおいて、半径が正であるという条件 ($r_n > 0$) を用いて不要な解を捨てる操作を忘れないようにしたい。 無限級数については、等比級数の和の公式 $\frac{a}{1-r}$ を用いて計算すればよい。

答え

(1)

$$r_n = \frac{\sqrt{2}}{2}p \left( \frac{1}{4} \right)^{n-1}$$

(2)

$$S = \frac{8}{15}\pi p^2$$

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