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名古屋大学 1996年 文系 第3問 解説

数学B/数列数学2/式と証明テーマ/整式の証明テーマ/漸化式
名古屋大学 1996年 文系 第3問 解説

方針・初手

和 $S_n$ と一般項 $a_n$ の間に成り立つ関係式 $S_1 = a_1$ および $S_n - S_{n-1} = a_n$ ($n \geqq 2$) を用いて、数列 $\{a_n\}$ の漸化式を導出する。その際、問題で与えられた「$a_n$ がすべて正」という条件を利用して式を簡略化する。

解法1

初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とおく。与えられた条件より、すべての $n$ に対して以下の式が成り立つ。

$$ S_n = \left(a_n + \frac{1}{4}\right)^2 $$

まず、$n = 1$ のとき、$S_1 = a_1$ であるから、

$$ a_1 = \left(a_1 + \frac{1}{4}\right)^2 $$

展開して整理すると、

$$ a_1 = a_1^2 + \frac{1}{2}a_1 + \frac{1}{16} $$

$$ a_1^2 - \frac{1}{2}a_1 + \frac{1}{16} = 0 $$

$$ \left(a_1 - \frac{1}{4}\right)^2 = 0 $$

よって、$a_1 = \frac{1}{4}$ となる。これは $a_1 > 0$ の条件を満たす。

次に、$n \geqq 2$ のとき、$a_n = S_n - S_{n-1}$ であるから、与式を用いて差をとると、

$$ a_n = \left(a_n + \frac{1}{4}\right)^2 - \left(a_{n-1} + \frac{1}{4}\right)^2 $$

右辺を展開すると、

$$ a_n = \left(a_n^2 + \frac{1}{2}a_n + \frac{1}{16}\right) - \left(a_{n-1}^2 + \frac{1}{2}a_{n-1} + \frac{1}{16}\right) $$

$$ a_n = a_n^2 - a_{n-1}^2 + \frac{1}{2}a_n - \frac{1}{2}a_{n-1} $$

式を整理して、

$$ a_n - \frac{1}{2}a_n + \frac{1}{2}a_{n-1} = a_n^2 - a_{n-1}^2 $$

$$ \frac{1}{2}(a_n + a_{n-1}) = (a_n - a_{n-1})(a_n + a_{n-1}) $$

ここで、すべての $n$ について $a_n > 0$ であるから、$a_n + a_{n-1} > 0$ である。 したがって、両辺を $a_n + a_{n-1}$ で割ることができ、

$$ \frac{1}{2} = a_n - a_{n-1} $$

すなわち、

$$ a_n - a_{n-1} = \frac{1}{2} $$

が成り立つ。

これは、数列 $\{a_n\}$ が初項 $a_1 = \frac{1}{4}$、公差 $\frac{1}{2}$ の等差数列であることを示している。

したがって、数列 $\{a_n\}$ の一般項は、

$$ a_n = \frac{1}{4} + (n - 1) \cdot \frac{1}{2} $$

$$ a_n = \frac{1}{2}n - \frac{1}{4} $$

$$ a_n = \frac{2n - 1}{4} $$

この結果について、すべての自然数 $n$ に対して $2n - 1 \geqq 1 > 0$ より $a_n > 0$ を満たしている。

解説

数列の和 $S_n$ と一般項 $a_n$ が混在した条件式から一般項を求める典型問題である。$n=1$ の場合と $n \geqq 2$ の場合で分けて考えるのが鉄則である。また、関係式から因数分解の形を導き、「$a_n$ がすべて正」という条件を用いて割ることで等差数列の漸化式を導くのがポイントとなる。文字式で割る際は、それが $0$ にならない理由を必ず明記する必要がある。

答え

$$ a_n = \frac{2n - 1}{4} $$

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