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名古屋大学 1974年 理系 第1問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/場合分け
名古屋大学 1974年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた不等式は $x$ および $y$ について絶対値を含んでおり、そのままでは場合分けが非常に煩雑になります。そこで、式の形に着目して領域の対称性を見抜くことが第一手です。

$f(x, y) = \big||x| - 2\big| + \big||y| - 2\big|$ とおくと、$f(-x, y) = f(x, y)$ および $f(x, -y) = f(x, y)$ が成り立つため、求める領域は $x$ 軸、$y$ 軸、および原点に関して対称であることが分かります。

したがって、第1象限($x \ge 0$ かつ $y \ge 0$)における領域を求め、それを各座標軸に関して対称移動させる方針をとります。

解法1

求める領域を $D$ とし、$f(x, y) = \big||x| - 2\big| + \big||y| - 2\big|$ とする。

不等式は $1 < f(x, y) < 5$ である。 ここで、$f(-x, y) = f(x, y)$ および $f(x, -y) = f(x, y)$ が成り立つため、領域 $D$ は $x$ 軸および $y$ 軸に関して対称である。 したがって、$x \ge 0$ かつ $y \ge 0$ の範囲(第1象限およびその境界)における領域 $D_1$ を求め、それを $x$ 軸および $y$ 軸に関して対称移動すればよい。

$x \ge 0$ かつ $y \ge 0$ のとき、$|x| = x$、$|y| = y$ であるから、不等式は次のようになる。

$$ 1 < |x - 2| + |y - 2| < 5 $$

この不等式は、点 $(2, 2)$ を中心とする領域であり、 「$|x - 2| + |y - 2| < 5$ の表す領域」かつ「$|x - 2| + |y - 2| > 1$ の表す領域」 として求められる。

(i) $|x - 2| + |y - 2| < 5$ について

絶対値の中身の正負によって場合分けをして、境界線 $|x - 2| + |y - 2| = 5$ を求める。

$x \ge 2, y \ge 2$ のとき、$x - 2 + y - 2 = 5$ より $y = -x + 9$ $x < 2, y \ge 2$ のとき、$-(x - 2) + y - 2 = 5$ より $y = x + 5$ $x \ge 2, y < 2$ のとき、$x - 2 - (y - 2) = 5$ より $y = x - 5$ $x < 2, y < 2$ のとき、$-(x - 2) - (y - 2) = 5$ より $y = -x - 1$

$x \ge 0, y \ge 0$ の範囲において、これらの直線が構成する境界は、点 $(5, 0), (7, 2), (2, 7), (0, 5)$ を順に結んだ折れ線となる。 原点 $(0, 0)$ は $|0 - 2| + |0 - 2| = 4 < 5$ を満たすため、この折れ線と座標軸で囲まれた部分(原点を含む側)が $|x - 2| + |y - 2| < 5$ を満たす。

(ii) $|x - 2| + |y - 2| > 1$ について

境界線 $|x - 2| + |y - 2| = 1$ は、点 $(2, 2)$ を中心とし、対角線が座標軸に平行で長さが $2$ の正方形である。 頂点は $(3, 2), (2, 3), (1, 2), (2, 1)$ となり、この正方形はすべて $x \ge 0, y \ge 0$ の範囲に含まれる。 不等式は、この正方形の外部を表す。

以上より、第1象限における領域 $D_1$ は、 「頂点 $(5, 0), (7, 2), (2, 7), (0, 5), (0, 0)$ を結ぶ五角形の内部」から「頂点 $(3, 2), (2, 3), (1, 2), (2, 1)$ を結ぶ正方形の内部および境界」を除いた部分である。

全体領域 $D$ は、この $D_1$ を $x$ 軸、$y$ 軸に関して対称移動させたものとなる。

外側の境界線は、点 $(0, 5), (2, 7), (7, 2), (5, 0)$ の折れ線を対称移動させた、12個の頂点をもつ多角形となる。 内側の境界線は、中心が $(2, 2), (-2, 2), (-2, -2), (2, -2)$ である4つの正方形となる。

解説

絶対値記号を含む関数のグラフや領域を図示する問題では、対称性を活用して調べる範囲を限定することが定石です。 $x$ を $-x$ に置き換えても式が変わらない場合は $y$ 軸対称、$y$ を $-y$ に置き換えても変わらない場合は $x$ 軸対称となります。

また、$|x - a| + |y - b| = c \ (c > 0)$ という方程式が、「点 $(a, b)$ を中心とし、対角線の長さが $2c$ で座標軸に平行な正方形」を表すという知識を持っていると、場合分けの計算を大幅に省略し、見通しよく作図することができます。 今回は外側の境界が第1象限の途中で座標軸と交わるため、すべての象限へ対称移動した際に十字型の星のような図形になることがポイントです。

答え

求める領域は、以下の外側の境界線の内部から、内側の境界線の内部および境界を除いた部分である。(境界線はすべて含まない)

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