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名古屋大学 1997年 理系 第2問 解説

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名古屋大学 1997年 理系 第2問 解説

方針・初手

2つの曲線が接するということは、接点において共通の接線を持つことを意味する。円の中心は、接点における接線と垂直に交わる直線(法線)上に存在し、かつ $x$ 軸に上から接するという条件から、中心の $y$ 座標と円の半径が等しいことを利用して立式する。 または、円の方程式を文字で設定し、接点において放物線と円の関数値および微分係数が一致するという条件から連立方程式を解く方針も有効である。

解法1

放物線 $y = x^2$ について、導関数は $y' = 2x$ である。 点 $A(a, a^2)$ における接線の傾きは $2a$ である。

円の中心を $C(c, r)$ とおく。円は $x$ 軸に上から接するため、中心の $y$ 座標は円の半径 $r$ に等しく、$r > 0$ である。 円と放物線は点 $A$ で接するため、直線 $AC$ は点 $A$ における放物線の接線と垂直に交わる(法線である)。 点 $A$ における法線の傾きは $-\frac{1}{2a}$ であるから、直線 $AC$ の方程式は以下のようになる。

$$ y - a^2 = -\frac{1}{2a}(x - a) $$

点 $C(c, r)$ はこの直線上にあるので、代入して整理する。

$$ r - a^2 = -\frac{1}{2a}(c - a) $$

$$ r = a^2 - \frac{c - a}{2a} \cdots \text{(1)} $$

また、円が点 $A$ で接することから、線分 $AC$ の長さは円の半径 $r$ に等しい。すなわち $AC^2 = r^2$ が成り立つ。

$$ (c - a)^2 + (r - a^2)^2 = r^2 \cdots \text{(2)} $$

(1) より $r - a^2 = -\frac{c - a}{2a}$ であるから、これを (2) に代入する。

$$ (c - a)^2 + \left( -\frac{c - a}{2a} \right)^2 = \left( a^2 - \frac{c - a}{2a} \right)^2 $$

展開して整理する。

$$ (c - a)^2 + \frac{(c - a)^2}{4a^2} = a^4 - 2a^2 \cdot \frac{c - a}{2a} + \frac{(c - a)^2}{4a^2} $$

$$ (c - a)^2 = a^4 - a(c - a) $$

$$ (c - a)^2 + a(c - a) - a^4 = 0 $$

これは $c - a$ についての2次方程式である。解の公式を用いて $c - a$ を求める。

$$ c - a = \frac{-a \pm \sqrt{a^2 - 4(-a^4)}}{2} = \frac{-a \pm a\sqrt{1 + 4a^2}}{2} $$

ここで、円は放物線に「右側から接する」という条件を考える。これは、円の中心の $x$ 座標 $c$ が、接点 $A$ の $x$ 座標 $a$ よりも大きいことを意味するため、$c > a$ すなわち $c - a > 0$ である。 $a > 0$ であるから、条件を満たすのは正の符号をとるときのみである。

$$ c - a = \frac{-a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2} $$

$$ c = a + \frac{-a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2} = \frac{a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2} $$

これを (1) に代入して $r$ を求める。

$$ \begin{aligned} r &= a^2 - \frac{1}{2a} \cdot \frac{-a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2} \\ &= a^2 - \frac{-1 + \sqrt{4a^2 + 1}}{4} \\ &= \frac{4a^2 + 1 - \sqrt{4a^2 + 1}}{4} \end{aligned} $$

したがって、中心 $C$ の座標が求まる。

解法2

円は $x$ 軸に上から接するので、中心 $C$ の座標を $(p, q)$ とおくと、半径は $q\ (q > 0)$ と表せる。 円の方程式は以下のようになる。

$$ (x - p)^2 + (y - q)^2 = q^2 \cdots \text{(1)} $$

この円と放物線 $y = x^2$ が点 $A(a, a^2)$ で接するためには、以下の2条件を満たす必要がある。

(i) 点 $A$ が円 (1) 上にある。 (ii) 点 $A$ における放物線の接線の傾きと、円の接線の傾きが一致する。

条件 (i) より、点 $A$ の座標を (1) に代入する。

$$ (a - p)^2 + (a^2 - q)^2 = q^2 $$

$$ (a - p)^2 + a^4 - 2a^2q = 0 \cdots \text{(2)} $$

条件 (ii) について考える。放物線 $y = x^2$ の $x = a$ における接線の傾きは $y' = 2a$ である。 円の方程式 (1) の両辺を $x$ で微分する。

