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九州大学 1985年 理系 第1問 解説

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九州大学 1985年 理系 第1問 解説

方針・初手

面 $ABED$、$BCFE$、$CADF$ がすべて正方形であることから、この立体は各辺の長さが $a$ の正三角柱であることを見抜く。空間座標を導入し、点 $A$ を原点とすると各頂点の座標が簡潔に表せるので、計算によって条件式を立式するのが定石である。

解法1

立体 $ABCDEF$ について、側面である四角形 $ABED$、$BCFE$、$CADF$ はすべて一辺の長さ $a$ の正方形である。

したがって、$AD \perp AB, AD \perp AC$ であり、辺 $AD, BE, CF$ は底面 $ABC$ に垂直である。また、底面 $ABC$ は $AB=BC=CA=a$ より、一辺の長さ $a$ の正三角形である。

点 $A$ を原点とし、直線 $AB$ を $x$ 軸、直線 $AD$ を $z$ 軸とし、平面 $ABC$ を $xy$ 平面にとる空間座標を導入する。$y$ 座標が正となるようにとると、各頂点の座標は以下のように表せる。

$$A(0, 0, 0)$$

$$B(a, 0, 0)$$

$$C\left(\frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}a, 0\right)$$

$$D(0, 0, a)$$

$$E(a, 0, a)$$

$$F\left(\frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}a, a\right)$$

点 $M$ は線分 $AE$ 上にあるため、実数 $s \ (0 \leqq s \leqq 1)$ を用いて

$$\overrightarrow{AM} = s\overrightarrow{AE} = s(a, 0, a) = (sa, 0, sa)$$

と表せる。よって、$M(sa, 0, sa)$ である。

点 $N$ は線分 $BF$ 上にあるため、実数 $t \ (0 \leqq t \leqq 1)$ を用いて

$$\overrightarrow{BN} = t\overrightarrow{BF} = t\left(-\frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}a, a\right) = \left(-\frac{1}{2}ta, \frac{\sqrt{3}}{2}ta, ta\right)$$

と表せる。よって、

$$\overrightarrow{ON} = \overrightarrow{OB} + \overrightarrow{BN} = \left(a-\frac{1}{2}ta, \frac{\sqrt{3}}{2}ta, ta\right)$$

より、$N\left(a-\frac{1}{2}ta, \frac{\sqrt{3}}{2}ta, ta\right)$ である。

これらより、ベクトル $\overrightarrow{MN}$ は

$$\overrightarrow{MN} = \overrightarrow{ON} - \overrightarrow{OM} = \left(a-\frac{1}{2}ta-sa, \frac{\sqrt{3}}{2}ta, ta-sa\right)$$

となる。

条件より、線分 $MN$ と辺 $AB$ は垂直であるから、$\overrightarrow{MN} \cdot \overrightarrow{AB} = 0$ が成り立つ。$\overrightarrow{AB} = (a, 0, 0)$ より、

$$\overrightarrow{MN} \cdot \overrightarrow{AB} = a\left(a-\frac{1}{2}ta-sa\right) = 0$$

$a > 0$ であるから、

$$a - \frac{1}{2}ta - sa = 0$$

$$s = 1 - \frac{1}{2}t$$

これを $\overrightarrow{MN}$ の成分に代入して $s$ を消去すると、$z$ 成分は

$$ta - sa = ta - \left(1 - \frac{1}{2}t\right)a = \left(\frac{3}{2}t - 1\right)a$$

であるから、

$$\overrightarrow{MN} = \left(0, \frac{\sqrt{3}}{2}ta, \left(\frac{3}{2}t - 1\right)a\right)$$

となる。

さらに条件より、$MN = \frac{a}{\sqrt{3}}$ であるから、$MN^2 = \frac{a^2}{3}$ が成り立つ。

$$|\overrightarrow{MN}|^2 = 0^2 + \left(\frac{\sqrt{3}}{2}ta\right)^2 + \left\{\left(\frac{3}{2}t - 1\right)a\right\} ^2$$

$$= \frac{3}{4}t^2 a^2 + \left(\frac{9}{4}t^2 - 3t + 1\right)a^2$$

$$= (3t^2 - 3t + 1)a^2$$

これが $\frac{a^2}{3}$ に等しいので、

$$(3t^2 - 3t + 1)a^2 = \frac{a^2}{3}$$

$$3t^2 - 3t + 1 = \frac{1}{3}$$

$$9t^2 - 9t + 2 = 0$$

$$(3t - 1)(3t - 2) = 0$$

よって、$t = \frac{1}{3}, \frac{2}{3}$ を得る。

(i) $t = \frac{1}{3}$ のとき

$s = 1 - \frac{1}{6} = \frac{5}{6}$ となり、$0 \leqq s \leqq 1$ を満たす。

このとき、$M$ は $AE$ を $\frac{5}{6} : \left(1 - \frac{5}{6}\right) = 5 : 1$ に分かつ。

$N$ は $BF$ を $\frac{1}{3} : \left(1 - \frac{1}{3}\right) = 1 : 2$ に分かつ。

(ii) $t = \frac{2}{3}$ のとき

$s = 1 - \frac{1}{3} = \frac{2}{3}$ となり、$0 \leqq s \leqq 1$ を満たす。

このとき、$M$ は $AE$ を $\frac{2}{3} : \left(1 - \frac{2}{3}\right) = 2 : 1$ に分かつ。

$N$ は $BF$ を $\frac{2}{3} : \left(1 - \frac{2}{3}\right) = 2 : 1$ に分かつ。

以上より、求める比の組は2通り存在する。

解説

立体の形状を正しく把握し、計算に落とし込むための座標設定が重要である。面 $ABED$、$BCFE$、$CADF$ がすべて正方形であるという条件から、この立体が正三角柱であることを読み取ることが第一歩となる。空間ベクトルを用いて各点の位置をパラメータ表示し、与えられた「垂直」と「長さ」の条件をそれぞれ内積と絶対値の計算に翻訳すれば、確実に正答へたどり着ける。

答え

$M, N$ は $AE, BF$ をそれぞれ $5:1, 1:2$ の比に分かつ、または $2:1, 2:1$ の比に分かつ。

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