名古屋大学 1965年 理系 第5問 解説

方針・初手
立体の体積を求める基本方針である「断面積の積分」を用いる。 楕円の長軸を $x$ 軸上にとり、長軸上の点における $x$ 軸に垂直な平面で立体を切断したときの断面積を $x$ の関数として表す。
解法1
楕円の方程式を $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ ($a > b > 0$) とする。 長軸 $AA'$ は $x$ 軸上にあり、点 $A, A'$ の座標はそれぞれ $(a, 0), (-a, 0)$ と表せる。
弦 $PQ$ の中点が $x$ 座標 $t$ ($-a \le t \le a$) であるとき、弦 $PQ$ は $x$ 軸に垂直な直線 $x = t$ 上にある。 このときの $P, Q$ の $y$ 座標は、楕円の方程式より、
$$ \frac{t^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1 $$
$$ y^2 = b^2 \left( 1 - \frac{t^2}{a^2} \right) $$
を満たす。弦 $PQ$ の長さは、
$$ PQ = 2|y| $$
である。
立体を平面 $x = t$ で切断したときの切り口は、弦 $PQ$ を対角線とする正方形である。 対角線の長さが $2|y|$ である正方形の面積を $S(t)$ とすると、
$$ S(t) = \frac{1}{2} (PQ)^2 = \frac{1}{2} (2|y|)^2 = 2y^2 = 2b^2 \left( 1 - \frac{t^2}{a^2} \right) $$
となる。
求める立体の体積 $V$ は、断面積 $S(t)$ を $t = -a$ から $t = a$ まで積分したものであるから、
$$ V = \int_{-a}^{a} S(t) \, dt $$
$$ V = \int_{-a}^{a} 2b^2 \left( 1 - \frac{t^2}{a^2} \right) \, dt $$
被積分関数は偶関数であるため、
$$ V = 2 \int_{0}^{a} 2b^2 \left( 1 - \frac{t^2}{a^2} \right) \, dt $$
$$ V = 4b^2 \left[ t - \frac{t^3}{3a^2} \right]_{0}^{a} $$
$$ V = 4b^2 \left( a - \frac{a}{3} \right) $$
$$ V = 4b^2 \cdot \frac{2}{3}a $$
$$ V = \frac{8}{3}ab^2 $$
と求まる。
解説
立体の体積を定積分を用いて求める典型問題である。 立体の形状そのものを詳細に想像する必要はなく、「ある軸に垂直な平面で切断したときの断面積を式で表し、それを積分する」という原則に従えば解答できる。 正方形の面積を求める際、一辺の長さから求めるのではなく、「(対角線)$\times$(対角線)$\div 2$」を用いると計算がスムーズである。
答え
$$ \frac{8}{3}ab^2 $$
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