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名古屋大学 2007年 理系 第4問 解説

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名古屋大学 2007年 理系 第4問 解説

方針・初手

円外の点から引いた2本の接線の接点を結ぶ直線(極線)の方程式を利用するか、円の接線と図形の対称性に着目して幾何的にアプローチする。軌跡を求める際は、求めた関係式から $x_0, y_0$ を消去する。この変換は「反転」と呼ばれる有名な変換である。

解法1

(1)

2つの接点を $A(a_1, a_2), B(b_1, b_2)$ とする。 点 $A$ における接線の方程式は $a_1 x + a_2 y = 1$ であり、これが点 $P(x_0, y_0)$ を通るから、

$$ a_1 x_0 + a_2 y_0 = 1 $$

が成り立つ。同様に、点 $B$ における接線も $P$ を通るから、

$$ b_1 x_0 + b_2 y_0 = 1 $$

が成り立つ。これら2つの式は、点 $A, B$ が直線 $x_0 x + y_0 y = 1$ 上にあることを示している。すなわち、直線 $AB$ の方程式は $x_0 x + y_0 y = 1$ である。

円の対称性より、2つの接点の中点 $Q(x_1, y_1)$ は直線 $OP$ 上にある。また、直線 $OP$ と直線 $AB$ は点 $Q$ で直交する。 点 $P$ は円外の点であるため、$(x_0, y_0) \neq (0, 0)$ である。直線 $OP$ の方程式は $y_0 x - x_0 y = 0$ と表せる。 点 $Q$ はこの2直線の交点であるため、以下の連立方程式を満たす。

$$ \begin{cases} x_0 x_1 + y_0 y_1 = 1 \\ y_0 x_1 - x_0 y_1 = 0 \end{cases} $$

第2式より $x_1 = k x_0, y_1 = k y_0$ ($k$ は実数)とおける。これを第1式に代入すると、

$$ k(x_0^2 + y_0^2) = 1 $$

$$ k = \frac{1}{x_0^2 + y_0^2} $$

したがって、点 $Q$ の座標は

$$ (x_1, y_1) = \left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right) $$

となる。次に、$OP \cdot OQ$ を計算する。

$$ OP = \sqrt{x_0^2 + y_0^2} $$

$$ OQ = \sqrt{x_1^2 + y_1^2} = \sqrt{\frac{x_0^2 + y_0^2}{(x_0^2 + y_0^2)^2}} = \frac{1}{\sqrt{x_0^2 + y_0^2}} $$

よって、

$$ OP \cdot OQ = \sqrt{x_0^2 + y_0^2} \cdot \frac{1}{\sqrt{x_0^2 + y_0^2}} = 1 $$

となり、示された。

(2)

点 $P$ が直線 $x + y = 2$ 上を動くので、

$$ x_0 + y_0 = 2 $$

が成り立つ。点 $Q$ の座標を $(x, y)$ とすると、(1) より

$$ x = \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \quad y = \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} $$

これより、

$$ x^2 + y^2 = \frac{x_0^2 + y_0^2}{(x_0^2 + y_0^2)^2} = \frac{1}{x_0^2 + y_0^2} $$

したがって、

$$ x_0 = \frac{x}{x^2 + y^2}, \quad y_0 = \frac{y}{x^2 + y^2} $$

となる。(ここで、点 $P$ は無限遠にはないため $(x, y) \neq (0, 0)$ である) これらを $x_0 + y_0 = 2$ に代入すると、

$$ \frac{x}{x^2 + y^2} + \frac{y}{x^2 + y^2} = 2 $$

$$ x + y = 2(x^2 + y^2) $$

$$ x^2 - \frac{1}{2}x + y^2 - \frac{1}{2}y = 0 $$

$$ \left(x - \frac{1}{4}\right)^2 + \left(y - \frac{1}{4}\right)^2 = \frac{1}{8} $$

点 $P$ は円外にあるという条件について確認する。直線 $x+y=2$ と原点の距離は $\frac{|-2|}{\sqrt{1^2+1^2}} = \sqrt{2}$ であり、円の半径 $1$ より大きいため、直線上のすべての点は円外の点としての条件を満たす。 また、点 $P$ が直線上を動くとき、原点から無限に遠ざかる場合を考えると点 $Q$ は原点に限りなく近づくが、原点そのものにはならない。 よって、求める軌跡は円 $\left(x - \frac{1}{4}\right)^2 + \left(y - \frac{1}{4}\right)^2 = \frac{1}{8}$ から原点を除いたものである。

解法2

(1)

2つの接点のうちの1つを $A$ とすると、$\triangle OAP$ は $\angle OAP = 90^\circ$ の直角三角形となる。 また、円の対称性より、直線 $OP$ と接点を結ぶ弦は直交するため、点 $A$ から斜辺 $OP$ に下ろした垂線の足が $Q$ となる。 直角三角形の相似 $\triangle OAP \sim \triangle OQA$ より、

$$ OP : OA = OA : OQ $$

$$ OP \cdot OQ = OA^2 $$

円の半径は $1$ なので $OA = 1$ であり、

$$ OP \cdot OQ = 1 $$

が成り立つ。点 $Q$ は半直線 $OP$ 上にあるため、ベクトルを用いると

$$ \vec{OQ} = \frac{OQ}{OP} \vec{OP} = \frac{OP \cdot OQ}{OP^2} \vec{OP} = \frac{1}{x_0^2 + y_0^2} \vec{OP} $$

よって、点 $Q$ の座標は

$$ (x_1, y_1) = \left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right) $$

となる。以降の (2) は解法1と同様。

解説

(1) で登場した直線 $x_0 x + y_0 y = 1$ は「極線」と呼ばれる。接点が与えられていない状態から接点を通る直線の方程式を立式する手法は、円や二次曲線の問題で頻出のテクニックである。 また、本問における点 $P$ から点 $Q$ への変換は「反転」と呼ばれる。反転によって、原点を通らない直線は原点を通る円(から原点を除いた図形)に写される性質がある。(2) の結果はこの性質を裏付けている。除外点の確認を忘れないように注意したい。

答え

(1)

点 $Q$ の座標:$\left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right)$

$OP \cdot OQ = 1$ の証明:略(解説本文参照)

(2)

中心 $\left(\frac{1}{4}, \frac{1}{4}\right)$、半径 $\frac{\sqrt{2}}{4}$ の円。ただし、原点 $(0,0)$ を除く。

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