名古屋大学 1965年 文系 第6問 解説

方針・初手
座標平面を設定し、長軸を $x$ 軸、短軸を $y$ 軸とする。 長軸上の点 $x$ における、長軸に垂直な平面で立体を切断したときの断面積 $S(x)$ を求める。 求めた断面積 $S(x)$ を長軸の両端の範囲で定積分し、体積を計算する。
解法1
楕円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ ($a > b > 0$) において、長軸 $AA'$ は $x$ 軸上にあり、その両端の座標は $(a, 0)$ と $(-a, 0)$ である。便宜上、$A(a, 0)$、$A'(-a, 0)$ としても一般性を失わない。
弦 $PQ$ の中点の $x$ 座標を $x$ ($-a \le x \le a$) とする。 弦 $PQ$ は長軸に垂直であるから、$y$ 軸に平行である。 楕円の方程式より、点 $P, Q$ の $y$ 座標は
$$ y = \pm b\sqrt{1 - \frac{x^2}{a^2}} $$
である。したがって、弦 $PQ$ の長さ $l(x)$ は
$$ l(x) = 2b\sqrt{1 - \frac{x^2}{a^2}} $$
となる。
題意より、この弦 $PQ$ を対角線とする正方形が楕円の平面に垂直に作られる。 対角線の長さが $l(x)$ である正方形の面積を $S(x)$ とすると、
$$ \begin{aligned} S(x) &= \frac{1}{2} \{ l(x) \}^2 \\ &= \frac{1}{2} \left( 2b\sqrt{1 - \frac{x^2}{a^2}} \right)^2 \\ &= 2b^2 \left( 1 - \frac{x^2}{a^2} \right) \end{aligned} $$
である。
求める立体の体積 $V$ は、この断面積 $S(x)$ を $x = -a$ から $x = a$ まで積分したものであるから、
$$ V = \int_{-a}^{a} S(x) dx $$
$S(x)$ は偶関数であるため、
$$ \begin{aligned} V &= 2 \int_{0}^{a} 2b^2 \left( 1 - \frac{x^2}{a^2} \right) dx \\ &= 4b^2 \left[ x - \frac{x^3}{3a^2} \right]_0^a \\ &= 4b^2 \left( a - \frac{a^3}{3a^2} \right) \\ &= 4b^2 \left( a - \frac{a}{3} \right) \\ &= 4b^2 \cdot \frac{2}{3}a \\ &= \frac{8}{3}ab^2 \end{aligned} $$
となる。
解説
非回転体の体積を求める典型問題である。 立体の体積を求める際の基本手順は以下の通り。
- 積分するための軸(今回は長軸 $AA'$)を設定する。
- その軸上の任意の座標 $x$ において、軸に垂直な平面で立体を切断したときの断面積 $S(x)$ を立式する。
- 断面積 $S(x)$ を立体の存在する範囲で定積分する。
本問では、断面が「弦 $PQ$ を対角線とする正方形」であることがポイントである。対角線の長さが $d$ の正方形の面積は $\frac{1}{2}d^2$ で求められることを利用すると計算がスムーズに進む。一辺の長さを経由して $\left(\frac{d}{\sqrt{2}}\right)^2$ として求めてもよい。
答え
$$ \frac{8}{3}ab^2 $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











