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大阪大学 1976年 理系 第5問 解説

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大阪大学 1976年 理系 第5問 解説

方針・初手

与えられた手順 (i) 〜 (v) を数式で整理し、$A$ と $B$ の関係を明確にすることが第一歩である。 特に、「最大の整数」という条件は不等式を用いて定式化できる。$\alpha$ や $\beta$ が満たす不等式を書き下し、式変形によって $A$、$B$、$e$ の関係を導出する。

解法1

(1)

条件 (i) より、$A$ は4けたの自然数であり、上2けたが $a$、下2けたが $b$ であるから、

$$ A = 100a + b $$

と表せる。(ただし $10 \leqq a < 100$、$0 \leqq b < 100$)

条件 (ii) より、$\alpha$ は $a \geqq \alpha^2$ である最大の整数であるから、

$$ \alpha^2 \leqq a < (\alpha + 1)^2 $$

が成り立つ。

条件 (iii) より $c = a - \alpha^2$ であり、これを用いると $d$ は次のように表せる。

$$ d = 100c + b = 100(a - \alpha^2) + b = 100a + b - 100\alpha^2 = A - 100\alpha^2 $$

条件 (iv) の不等式 $d \geqq (20\alpha + \beta)\beta$ に上の $d$ を代入すると、

$$ A - 100\alpha^2 \geqq 20\alpha\beta + \beta^2 $$

$$ A \geqq 100\alpha^2 + 20\alpha\beta + \beta^2 $$

$$ A \geqq (10\alpha + \beta)^2 $$

となり、$\beta$ はこの不等式を満たす最大の整数である。

ここで、$a$ は整数であり、$a < (\alpha + 1)^2$ より $a \leqq (\alpha + 1)^2 - 1 = \alpha^2 + 2\alpha$ が成り立つ。これを用いると $A$ の上限は次のように評価できる。

$$ A = 100a + b \leqq 100(\alpha^2 + 2\alpha) + 99 = 100\alpha^2 + 200\alpha + 99 $$

仮に $\beta = 10$ とすると、

$$ (10\alpha + 10)^2 = 100\alpha^2 + 200\alpha + 100 $$

となり、上の $A$ の上限と比較して、

$$ A < (10\alpha + 10)^2 $$

が成り立つ。すなわち、$\beta = 10$ は $A \geqq (10\alpha + \beta)^2$ を満たさない。 さらに $\beta \geqq 10$ なら $(10\alpha+\beta)^2 \geqq (10\alpha+10)^2 > A$ であるから、$\beta$ は $10$ 以上にはなりえない。 したがって、これを満たす最大の整数 $\beta$ は $9$ 以下である。 よって、$\beta \leqq 9$ が示された。

(2)

条件 (v) より $B = 10\alpha + \beta$ である。 (1) で示した通り、$\beta$ は $A \geqq (10\alpha + \beta)^2$ を満たす最大の整数であるから、

$$ A \geqq B^2 $$

が成り立つ。

また、$\beta$ は条件を満たす最大の整数であるため、$\beta$ より $1$ 大きい整数 $\beta + 1$ ではこの条件を満たさない。すなわち、

$$ A < \{10\alpha + (\beta + 1)\}^2 $$

となる。$10\alpha + \beta + 1 = B + 1$ であるから、

$$ A < (B + 1)^2 $$

が成り立つ。 以上より、$(B + 1)^2 > A \geqq B^2$ が示された。

(3)

条件 (v) より $e = d - (20\alpha + \beta)\beta$ であり、これに $d = A - 100\alpha^2$ を代入する。

$$ e = A - 100\alpha^2 - 20\alpha\beta - \beta^2 = A - (10\alpha + \beta)^2 $$

ここで $B = 10\alpha + \beta$ であるから、

$$ e = A - B^2 $$

と表せる。

(必要性の証明) $A$ がある自然数 $N$ の2乗であるとする。すなわち $A = N^2$ とおく。 (2) の結果より、

$$ (B + 1)^2 > N^2 \geqq B^2 $$

が成り立つ。$10 \leqq a < 100$ より $\alpha \geqq 3$ であり、$\beta \geqq 0$ であるから $B = 10\alpha + \beta \geqq 30$ は自然数である。 $B$ と $N$ はともに自然数であり、上の不等式を満たす自然数 $N$ は $B$ のみである。 よって $N = B$、すなわち $A = B^2$ となる。 したがって、$e = A - B^2 = 0$ である。

(十分性の証明) $e = 0$ とすると、$A - B^2 = 0$ より $A = B^2$ である。 先述の通り $B$ は自然数であるから、$A$ はある自然数 $B$ の2乗である。

以上より、$A$ がある自然数の2乗であるための必要十分条件は $e = 0$ であることが示された。

解説

本問は、平方根を筆算で求めるアルゴリズム(開平法)を数式化したものである。 「$\alpha$ は $a \geqq \alpha^2$ を満たす最大の整数」という表現から $\alpha^2 \leqq a < (\alpha + 1)^2$ の不等式を立式することが核心である。手順が多く見慣れない形をしているが、文字を $A$ や $B$ に置き換えて式を整理することで、意味が明確になる。

答え

各設問で要求された命題の証明は、解法に示した通りである。

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