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名古屋大学 1997年 理系 第5問 解説

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名古屋大学 1997年 理系 第5問 解説

方針・初手

(1) は、$f(-1)$、$f(0)$、$f(1)$ の値をそれぞれ文字でおき、与えられた条件から係数 $a$、$b$、$c$ を表現します。その後、$f(n)$ の式に代入し、「連続する整数の積」の形を作り出すことで、常に整数となることを示します。

(2) は、平行移動を利用して (1) の状況に帰着させることを考えます。

解法1

(1)

$f(-1) = P$、$f(0) = Q$、$f(1) = R$ とおくと、仮定より $P$、$Q$、$R$ は整数である。 $f(x) = x^3 + ax^2 + bx + c$ であるから、

$$ \begin{cases} f(-1) = -1 + a - b + c = P \\ f(0) = c = Q \\ f(1) = 1 + a + b + c = R \end{cases} $$

これらを $a$、$b$、$c$ について解く。 第2式より $c = Q$ である。これを第1式と第3式に代入して整理すると、

$$ \begin{cases} a - b = P - Q + 1 \\ a + b = R - Q - 1 \end{cases} $$

辺々加えて2で割ると、

$$ a = \frac{P + R - 2Q}{2} $$

辺々引いて2で割ると、

$$ b = \frac{R - P - 2}{2} $$

したがって、すべての整数 $n$ に対して、$f(n)$ は次のように変形できる。

$$ \begin{aligned} f(n) &= n^3 + \frac{P + R - 2Q}{2} n^2 + \frac{R - P - 2}{2} n + Q \\ &= n^3 - n + P \frac{n^2 - n}{2} + R \frac{n^2 + n}{2} - Q n^2 + Q \\ &= (n - 1)n(n + 1) + P \frac{n(n - 1)}{2} + R \frac{n(n + 1)}{2} + Q(1 - n^2) \end{aligned} $$

任意の整数 $n$ について、 $(n - 1)n(n + 1)$ は連続する3つの整数の積であるから整数である。 $n(n - 1)$ と $n(n + 1)$ は連続する2つの整数の積であるから、いずれも偶数である。よって $\frac{n(n - 1)}{2}$ と $\frac{n(n + 1)}{2}$ は整数である。 また、$1 - n^2$ も整数である。

$P$、$Q$、$R$ は整数であるから、以上の和で表される $f(n)$ も整数である。 よって、すべての整数 $n$ に対し、$f(n)$ は整数であることが示された。

(2)

$g(x) = f(x + 1997)$ とおく。

$f(x)$ は $x^3$ の係数が $1$ の3次多項式であるから、$g(x)$ も $x^3$ の係数が $1$ の3次多項式である。 仮定より、$f(1996)$、$f(1997)$、$f(1998)$ はすべて整数であるから、

$$ \begin{cases} g(-1) = f(1996) \\ g(0) = f(1997) \\ g(1) = f(1998) \end{cases} $$

はすべて整数である。 これは、多項式 $g(x)$ が (1) の条件を満たしていることを意味する。

よって、(1) の結果から、すべての整数 $k$ に対して $g(k)$ は整数である。 ここで、任意の整数 $n$ に対して、$k = n - 1997$ とおくと、$k$ は整数であり、

$$ f(n) = f(k + 1997) = g(k) $$

となるから、$f(n)$ も整数である。 したがって、$f(1996)$、$f(1997)$、$f(1998)$ がすべて整数の場合も、すべての整数 $n$ に対し、$f(n)$ は整数となる。

解説

整数値多項式(すべての整数 $n$ に対して $f(n)$ が整数となる多項式)に関する問題です。 (1) では、式変形の中で $\frac{n(n-1)}{2}$ などの連続する整数の積を利用して整数であることを論証する手法がポイントになります。 (2) では、式をそのまま扱って最初から計算をやり直すのではなく、関数の平行移動 $x \to x + 1997$ を用いて (1) の構造に帰着させることで、計算量と記述量を大幅に削減できます。

答え

(1) 題意は示された。

(2) すべての整数 $n$ に対し、$f(n)$ は整数となる。

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