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名古屋大学 1992年 理系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/確率漸化式
名古屋大学 1992年 理系 第4問 解説

方針・初手

1日に総当たりで3試合が行われるため、各チームは1日に2試合を行う。優勝条件は「1日に2勝すること」である。 各試合の結果は独立であると考え、まずはある特定の1日において「優勝チームが決定する確率」と「優勝チームが決定しない確率」を求める。 第 $n$ 日目に優勝チームが決まる事象は、第1日目から第 $n-1$ 日目までは優勝チームが決まらず、第 $n$ 日目に初めて優勝チームが決まるという反復試行の確率として定式化できる。

解法1

3チーム $A, B, C$ が1日に行う総当たり戦の試合は、「$A$対$B$」「$B$対$C$」「$C$対$A$」の3試合である。 各チームは1日に2試合を行い、優勝するためには自分が参加する2試合の両方に勝つ必要がある。

問題の条件より、各試合の勝敗の確率は以下の通りである。

1日の試合で、各チームが優勝する(2勝する)確率をそれぞれ求める。 $A$ が優勝する確率 $P(A)$ は、$A$ が $B$ に勝ち、かつ $A$ が $C$ に勝つ確率であるから、

$$P(A) = p \times (1-p) = p(1-p)$$

$B$ が優勝する確率 $P(B)$ は、$B$ が $A$ に勝ち、かつ $B$ が $C$ に勝つ確率であるから、

$$P(B) = (1-p) \times p = p(1-p)$$

$C$ が優勝する確率 $P(C)$ は、$C$ が $A$ に勝ち、かつ $C$ が $B$ に勝つ確率であるから、

$$P(C) = p \times (1-p) = p(1-p)$$

1日で優勝チームが決まる事象は、$A, B, C$ のいずれかのチームが2勝する事象である。 総試合数は3試合であり、2勝するチームが同時に2つ以上現れることはないため、これらの事象は互いに排反である。 よって、1日で優勝チームが決まる確率 $q$ は、

$$q = P(A) + P(B) + P(C) = 3p(1-p)$$

また、1日で優勝チームが決まらない(誰も2勝しない)確率 $r$ は、余事象の確率より、

$$r = 1 - q = 1 - 3p(1-p)$$

求める確率 $P_n$ は、第1日目から第 $n-1$ 日目までの $n-1$ 日間は優勝チームが決まらず、第 $n$ 日目に初めて優勝チームが決まる確率である。 各日の試合結果は独立であるから、

$$P_n = r^{n-1} \times q = \{1 - 3p(1-p)\}^{n-1} \cdot 3p(1-p)$$

解説

総当たり戦における勝敗の確率を求める標準的な問題である。 各チームが2試合ずつ行うことに注目し、それぞれのチームが2勝する確率を個別に求めるのが最も簡明な方針である。

1日で優勝チームが決まらない事象は、全チームが1勝1敗となる「三つ巴」の状態である。 この確率は余事象を用いて $1 - 3p(1-p)$ と求めたが、直接計算で求めることもできる。 三つ巴になるのは、「$A$が$B$に勝ち、$B$が$C$に勝ち、$C$が$A$に勝つ」場合(確率 $p^3$)と、「$A$が$C$に勝ち、$C$が$B$に勝ち、$B$が$A$に勝つ」場合(確率 $(1-p)^3$)の2通りであり、その和は $p^3 + (1-p)^3 = (p + 1 - p)(p^2 - p(1-p) + (1-p)^2) = 1 - 3p + 3p^2 = 1 - 3p(1-p)$ となり、余事象からの計算と一致することが確認できる。

答え

$$P_n = 3p(1-p)\{1 - 3p(1-p)\}^{n-1}$$

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