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大阪大学 1972年 理系 第2問 解説

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大阪大学 1972年 理系 第2問 解説

方針・初手

2つの放物線の共通接線の方程式を求め、その $y$ 切片を $n$ とする。3点 $P, Q, R$ はすべて $y$ 軸上の点であるため、線分の長さの比は $y$ 座標の差の比に帰着する。接線を求めるアプローチとして、判別式を用いる方法と微分を用いて接点を設定する方法の2通りが考えられる。

解法1

共通接線の方程式を $y = mx + n$ とおく。

この直線が放物線 $y = ax^2 + b$ と接するための条件は、2次方程式 $ax^2 - mx + b - n = 0$ の判別式を $D_1$ として、$D_1 = 0$ となることである。

$$ D_1 = m^2 - 4a(b - n) = 0 $$

$$ m^2 = 4a(b - n) $$

同様に、直線 $y = mx + n$ が放物線 $y = -cx^2 + d$ と接するための条件は、2次方程式 $-cx^2 - mx + d - n = 0$ すなわち $cx^2 + mx + n - d = 0$ の判別式を $D_2$ として、$D_2 = 0$ となることである。

$$ D_2 = m^2 - 4c(n - d) = 0 $$

$$ m^2 = 4c(n - d) $$

2つの式から $m^2$ を消去すると、以下の関係式が得られる。

$$ 4a(b - n) = 4c(n - d) $$

$$ a(b - n) = c(n - d) $$

ここで、点 $P(0, b), Q(0, d), R(0, n)$ である。 $a > 0, c > 0$ および $b > d$ の条件から、もし $n \geqq b$ であると仮定すると、左辺 $a(b - n) \leqq 0$ となるが、右辺 $c(n - d) \geqq c(b - d) > 0$ となり矛盾する。

したがって $n < b$ である。

同様に、$n \leqq d$ と仮定すると右辺が $0$ 以下となり左辺が正となるため矛盾する。

したがって $d < n < b$ が成り立つ。

これにより、点 $R$ は線分 $PQ$ の内分点であることがわかり、それぞれの線分の長さは次のように表される。

$$ PR = b - n $$

$$ QR = n - d $$

これらを先ほどの関係式 $a(b - n) = c(n - d)$ に代入すると、

$$ a \cdot PR = c \cdot QR $$

$$ \frac{PR}{QR} = \frac{c}{a} $$

したがって、求める線分の長さの比は $c : a$ である。

解法2

微分を用いて共通接線の方程式を求める。

$y = ax^2 + b$ について $y' = 2ax$ であり、この放物線上の点 $(s, as^2 + b)$ における接線の方程式は、

$$ y - (as^2 + b) = 2as(x - s) $$

$$ y = 2asx - as^2 + b $$

同様に、$y = -cx^2 + d$ について $y' = -2cx$ であり、この放物線上の点 $(t, -ct^2 + d)$ における接線の方程式は、

$$ y - (-ct^2 + d) = -2ct(x - t) $$

$$ y = -2ctx + ct^2 + d $$

これら2つの直線が一致するための条件は、傾きと $y$ 切片がそれぞれ等しいことである。

$$ 2as = -2ct \iff t = -\frac{a}{c}s $$

$$ -as^2 + b = ct^2 + d $$

このとき、共通接線の $y$ 切片である点 $R$ の $y$ 座標を $n$ とすると、

$$ n = -as^2 + b = ct^2 + d $$

点 $P(0, b), Q(0, d)$ であるから、$y$ 座標の差から以下の関係が成り立つ。

$$ b - n = as^2 $$

$$ n - d = ct^2 $$

ここで、$a > 0, c > 0$ であり、共通接線が存在することから $s \neq 0, t \neq 0$ となるため、$as^2 > 0$ および $ct^2 > 0$ である。

したがって $b - n > 0$ かつ $n - d > 0$ となるため、点 $R$ は線分 $PQ$ の内分点である。 よって、線分の長さはそれぞれ以下のようになる。

$$ PR = as^2 $$

$$ QR = ct^2 $$

これに $t = -\frac{a}{c}s$ を代入して比を求める。

$$ QR = c \left( -\frac{a}{c}s \right)^2 = c \cdot \frac{a^2}{c^2} s^2 = \frac{a^2}{c} s^2 $$

したがって、

$$ PR : QR = as^2 : \frac{a^2}{c}s^2 = 1 : \frac{a}{c} = c : a $$

解説

共通接線を求める定石として、「接線を $y = mx+n$ とおいて判別式 $D=0$ を利用する方法」と「2つの曲線上の接点をそれぞれ文字でおいて一致させる方法」がある。本問ではどちらのアプローチでもスムーズに解くことができる。

さらに特筆すべきは、共通接線の切片 $n$ や接点の座標 $s, t$ を具体的に求めきる必要がない点である。途中で得られる関係式がそのまま線分の長さ $PR, QR$ に直結するため、比を求めるだけであれば式を最後まで解き切る労力を省くことができる。

答え

$c : a$

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