九州大学 1963年 理系 第3問 解説

方針・初手
- 二次方程式が虚根をもつことから、$\alpha$ と $\beta$ は互いに共役な複素数であることを利用する。
- 虚数解をもつための判別式の条件 $D < 0$ を忘れないようにする。
- (1) では方程式 ② の係数が実数であることを確認したうえで、判別式を用いて実数解をもつ条件を考える。
解法1
(1) 実数係数二次方程式 ① が虚根 $\alpha, \beta$ をもつので、これらは互いに共役な複素数である。すなわち $\beta = \bar{\alpha}$ が成り立つ。
このとき、$\alpha^4$ と $\beta^4$ も互いに共役であるため、それらの和と積は
$$\begin{aligned} \alpha^4 + \beta^4 &= \alpha^4 + \overline{\alpha^4} = 2 \operatorname{Re}(\alpha^4) \\ \alpha^4 \beta^4 &= \alpha^4 \overline{\alpha^4} = |\alpha^4|^2 \end{aligned}$$
となり、ともに実数である。よって、方程式 ② は実数を係数とする二次方程式である。
方程式 ② が実根をもつ条件は、判別式を $D_2$ とすると $D_2 \ge 0$ であるから、
$$D_2 = (\alpha^4 + \beta^4)^2 - 4\alpha^4\beta^4 = (\alpha^4 - \beta^4)^2 \ge 0$$
ここで、$\alpha^4 - \beta^4 = \alpha^4 - \overline{\alpha^4} = 2i \operatorname{Im}(\alpha^4)$ であるため、$\alpha^4 - \beta^4$ は純虚数または $0$ である。 したがって、$(\alpha^4 - \beta^4)^2 \le 0$ となる。
これが $D_2 \ge 0$ を満たすのは $D_2 = 0$ のときに限られ、その条件は
$$\alpha^4 - \beta^4 = 0$$
である。左辺を因数分解すると、
$$(\alpha - \beta)(\alpha + \beta)(\alpha^2 + \beta^2) = 0$$
$\alpha, \beta$ は虚根であるため $\alpha \neq \beta$ である。よって、求める条件は
$$\alpha + \beta = 0 \quad \text{または} \quad \alpha^2 + \beta^2 = 0$$
である。
(2) 方程式 ① が虚根をもつための条件は、判別式を $D_1$ とすると
$$D_1 = a^2 - 4b < 0 \quad \cdots \text{③}$$
解と係数の関係から、
$$\begin{aligned} \alpha + \beta &= -a \\ \alpha \beta &= b \end{aligned}$$
また、
$$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta = a^2 - 2b$$
これらを (1) で求めた条件に代入する。
(i) $\alpha + \beta = 0$ のとき $-a = 0$ より $a = 0$。 これを ③ に代入すると、$-4b < 0$ より $b > 0$。
(ii) $\alpha^2 + \beta^2 = 0$ のとき $a^2 - 2b = 0$ より $b = \frac{1}{2}a^2$。 これを ③ に代入すると、
$$a^2 - 4\left(\frac{1}{2}a^2\right) = -a^2 < 0$$
これより $a \neq 0$ を得る。
以上より、求める条件は
$$(a = 0 \text{ かつ } b > 0) \quad \text{または} \quad \left(b = \frac{1}{2}a^2 \text{ かつ } a \neq 0\right)$$
である。
(3) (2) で求めた条件を満たす点 $(a, b)$ を $ab$ 平面上に図示する。
横軸を $a$ 軸、縦軸を $b$ 軸とすると、条件を満たす図形は以下の2つの和集合である。
- $b$ 軸の正の部分の半直線:$a = 0 \ (b > 0)$
- 放物線 $b = \frac{1}{2}a^2$ から原点を除いた部分
(原点 $(0, 0)$ はいずれにも含まれないため白丸となる)
解説
- 方程式の係数が実数であることを確認してから判別式を用いるのが論理的である。
- 共役複素数の性質($z - \bar{z}$ が純虚数または $0$ になること)を利用して、$(\alpha^4 - \beta^4)^2 \le 0$ を導く点が本問の要である。これにより、実数解をもつ条件が重解条件 $D=0$ に帰着する。
- 元の二次方程式が「虚根をもつ」という前提条件 $a^2 - 4b < 0$ を忘れずに連立することが重要である。
答え
(1)
$$\alpha + \beta = 0 \quad \text{または} \quad \alpha^2 + \beta^2 = 0$$
($\alpha^4 = \beta^4$ も可)
(2)
$$(a = 0 \text{ かつ } b > 0) \quad \text{または} \quad \left(b = \frac{1}{2}a^2 \text{ かつ } a \neq 0\right)$$
(3) 横軸を $a$ 軸、縦軸を $b$ 軸とする $ab$ 平面上において、以下の2つの図形の和集合である。 ・半直線 $a = 0 \ (b > 0)$ ・放物線 $b = \frac{1}{2}a^2 \ (a \neq 0)$ ただし、原点 $(0,0)$ は含まない。
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











