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九州大学 2000年 理系 第7問 解説

数学B/確率分布・統計的推測数学A/確率
九州大学 2000年 理系 第7問 解説

注意

画像の下部が切れており、(3)の観察結果のデータおよび問題末尾の正規分布表が確認できません。そのため、(1)および(2)については一般的な正規分布表の数値($P(0 \leqq Z \leqq 1.8)=0.4641$、$P(0 \leqq Z \leqq 2.0)=0.4772$、$Z_{0.025}=1.96$)を用いて解答を作成し、(3)の解答は省略しています。

方針・初手

(1) 苗の高さが正規分布に従うことから、確率変数を標準化して標準正規分布の問題に帰着させる。与えられた条件から間引かれる高さを不等式で表し、標準化公式 $Z = \frac{X - m}{\sigma}$ を用いる。

(2) 母平均の信頼区間の公式を用いる。標本平均 $\overline{x}$ は信頼区間の中点となること、および信頼区間の幅が標本の大きさ $n$ に依存することを利用して連立方程式を立てる。

解法1

(1) 花の苗の高さを確率変数 $X$ とおく。条件より $X$ は母平均 $m=10$、母標準偏差 $\sigma=1.5$ の正規分布 $N(10, 1.5^2)$ に従う。 これを標準化変数 $Z = \frac{X - 10}{1.5}$ によって変換すると、$Z$ は標準正規分布 $N(0, 1)$ に従う。

苗が間引かれるのは、$X < 7.3$ または $X > 13.0$ のときである。 $X = 7.3$ のとき、

$$Z = \frac{7.3 - 10}{1.5} = -1.8$$

$X = 13.0$ のとき、

$$Z = \frac{13.0 - 10}{1.5} = 2.0$$

であるから、求める確率は

$$P(X < 7.3) + P(X > 13.0) = P(Z < -1.8) + P(Z > 2.0)$$

標準正規分布の対称性より、

$$P(Z < -1.8) = 0.5 - P(0 \leqq Z \leqq 1.8)$$

$$P(Z > 2.0) = 0.5 - P(0 \leqq Z \leqq 2.0)$$

一般的な標準正規分布表より、$P(0 \leqq Z \leqq 1.8) = 0.4641$、$P(0 \leqq Z \leqq 2.0) = 0.4772$ を用いると、

$$\begin{aligned} P(Z < -1.8) + P(Z > 2.0) &= (0.5 - 0.4641) + (0.5 - 0.4772) \\ &= 0.0359 + 0.0228 \\ &= 0.0587 \end{aligned}$$

(2) 標本平均を $\overline{x}$、標本の大きさを $n$ とすると、母標準偏差が $\sigma = 1.5$ であるから、信頼度 $95\%$ の信頼区間は

$$\left[ \overline{x} - 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}}, \overline{x} + 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}} \right]$$

となる。これが $[9.81, 10.79]$ と一致するので、次の連立方程式が成り立つ。

$$\begin{cases} \overline{x} - 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}} = 9.81 \\ \overline{x} + 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}} = 10.79 \end{cases}$$

辺々を加えると、

$$2\overline{x} = 9.81 + 10.79 = 20.6$$

$$\overline{x} = 10.3$$

辺々を引くと(下から上を引く)、

$$2 \times 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}} = 10.79 - 9.81 = 0.98$$

$$1.96 \frac{1.5}{\sqrt{n}} = 0.49$$

$$\frac{1.5}{\sqrt{n}} = \frac{0.49}{1.96} = 0.25 = \frac{1}{4}$$

$$\sqrt{n} = 1.5 \times 4 = 6$$

$$n = 36$$

解説

正規分布および統計的推測の基本的な問題である。(1)では、与えられた変量 $X$ を標準化し、標準正規分布表を用いて確率を求める手順が正しくできるかが問われている。(2)では、母平均の信頼区間の公式を正しく記憶し、与えられた区間の両端の値から標本平均 $\overline{x}$ と標本の大きさ $n$ を逆算する計算力が求められる。信頼区間の中点が標本平均になることに着目すると計算がスムーズに進む。

答え

(1) $0.0587$

(2) $\overline{x} = 10.3$, $n = 36$

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