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九州大学 1992年 理系 第2問 解説

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九州大学 1992年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 3次曲線上の点における接線と曲線の交点に関する問題です。接線の方程式を立てて交点の $x$ 座標を直接求める方法と、3次方程式の解と係数の関係(または恒等式)を利用する方法があります。

(2) (1)で得られた関係式は隣接2項間の線形漸化式なので、特性方程式を用いて一般項を求めます。

(3) (2)で求めた $x_n$ の極限を考え、収束先の $x$ 座標から $y$ 座標を計算します。

解法1

(1)

曲線 $C$ の方程式を $y = f(x)$ とおくと、$f(x) = x^3 + 9x^2 + 9x + 2$ である。

点 $P_n(x_n, y_n)$ における接線を $l$ とすると、$l$ は一次関数 $y = g(x)$ で表される。

$C$ と $l$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $f(x) = g(x)$、すなわち $f(x) - g(x) = 0$ の実数解である。

この3次方程式は、$x = x_n$ で $C$ と $l$ が接するため $x = x_n$ を重解にもち、さらに $P_{n-1}(x_{n-1}, y_{n-1})$ で交わるため $x = x_{n-1}$ を解にもつ。

$f(x) - g(x)$ の $x^3$ の係数は $1$ であるから、次のように因数分解できる。

$$f(x) - g(x) = (x - x_n)^2 (x - x_{n-1})$$

左辺を展開すると、$f(x) = x^3 + 9x^2 + 9x + 2$ であり $g(x)$ は1次以下の式であるため、$x^2$ の項の係数は $9$ である。

右辺を展開すると以下のようになる。

$$(x^2 - 2x_nx + x_n^2)(x - x_{n-1}) = x^3 - (2x_n + x_{n-1})x^2 + (x_n^2 + 2x_nx_{n-1})x - x_n^2x_{n-1}$$

両辺の $x^2$ の係数を比較すると、次の等式が得られる。

$$9 = -(2x_n + x_{n-1})$$

これを整理して、求める関係式を得る。

$$2x_n + x_{n-1} + 9 = 0$$

(2)

(1)の結果から、数列 $\{x_n\}$ は次の漸化式を満たす。

$$x_n = -\frac{1}{2}x_{n-1} - \frac{9}{2}$$

この漸化式の特性方程式 $\alpha = -\frac{1}{2}\alpha - \frac{9}{2}$ を解くと $\alpha = -3$ となるため、次のように変形できる。

$$x_n + 3 = -\frac{1}{2}(x_{n-1} + 3)$$

これは、数列 $\{x_n + 3\}$ が初項 $x_0 + 3$、公比 $-\frac{1}{2}$ の等比数列であることを示している。

したがって、一般項は次のようになる。

$$x_n + 3 = (x_0 + 3)\left(-\frac{1}{2}\right)^n$$

ゆえに、$x_n$ を $x_0$ で表すと以下の通りである。

$$x_n = (x_0 + 3)\left(-\frac{1}{2}\right)^n - 3$$

(3)

$n$ を限りなく大きくしたときの $x_n$ の極限を考える。

$\left|-\frac{1}{2}\right| < 1$ であるから、$\lim_{n \to \infty} \left(-\frac{1}{2}\right)^n = 0$ となる。

したがって、(2)の結果より以下が成り立つ。

$$\lim_{n \to \infty} x_n = (x_0 + 3) \cdot 0 - 3 = -3$$

これにより、点 $P_n$ は $x$ 座標が $-3$ である定点に近づくことが示された。

この定点は曲線 $C$ 上にあるため、その $y$ 座標は $x = -3$ を $y = x^3 + 9x^2 + 9x + 2$ に代入して求める。

$$y = (-3)^3 + 9(-3)^2 + 9(-3) + 2 = -27 + 81 - 27 + 2 = 29$$

よって、点 $P_n$ は定点 $(-3, 29)$ に近づく。

解法2

(1)の別解

$y = x^3 + 9x^2 + 9x + 2$ について、$y' = 3x^2 + 18x + 9$ である。

点 $P_n(x_n, x_n^3 + 9x_n^2 + 9x_n + 2)$ における接線の方程式は次のようになる。

$$y - (x_n^3 + 9x_n^2 + 9x_n + 2) = (3x_n^2 + 18x_n + 9)(x - x_n)$$

この直線が点 $P_{n-1}(x_{n-1}, x_{n-1}^3 + 9x_{n-1}^2 + 9x_{n-1} + 2)$ を通るため、座標を代入して以下の等式が成り立つ。

$$x_{n-1}^3 + 9x_{n-1}^2 + 9x_{n-1} + 2 - (x_n^3 + 9x_n^2 + 9x_n + 2) = (3x_n^2 + 18x_n + 9)(x_{n-1} - x_n)$$

左辺を整理して因数分解する。

$$(x_{n-1}^3 - x_n^3) + 9(x_{n-1}^2 - x_n^2) + 9(x_{n-1} - x_n) = (3x_n^2 + 18x_n + 9)(x_{n-1} - x_n)$$

条件より $P_n \neq P_{n-1}$ であるから、$x_n \neq x_{n-1}$、すなわち $x_{n-1} - x_n \neq 0$ である。両辺を $x_{n-1} - x_n$ で割る。

$$(x_{n-1}^2 + x_{n-1}x_n + x_n^2) + 9(x_{n-1} + x_n) + 9 = 3x_n^2 + 18x_n + 9$$

すべての項を左辺に集めて整理する。

$$x_{n-1}^2 + x_{n-1}x_n - 2x_n^2 + 9x_{n-1} - 9x_n = 0$$

左辺をさらに因数分解する。

$$(x_{n-1} - x_n)(x_{n-1} + 2x_n) + 9(x_{n-1} - x_n) = 0$$

$$(x_{n-1} - x_n)(x_{n-1} + 2x_n + 9) = 0$$

$x_{n-1} - x_n \neq 0$ であるため、次が成り立つ。

$$x_{n-1} + 2x_n + 9 = 0$$

すなわち、$2x_n + x_{n-1} + 9 = 0$ が示された。

解説

3次曲線とその接線に関する頻出のテーマです。

(1)で3次方程式の解と係数の関係(または恒等式の係数比較)を用いる手法(解法1)は、計算量を大幅に減らすことができるため、非常に強力で実戦的です。接線を求めて交点を計算する直接的な方法(解法2)でも解けますが、因数分解の処理に多少の計算力が要求されます。

(2)の漸化式は標準的な形であり、確実に正解したい箇所です。特性方程式から等比数列に帰着させる流れを再確認しておきましょう。

(3)の極限も、公比の絶対値が1未満であることを根拠に収束を示す典型的な処理です。

答え

(1) 略(本文参照)

(2) $x_n = (x_0 + 3)\left(-\frac{1}{2}\right)^n - 3$

(3) 点 $P_n$ は定点 $(-3, 29)$ に近づく。

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