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東北大学 1989年 文系 第4問 解説

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東北大学 1989年 文系 第4問 解説

方針・初手

図形 $A$ は直線 $y=x+2$ と放物線 $y=\dfrac14x^2+x+1$ に挟まれた部分である。まず両者の交点を求めて $A$ の面積を出す。

そのうえで、直線 $y=ax+1$ は点 $(0,1)$ を通るので、$A$ のどの部分を切り取るかを整理して面積条件を式にする。

(2) では、(1) で求めた $a$ を用いて交点を求め、$x$ 軸まわりの回転体の体積を円板・円環法で計算する。

解法1

まず、直線 $y=x+2$ と放物線 $y=\dfrac14x^2+x+1$ の交点を求める。

$$ x+2=\frac14x^2+x+1 $$

より

$$ \frac14x^2=1 $$

したがって

$$ x=\pm2 $$

である。よって図形 $A$ は $-2\le x\le2$ において

$$ x+2 \ge y \ge \frac14x^2+x+1 $$

で表される。

また、このとき上下の差は

$$ (x+2)-\left(\frac14x^2+x+1\right)=1-\frac14x^2 $$

であるから、$A$ の面積は

$$ \int_{-2}^{2}\left(1-\frac14x^2\right),dx =\left[x-\frac1{12}x^3\right]_{-2}^{2} =\frac83 $$

となる。

(1) $a$ の決定

直線 $y=ax+1$ と直線 $y=x+2$ の交点の $x$ 座標を $\alpha$ とすると、

$$ ax+1=x+2 $$

より

$$ (a-1)x=1,\qquad \alpha=\frac1{a-1} $$

である。

また、直線 $y=ax+1$ と放物線 $y=\dfrac14x^2+x+1$ の交点は

$$ ax+1=\frac14x^2+x+1 $$

すなわち

$$ \frac14x^2+(1-a)x=0 $$

より

$$ x=0,\quad x=4(a-1) $$

である。ここで $a<0$ なので $4(a-1)<-4$ となり、図形 $A$ の範囲 $-2\le x\le2$ に入る交点は $x=0$ だけである。

したがって、直線 $y=ax+1$ は図形 $A$ を上下に分け、直線より上側の部分の面積は

ので、

$$ S_{\mathrm{上}} ============== \int_{\alpha}^{0}{(x+2)-(ax+1)},dx +\int_{0}^{2}\left{(x+2)-\left(\frac14x^2+x+1\right)\right},dx $$

となる。

第1項は

$$ \int_{\alpha}^{0}{1+(1-a)x},dx ============================== \left[x+\frac{1-a}{2}x^2\right]_{\alpha}^{0} $$

であり、$\alpha=\dfrac1{a-1}=-\dfrac1{1-a}$ を用いると

$$ \left[x+\frac{1-a}{2}x^2\right]_{\alpha}^{0} =\frac1{2(1-a)} $$

である。

第2項は

$$ \int_{0}^{2}\left(1-\frac14x^2\right),dx ======================================== # \left[x-\frac1{12}x^3\right]_{0}^{2} \frac43 $$

であるから、

$$ S_{\mathrm{上}}=\frac1{2(1-a)}+\frac43 $$

となる。

ここで $A$ の面積は $\dfrac83$ であり、$\dfrac43<S_{\mathrm{上}}<\dfrac83$ だから、上側が大きい方である。よって面積比が $1:2$ であることから

$$ S_{\mathrm{上}}=\frac{16}{9} $$

である。

したがって

$$ \frac1{2(1-a)}+\frac43=\frac{16}{9} $$

より

$$ \frac1{2(1-a)}=\frac49 $$

すなわち

$$ 1-a=\frac98 $$

ゆえに

$$ a=-\frac18 $$

となる。

(2) 回転体の体積

(1) より

$$ a=-\frac18 $$

であるから、直線は

$$ y=-\frac18x+1 $$

である。

これと放物線 $y=\dfrac14x^2+x+1$ の交点は

$$ -\frac18x+1=\frac14x^2+x+1 $$

より

$$ \frac14x^2+\frac98x=0 $$

すなわち

$$ x(2x+9)=0 $$

であるから、

$$ x=0,\quad x=-\frac92 $$

である。

この区間では直線が放物線より上にあるので、$x$ 軸まわりに回転させたときの体積 $V$ は

$$ \frac{V}{\pi} ============= \int_{-9/2}^{0} \left[ \left(1-\frac{x}{8}\right)^2 ---------------------------- \left(\frac14x^2+x+1\right)^2 \right]dx $$

である。

被積分関数を展開すると

$$ \left(1-\frac{x}{8}\right)^2 ---------------------------- # \left(\frac14x^2+x+1\right)^2 -\frac1{16}x^4-\frac12x^3-\frac{95}{64}x^2-\frac94x $$

であるから、

$$ \frac{V}{\pi} ============= \int_{-9/2}^{0} \left( -\frac1{16}x^4-\frac12x^3-\frac{95}{64}x^2-\frac94x \right)dx $$

$$ \left[ -\frac1{80}x^5-\frac18x^4-\frac{95}{192}x^3-\frac98x^2 \right]_{-9/2}^{0} $$

$$ \frac{7533}{1280} \approx 5.88515625 $$

したがって、$\dfrac{V}{\pi}$ に最も近い整数は

$$ 6 $$

である。

解説

この問題の本質は、図形 $A$ の上下の差

$$ (x+2)-\left(\frac14x^2+x+1\right)=1-\frac14x^2 $$

が簡単な式になる点にある。これにより全体の面積がすぐ出る。

また、直線 $y=ax+1$ は $(0,1)$ を通るので、図形 $A$ の内部で放物線と交わるのはその点だけである。したがって、どの区間で図形全体が直線の上側または下側に来るかを丁寧に整理すれば、面積条件は素直な積分に落ちる。

(2) では、囲まれた部分をそのまま $x$ 軸まわりに回転するので、外半径と内半径を正しく見極めて円環法を使うのが標準的である。

答え

(1)

$$ a=-\frac18 $$

(2)

$$ \frac{V}{\pi}=\frac{7533}{1280}\approx 5.885 $$

したがって、$\dfrac{V}{\pi}$ に最も近い整数は

$$ 6 $$

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