名古屋大学 1971年 文系 第3問 解説

方針・初手
放物線上の点 $(t, t^2)$ における法線の方程式を立式し、その法線が定点 $(X, Y)$ で交わると仮定します。
これにより得られる $t$ についての3次方程式が、互いに異なる3つの実数解 $t = x_1, x_2, x_3$ を持つと考え、解と係数の関係を用いて $x_1 + x_2 + x_3$ の値を求めます。
解法1
関数を $f(x) = x^2$ とおくと、$f'(x) = 2x$ である。
放物線 $y = x^2$ 上の点 $(t, t^2)$ における法線の方程式を求める。
(i) $t \neq 0$ のとき
点 $(t, t^2)$ における接線の傾きは $2t$ であるから、法線の傾きは $-\frac{1}{2t}$ となる。
したがって、法線の方程式は
$$y - t^2 = -\frac{1}{2t}(x - t)$$
分母を払って整理すると
$$2t(y - t^2) = -x + t$$
$$2t^3 + (1 - 2y)t - x = 0 \quad \cdots (1)$$
(ii) $t = 0$ のとき
点 $(0, 0)$ における接線は $y = 0$ (x軸) であるから、法線は $x = 0$ (y軸) となる。
これは、式(1)に $t=0$ を代入して得られる式 $-x = 0 \iff x = 0$ と一致する。
よって、任意の実数 $t$ に対して、点 $(t, t^2)$ における法線の方程式は式(1)で表される。
異なる3点 $(x_1, y_1), (x_2, y_2), (x_3, y_3)$ における法線が1点で交わるとき、その交点を $(X, Y)$ とおく。
これらの法線はすべて点 $(X, Y)$ を通るため、式(1)に $x = X, y = Y$ を代入した $t$ についての3次方程式
$$2t^3 + (1 - 2Y)t - X = 0 \quad \cdots (2)$$
は、$t = x_1, x_2, x_3$ を解に持つ。
また、放物線 $y = x^2$ 上の異なる3点は $x$ 座標もすべて異なるため、$x_1, x_2, x_3$ は互いに異なる3つの実数である。
すなわち、3次方程式(2)は互いに異なる3つの実数解 $x_1, x_2, x_3$ を持つ。
3次方程式の解と係数の関係より、3つの解の和は $t^2$ の係数を用いて表される。
方程式(2)には $t^2$ の項が存在しない(係数が $0$ である)ため、
$$x_1 + x_2 + x_3 = -\frac{0}{2} = 0$$
が成り立つ。
解説
「ある点を通る法線が3本引ける」という幾何学的な条件を、「法線の方程式を接点の $x$ 座標 $t$ についての3次方程式とみなしたとき、それが異なる3つの実数解を持つ」という代数的な条件に帰着させるのが最大のポイントです。
また、3次方程式の解の和を求める際、解を具体的に求める必要はなく、解と係数の関係を利用することで簡潔に結論を導くことができます。記述の際には、$t=0$ のときの法線(y軸に平行な直線)が一般式に含まれるかの確認を丁寧に行うと、論理の飛躍を防ぐことができます。
答え
解法1に示した通り、法線が交わる条件から得られる3次方程式の解と係数の関係より、$x_1 + x_2 + x_3 = 0$ が成り立つことが証明された。
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