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京都大学 1962年 文系 第5問 解説

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京都大学 1962年 文系 第5問 解説

方針・初手

2次方程式 $f(z) = 0$ が異なる2つの実数解をもち、その大きい方の解が正となるような $(x,y)$ の条件を求める。 実数解をもつ条件として判別式 $D > 0$ を求めた上で、解の配置問題として $f(0)$ の符号と軸の位置で場合分けを行う。

解法1

与えられた $z$ についての2次方程式を次のように定める。

$$ f(z) = z^2 + (a+x)z + \frac{1}{4}(x^2 - y^2) = 0 $$

この方程式が異なる2つの実数解をもつための条件は、判別式を $D$ とすると $D > 0$ である。

$$ D = (a+x)^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{1}{4}(x^2 - y^2) = (a+x)^2 - (x^2 - y^2) = 2ax + y^2 + a^2 $$

これが正となるので、

$$ y^2 > -2a\left(x + \frac{a}{2}\right) \quad \cdots \text{①} $$

を満たす必要がある。

方程式 $f(z) = 0$ の異なる2実数解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とおく。 題意を満たす条件は、大きい方の解 $\beta$ が正となることである。 放物線 $w = f(z)$ は下に凸であるから、$\beta > 0$ となる条件は以下のいずれかの場合である。

(i)

$f(0) < 0$ のとき

放物線は $z=0$ で負の値をとるため、2つの解は必ず一方が正、もう一方が負となる。 よって、大きい方の解 $\beta$ は必ず正となる。

$$ f(0) = \frac{1}{4}(x^2 - y^2) < 0 $$

$$ y^2 > x^2 \quad \cdots \text{②} $$

このとき、

$$ D = 2ax + y^2 + a^2 > 2ax + x^2 + a^2 = (x+a)^2 \geqq 0 $$

となり、条件①である $D > 0$ は常に満たされる。

(ii)

$f(0) \geqq 0$ のとき

このとき、2つの解は同符号または一方が0となる。 大きい方の解 $\beta$ が正となるには、異なる2実数解をもち、かつ軸が $z > 0$ の範囲にあることが必要十分である。

$$ f(0) \geqq 0 \iff y^2 \leqq x^2 \quad \cdots \text{③} $$

また、放物線 $w = f(z)$ の軸の方程式は $z = -\frac{a+x}{2}$ であるから、

$$ -\frac{a+x}{2} > 0 \iff x < -a \quad \cdots \text{④} $$

これらと、条件①を合わせたものがこの場合の条件である。

以上より、点 $P(x, y)$ の存在範囲は、(i) または (ii) を満たす領域である。

境界線について調べる。 放物線 $y^2 = -2a\left(x + \frac{a}{2}\right)$ と直線 $y^2 = x^2$ の交点は、

$$ x^2 = -2ax - a^2 $$

$$ (x+a)^2 = 0 \iff x = -a $$

したがって、この放物線と2直線 $y=x, y=-x$ は、それぞれ点 $(-a, -a), (-a, a)$ で接している。

解説

2次方程式の解の配置問題の典型的な応用である。 判別式 $D$、$f(0)$ の符号、軸の位置の3つの条件を整理して場合分けすることが大切である。

$f(0) < 0$ の場合は自動的に $D > 0$ となることを確認すると記述がスムーズになる。 また、境界線を求める際に放物線と直線が接することに気づけると、正確な図示が可能となる。 不等式で表された領域を図示する問題では、境界の包含関係(実線か破線か)や交点の座標を明記する。

答え

点 $P(x, y)$ の範囲は、以下の連立不等式を満たす領域である。

$$ y^2 > x^2 $$

または

$$ \begin{cases} y^2 \leqq x^2 \\ x < -a \\ y^2 > -2a\left(x + \frac{a}{2}\right) \end{cases} $$

これを図示すると、 直線 $y=x, y=-x$ によって分けられる上下の領域と、その左右の領域のうち $x < -a$ かつ放物線 $x = -\frac{y^2}{2a} - \frac{a}{2}$ の左側の部分を合わせた領域となる。

境界線は、半直線 $y=x$ ($x < -a$) および $y=-x$ ($x < -a$) のみを含み、その他の境界線(放物線部分、点 $(-a, \pm a)$ を含む直線 $y=\pm x$ の $x \geqq -a$ の部分)はすべて含まない。

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