東北大学 1962年 理系 第6問 解説

方針・初手
曲線①が点 $(5, 2)$ を通るという条件 (i) から、定数 $a$ の値を決定する。
決定した $a$ を用いて曲線①の方程式を $x$ について解き、直線②との上下関係を調べる。ここで条件 (ii) も満たされていることを確認する。
指定された領域を $x$ 軸まわりに回転させてできる立体の体積を積分により計算する。その際、曲線①に関する積分は、$x$ を $y$ の式で表して $y$ について置換積分を行うと計算量が大幅に減る。
解法1
定数 $a$ の決定と条件の確認
曲線① $ay = \sqrt{x-y}$ は実数の平方根をとるため $x-y \ge 0$ で定義され、また $a > 0$ のときは $y \ge 0$ となる。
条件 (i) より、曲線①は点 $(5,2)$ を通るから、
$$ 2a = \sqrt{5-2} = \sqrt{3} \implies a = \frac{\sqrt{3}}{2} $$
このとき、曲線①の方程式は以下のようになる。
$$ \frac{\sqrt{3}}{2}y = \sqrt{x-y} $$
両辺を2乗して整理すると、
$$ \frac{3}{4}y^2 = x - y \iff x = \frac{3}{4}y^2 + y \quad (y \ge 0) $$
次に、条件 (ii) を確認しつつ、曲線①と直線②の上下関係を調べる。
直線②の方程式を $y$ について解くと、
$$ x - 4y + 7 = 0 \iff y = \frac{x+7}{4} $$
$y$ 軸に平行な直線 $x = t$ ($0 \le t \le 5$) と曲線①、直線②との交点の $y$ 座標をそれぞれ $y_1, y_2$ とおく。直線②上の点の $y$ 座標は $y_2 = \frac{t+7}{4}$ である。
曲線①上の点の $y$ 座標 $y_1$ は、$\frac{3}{4}y_1^2 + y_1 - t = 0$ ($y_1 \ge 0$) を解いて、
$$ y_1 = \frac{-1 + \sqrt{1^2 - \frac{3}{4} \cdot (-t)}}{\frac{3}{4}} = \frac{-2 + 2\sqrt{1+3t}}{3} $$
切り取られる線分の長さを $f(t) = y_2 - y_1$ とおくと、
$$ f(t) = \frac{t+7}{4} - \frac{-2+2\sqrt{1+3t}}{3} = \frac{3t+29}{12} - \frac{2}{3}\sqrt{1+3t} $$
$t$ で微分すると、
$$ f'(t) = \frac{1}{4} - \frac{2}{3} \cdot \frac{3}{2\sqrt{1+3t}} = \frac{1}{4} - \frac{1}{\sqrt{1+3t}} $$
$f'(t) = 0$ とすると、
$$ \sqrt{1+3t} = 4 \iff 1+3t = 16 \iff t=5 $$
$0 \le t < 5$ において $f'(t) < 0$ であるから、$f(t)$ は単調に減少する。よって、$0 \le t \le 5$ において $f(t)$ は $t=5$ のとき最小値をとる。その最小値は、
$$ f(5) = \frac{15+29}{12} - \frac{2}{3}\sqrt{16} = \frac{44}{12} - \frac{8}{3} = \frac{11}{3} - \frac{8}{3} = 1 $$
これにより条件 (ii) が満たされることが確認できた。同時に、$0 \le x \le 5$ において $y_2 - y_1 \ge 1 > 0$、すなわち常に $y_2 > y_1 \ge 0$ であることがわかる。
立体の体積の計算
問題文には「得られる立体を求めよ」とあるが、文脈から「得られる立体の体積を求めよ」の意と解釈して体積 $V$ を求める。
曲線①、直線②、$x$ 軸、$y$ 軸、および直線 $x=5$ に関連して囲まれる領域は、$0 \le x \le 5$ において $y_1 \le y \le y_2$ を満たす部分である。これを $x$ 軸のまわりに回転して得られる立体の体積 $V$ は、
$$ V = \pi \int_{0}^{5} (y_2)^2 dx - \pi \int_{0}^{5} (y_1)^2 dx $$
第1項の積分を計算する。
$$ \int_{0}^{5} \left( \frac{x+7}{4} \right)^2 dx = \frac{1}{16} \left[ \frac{(x+7)^3}{3} \right]_{0}^{5} = \frac{12^3 - 7^3}{48} = \frac{1728 - 343}{48} = \frac{1385}{48} $$
第2項の積分については、$y = y_1$ すなわち $x = \frac{3}{4}y^2 + y$ とおいて置換積分を行う。$dx = \left( \frac{3}{2}y + 1 \right) dy$ であり、$x$ が $0$ から $5$ まで変化するとき、$y$ は $0$ から $2$ まで変化する。
$$ \int_{0}^{5} (y_1)^2 dx = \int_{0}^{2} y^2 \left( \frac{3}{2}y + 1 \right) dy = \int_{0}^{2} \left( \frac{3}{2}y^3 + y^2 \right) dy $$
$$ = \left[ \frac{3}{8}y^4 + \frac{1}{3}y^3 \right]_{0}^{2} = \frac{3}{8} \cdot 16 + \frac{1}{3} \cdot 8 = 6 + \frac{8}{3} = \frac{26}{3} = \frac{416}{48} $$
したがって、求める体積 $V$ は、
$$ V = \pi \left( \frac{1385}{48} - \frac{416}{48} \right) = \pi \cdot \frac{969}{48} = \frac{323}{16}\pi $$
解説
本問は一見すると条件が過剰に見えますが、(i) で求めた定数 $a$ が (ii) の状況と矛盾しないことを確認する構成になっています。
条件 (ii) の確認作業を通じて、区間 $0 \le x \le 5$ において直線②が曲線①の上側にあることが保証され、回転体の体積計算において外側と内側の半径が確定します。
曲線①には無理式が含まれるため、体積計算の積分 $\int y^2 dx$ を $x$ の式でそのまま計算しようとすると複雑になります。これを $x$ について解き、$y$ による置換積分を行うことが計算の負担を減らす最大のポイントです。
問題文の「立体を求めよ」という表現は、「立体の体積を求めよ」の脱字と解釈するのが大学入試における標準的な対応です。
答え
$$ \frac{323}{16}\pi $$
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