東北大学 2017年 理系 第1問 解説

方針・初手
まず
$$ y=|x^2-4| $$
を場合分けして、曲線 $C$ を 2 つの放物線の一部として見る。
$$ y=|x^2-4|= \begin{cases} 4-x^2 & (-2\le x\le 2),\\ x^2-4 & (x\le -2,\ x\ge 2). \end{cases} $$
したがって、直線 $l:y=ax+b$ との共有点は
- 中央部分 $y=4-x^2$ との交点
- 外側部分 $y=x^2-4$ との交点
を別々に調べればよい。
解法1
(1)
$l$ が点 $(-2,0)$ を通るとき
$(-2,0)$ を通るので
$$ 0=-2a+b $$
より
$$ b=2a $$
である。
このとき $l$ は
$$ y=ax+2a $$
である。
中央部分 $y=4-x^2$ との交点:
$$ 4-x^2=ax+2a $$
より
$$ x^2+ax+2a-4=0 $$
である。これは $x=-2$ を解にもつので、
$$ x^2+ax+2a-4=(x+2)(x+a-2) $$
と因数分解できる。したがって、中央部分との交点の $x$ 座標は
$$ x=-2,\quad x=2-a $$
である。
ただし中央部分では $-2\le x\le 2$ だから、
$$ -2\le 2-a\le 2 $$
より
$$ 0\le a\le 4 $$
である。
外側部分 $y=x^2-4$ との交点:
$$ x^2-4=ax+2a $$
より
$$ x^2-ax-2a-4=0 $$
である。これも $x=-2$ を解にもつので、
$$ x^2-ax-2a-4=(x+2)(x-a-2) $$
と因数分解できる。したがって、外側部分との交点の $x$ 座標は
$$ x=-2,\quad x=a+2 $$
である。
外側部分では $x\le -2$ または $x\ge 2$ だから、
$$ a\le -4 \quad \text{または} \quad a\ge 0 $$
である。
共有点がちょうど 3 個となる条件:
すでに $x=-2$ は共有点である。さらに
- 中央部分で $x=2-a$ が新たな共有点となるには $0\le a\le 4$
- 外側部分で $x=a+2$ が新たな共有点となるには $a\le -4$ または $a\ge 0$
である。
$0<a<4$ のとき
- $2-a\in(-2,2)$
- $a+2>2$
となるから、共有点は
$$ x=-2,\quad x=2-a,\quad x=a+2 $$
の 3 個である。
一方、
- $a=0$ では $x=2-a$ と $x=a+2$ がともに $2$ となり、共有点は 2 個
- $a=4$ では $x=2-a=-2$ となり、共有点は 2 個
である。
したがって条件は
$$ 0<a<4,\qquad b=2a $$
である。
(2)
$l$ と $C$ がちょうど 3 個の共有点をもつときの $(a,b)$ の軌跡
共有点の個数が奇数個になるには、次のどちらかである。
- 直線が折れ曲がり点 $(\pm2,0)$ を通る場合
- どちらか一方の放物線に接する場合
以下、場合分けする。
(i)
$l$ が $(\pm2,0)$ を通る場合
$(-2,0)$ を通る場合は (1) より
$$ b=2a,\qquad 0<a<4 $$
である。
$C$ は $y$ 軸対称だから、$(2,0)$ を通る場合はこれを左右反転した場合に対応し、
$$ b=-2a,\qquad -4<a<0 $$
である。
したがって、この場合の軌跡は
$$ b=2a\quad(0<a<4),\qquad b=-2a\quad(-4<a<0) $$
である。
(ii)
$l$ が中央部分 $y=4-x^2$ に接する場合
接点の $x$ 座標を $t$ とする。ただし $-2<t<2$ である。
$y=4-x^2$ の接線の傾きは $-2t$ だから、接線は
$$ y=-2t(x-t)+4-t^2=-2tx+t^2+4 $$
である。
よって
$$ a=-2t,\qquad b=t^2+4 $$
となるから、
$$ b=\frac{a^2}{4}+4 $$
を得る。
また $-2<t<2$ より
$$ -4<a<4 $$
である。
このとき本当に共有点が 3 個になることを確かめる。
外側部分との交点は
$$ x^2+2tx-(t^2+8)=0 $$
であり、この 2 解の積は $-(t^2+8)<0$ だから、2 解は異符号である。しかも積の絶対値は $t^2+8>8$ なので、それぞれ $x>2$、$x<-2$ となる。
したがって、外側部分で 2 個、中央部分で接点 1 個、合計 3 個の共有点をもつ。
よって、この場合の軌跡は
$$ b=\frac{a^2}{4}+4\qquad (-4<a<4) $$
である。
(iii)
$l$ が外側部分 $y=x^2-4$ に接する場合
接点の $x$ 座標を $s$($|s|\ge 2$)とすると、接線は
$$ y=2sx-s^2-4 $$
である。これと中央部分との交点は
$$ x^2+2sx-(s^2+8)=0 $$
であり、解は $x=-s\pm\sqrt{2s^2+8}$ となる。$|s|>2$ ならどちらも区間 $[-2,2]$ に入らず、$|s|=2$ のときは端点 $(\pm2,0)$ を与えるだけである。
したがって、この場合は共有点は 3 個にならない。
以上より、求める軌跡は (i) と (ii) の和集合である。
解説
この問題の要点は、$y=|x^2-4|$ を 1 本の曲線として眺めるのではなく、
- 中央の下に開く放物線 $y=4-x^2$
- 外側の上に開く放物線 $y=x^2-4$
に分けて考えることである。
共有点が 3 個という奇数になるのは、普通の「2 次方程式どうしの交点個数」から考えると特殊である。したがって、
- 折れ曲がり点 $(\pm2,0)$ を通って重なりが 1 つ減る
- どこかで接して 2 個が 1 個に縮む
という発想が重要である。
特に (2) では、この「奇数個になる理由」を先に整理すると見通しが立つ。
答え
$$ \text{(1)}\quad 0<a<4,\qquad b=2a $$
$$ \text{(2)}\quad \left\{(a,b)\ \middle|\ b=\frac{a^2}{4}+4,\ -4<a<4\right\} \cup \left\{(a,b)\ \middle|\ b=2a,\ 0<a<4\right\} \cup \left\{(a,b)\ \middle|\ b=-2a,\ -4<a<0\right\} $$
すなわち、$ab$ 平面では
- 放物線 $b=\dfrac{a^2}{4}+4$ の $-4<a<4$ の部分
- 直線 $b=2a$ の $0<a<4$ の部分
- 直線 $b=-2a$ の $-4<a<0$ の部分
である。
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