$$ 2(x - p) + 2(y - q)y' = 0 $$

点 $A(a, a^2)$ において $y' = 2a$ となるため、それぞれ代入する。

$$ 2(a - p) + 2(a^2 - q) \cdot 2a = 0 $$

$$ a - p + 2a(a^2 - q) = 0 $$

$$ a - p = 2a(q - a^2) \cdots \text{(3)} $$

(3) を (2) に代入して $p$ を消去する。

$$ \{2a(q - a^2)\}^2 + a^4 - 2a^2q = 0 $$

$$ 4a^2(q^2 - 2a^2q + a^4) + a^4 - 2a^2q = 0 $$

$$ 4a^2q^2 - 8a^4q + 4a^6 + a^4 - 2a^2q = 0 $$

$a > 0$ であるから両辺を $a^2$ で割り、$q$ について整理する。

$$ 4q^2 - 2(4a^2 + 1)q + a^2(4a^2 + 1) = 0 $$

解の公式を用いて $q$ を求める。

$$ \begin{aligned} q &= \frac{4a^2 + 1 \pm \sqrt{(4a^2 + 1)^2 - 16a^2(4a^2 + 1)}}{4} \\ &= \frac{4a^2 + 1 \pm \sqrt{(4a^2 + 1)\{(4a^2 + 1) - 4a^2\}}}{4} \\ &= \frac{4a^2 + 1 \pm \sqrt{4a^2 + 1}}{4} \end{aligned} $$

ここで、円は放物線に「右側から接する」という条件を考える。(3) より $p - a = 2a(a^2 - q)$ である。右側から接するとき、円の中心の $x$ 座標 $p$ は接点 $A$ の $x$ 座標 $a$ より大きいので、$p > a$ すなわち $p - a > 0$ となる。 $a > 0$ より、$a^2 - q > 0$ を満たす必要がある。

$q = \frac{4a^2 + 1 + \sqrt{4a^2 + 1}}{4}$ のとき、以下のようになり不適である。

$$ a^2 - q = \frac{4a^2 - (4a^2 + 1 + \sqrt{4a^2 + 1})}{4} = \frac{-1 - \sqrt{4a^2 + 1}}{4} < 0 $$

$q = \frac{4a^2 + 1 - \sqrt{4a^2 + 1}}{4}$ のとき、以下のように適する。

$$ a^2 - q = \frac{4a^2 - (4a^2 + 1 - \sqrt{4a^2 + 1})}{4} = \frac{\sqrt{4a^2 + 1} - 1}{4} $$

$a > 0$ より $\sqrt{4a^2 + 1} > 1$ であるから、$a^2 - q > 0$ となる。 このとき、$p$ を求める。

$$ \begin{aligned} p &= a + 2a(a^2 - q) \\ &= a + 2a \cdot \frac{\sqrt{4a^2 + 1} - 1}{4} \\ &= a + \frac{a\sqrt{4a^2 + 1} - a}{2} \\ &= \frac{a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2} \end{aligned} $$

したがって、中心 $C(p, q)$ の座標が求まる。

解説

2つの曲線が接するという条件をどのように立式するかが問われる典型問題である。「共有点をもち、その点における接線が一致する」ことを数式化するアプローチとして、本解説では2つの解法を提示した。 解法1のように法線を設定し、中心との距離の条件に帰着させる方法は、円の幾何学的な性質と相性が良い。解法2のように陽関数・陰関数の微分法を用いて直接連立するアプローチも、代数的な処理に持ち込めるため強力である。 最後の「右側から接する」という条件を、図形的な位置関係($x$ 座標の大小)に翻訳して解の吟味に用いる点が、解答を完遂するうえでのポイントとなる。

答え

$$ \left( \frac{a + a\sqrt{4a^2 + 1}}{2}, \frac{4a^2 + 1 - \sqrt{4a^2 + 1}}{4} \right) $$

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