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九州大学 1985年 理系 第2問 解説

数学2/指数対数数学3/積分法テーマ/面積・体積テーマ/定積分計算
九州大学 1985年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 2つの関数の式から、交点の $x$ 座標と区間内での上下関係を調べる。また、それぞれの導関数を計算して増減を調べ、グラフの概形を描くための特徴を把握する。 (2) (1)で把握した上下関係に基づき、円環の面積を積分する回転体の体積の公式 $V = \pi \int (y_{\text{upper}}^2 - y_{\text{lower}}^2) dx$ を立式する。被積分関数は $\frac{\log x}{x}$ を含む形になるため、$t = \log x$ とおく置換積分が有効である。

解法1

(1)

2つの曲線の式を $y = f(x) = \frac{(\log x)^2}{\sqrt{x}}$、$y = g(x) = \frac{\log x}{\sqrt{x}}$ とおく。真数条件より定義域は $x > 0$ である。

まず、これら2曲線の交点と上下関係を調べる。

$$f(x) - g(x) = \frac{(\log x)^2 - \log x}{\sqrt{x}} = \frac{\log x (\log x - 1)}{\sqrt{x}}$$

$f(x) = g(x)$ となるのは $\log x (\log x - 1) = 0$ より $\log x = 0, 1$、すなわち $x = 1, e$ のときである。 指定された区間 $\frac{1}{e} \leqq x \leqq e$ において、上下関係は以下のようになる。

次に、各関数の増減を調べる。

$$f'(x) = \frac{2(\log x) \cdot \frac{1}{x} \cdot \sqrt{x} - (\log x)^2 \cdot \frac{1}{2\sqrt{x}}}{x} = \frac{\log x (4 - \log x)}{2x\sqrt{x}}$$

$$g'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot \sqrt{x} - \log x \cdot \frac{1}{2\sqrt{x}}}{x} = \frac{2 - \log x}{2x\sqrt{x}}$$

区間 $\frac{1}{e} \leqq x \leqq e$ において、

$f'(x)$ について、$\frac{1}{e} \leqq x < 1$ のとき $f'(x) < 0$、$1 < x \leqq e$ のとき $f'(x) > 0$ となる。よって $f(x)$ は $x=1$ で極小かつ最小となり、極小値は $f(1)=0$ である。端点の値は $f(e^{-1}) = \sqrt{e}$、$f(e) = \frac{1}{\sqrt{e}}$ である。

$g'(x)$ について、常に $2 - \log x > 0$ であるから $g'(x) > 0$ となり、$g(x)$ は単調に増加する。端点の値は $g(e^{-1}) = -\sqrt{e}$、$g(e) = \frac{1}{\sqrt{e}}$ である。また、$x=1$ のとき $g(1) = 0$ である。

これらより、グラフは以下の特徴を持つように描かれ、2つの曲線が囲む部分は $1 \leqq x \leqq e$ の範囲となる。この部分を斜線で示す。

(2)

(1)より、区間 $1 \leqq x \leqq e$ において $g(x) \geqq f(x) \geqq 0$ である。 求める回転体の体積 $V$ は、以下の定積分で計算できる。

$$V = \pi \int_{1}^{e} \left\{ (g(x))^2 - (f(x))^2 \right\} dx$$

$$V = \pi \int_{1}^{e} \left\{ \left( \frac{\log x}{\sqrt{x}} \right)^2 - \left( \frac{(\log x)^2}{\sqrt{x}} \right)^2 \right\} dx$$

$$V = \pi \int_{1}^{e} \frac{(\log x)^2 - (\log x)^4}{x} dx$$

ここで、$t = \log x$ とおいて置換積分を行う。 $dt = \frac{1}{x} dx$ であり、$x$ が $1$ から $e$ まで変化するとき、$t$ は $0$ から $1$ まで変化する。

$$\begin{aligned} V &= \pi \int_{0}^{1} (t^2 - t^4) dt \\ &= \pi \left[ \frac{t^3}{3} - \frac{t^5}{5} \right]_{0}^{1} \\ &= \pi \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{5} \right) \\ &= \frac{2\pi}{15} \end{aligned}$$

解説

(1)のグラフ描画においては、やみくもに微分から始めるのではなく、まず2曲線の交点と上下関係を調べておくことで、増減とあわせてグラフの概形を捉えやすくなる。(2)の体積計算は、円環の断面を積分する典型的な問題である。被積分関数に $\log x$ と $\frac{1}{x}$ の積が含まれている場合は、$t = \log x$ の置換積分を適用するのが定石である。

答え

(1) 概形は略($1 \leqq x \leqq e$ の範囲で、上側が $y = \frac{\log x}{\sqrt{x}}$、下側が $y = \frac{(\log x)^2}{\sqrt{x}}$ となり、この2曲線で囲まれた領域が斜線部となる)。

(2) $\frac{2\pi}{15}$

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