トップ 大阪大学 1965年 文系 第3問

大阪大学 1965年 文系 第3問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/場合分け
大阪大学 1965年 文系 第3問 解説

方針・初手

2直線 $a_1x + b_1y + c_1 = 0$ と $a_2x + b_2y + c_2 = 0$ が平行になる条件は $a_1b_2 - a_2b_1 = 0$ であることを利用する。 また、問題文の冒頭にある「相異なる 3 直線」という前提条件に注意する。3直線が1点で交わる条件を求めた後、直線が一致してしまう場合を除外する必要がある。

解法1

(1)

直線①と直線③が平行であるための条件は、係数の比から

$$ (1-a) \cdot 18 - 9 \cdot (-6) = 0 $$

$$ 18 - 18a + 54 = 0 $$

$$ 18a = 72 $$

$$ a = 4 $$

$a = 4$ のとき、 直線①は $-3x + 9y + 3 = 0 \iff -x + 3y + 1 = 0$ 直線③は $-6x + 18y + 1 = 0$ これらは平行であり、かつ一致しないため相異なる直線である。 したがって、$a = 4$ である。

(2)

3直線①、②、③が互いに平行になるためには、少なくとも直線①と直線③が平行でなければならない。 (1) の結果より、①と③が平行になるのは $a = 4$ のときに限られる。 このとき、直線②の方程式は

$$ 2x - 8y - 1 = 0 $$

直線①($-x + 3y + 1 = 0$)と直線②が平行であるかを確認する。

$$ (-1) \cdot (-8) - 3 \cdot 2 = 8 - 6 = 2 \neq 0 $$

したがって、直線①と直線②は平行ではない。 ゆえに、3直線が互いに平行になることはない。

(3)

直線②が2直線①、③の交点を通るということは、3直線が1点で交わるということである。そのためには、まず①と③が交点を持つ必要がある。 (1) より、$a = 4$ のときは①と③が平行となり交点を持たないため、$a \neq 4$ である。 直線①、③の交点を求める。 ① $\times 2$ より

$$ 2(1-a)x + 18y + 6 = 0 $$

これと③の辺々の差をとると

$$ \{2(1-a) - (-6)\}x + 6 - (5-a) = 0 $$

$$ (8-2a)x + a+1 = 0 $$

$$ 2(4-a)x = -(a+1) $$

$a \neq 4$ より

$$ x = \frac{a+1}{2(a-4)} $$

次に $y$ を求める。 ① $\times 6$ より

$$ 6(1-a)x + 54y + 18 = 0 $$

③ $\times (1-a)$ より

$$ -6(1-a)x + 18(1-a)y + (1-a)(5-a) = 0 $$

辺々を足し合わせると

$$ \{54 + 18(1-a)\}y + 18 + (1-a)(5-a) = 0 $$

$$ 18(4-a)y + a^2 - 6a + 23 = 0 $$

$$ 18(a-4)y = a^2 - 6a + 23 $$

$a \neq 4$ より

$$ y = \frac{a^2-6a+23}{18(a-4)} $$

この交点 $\left( \frac{a+1}{2(a-4)}, \frac{a^2-6a+23}{18(a-4)} \right)$ が直線②上にあるので、②の方程式に代入する。

$$ 2 \cdot \frac{a+1}{2(a-4)} - (a+4) \frac{a^2-6a+23}{18(a-4)} - 1 = 0 $$

両辺に $18(a-4)$ を掛けて整理する。

$$ 18(a+1) - (a+4)(a^2-6a+23) - 18(a-4) = 0 $$

$$ 18a + 18 - (a^3 - 2a^2 - a + 92) - 18a + 72 = 0 $$

$$ 90 - a^3 + 2a^2 + a - 92 = 0 $$

$$ -a^3 + 2a^2 + a - 2 = 0 $$

$$ a^3 - 2a^2 - a + 2 = 0 $$

$$ a^2(a-2) - (a-2) = 0 $$

$$ (a^2-1)(a-2) = 0 $$

$$ (a+1)(a-1)(a-2) = 0 $$

よって、$a = \pm 1, 2$ を得る。 これらはすべて $a \neq 4$ を満たす。 ここで、問題文の大前提として3直線は「相異なる」必要があるため、直線が一致するケースを除外する。 $a = 2$ のとき 直線②は $2x - 6y - 1 = 0$ 直線③は $-6x + 18y + 3 = 0 \iff 2x - 6y - 1 = 0$ となり、直線②と直線③が一致してしまうため不適である。 $a = \pm 1$ のときは、3直線はすべて相異なることが確認できる。 したがって、求める $a$ の値は $a = \pm 1$ である。

解法2

(3) の別解

直線①と直線③の交点を通る直線群(直線の束)を利用する。 $a \neq 4$ のとき①と③は1点で交わる。この交点を通る任意の直線は、実数 $k$ を用いて次のように表せる。(ただし直線③そのものは除く)

$$ k\{(1-a)x + 9y + 3\} + \{-6x + 18y + (5-a)\} = 0 $$

整理すると

$$ \{k(1-a)-6\}x + (9k+18)y + 3k + 5 - a = 0 $$

これが直線② $2x - (a+4)y - 1 = 0$ と一致するとき、係数の比が等しくなるので

$$ \frac{k(1-a)-6}{2} = \frac{9k+18}{-(a+4)} = \frac{3k+5-a}{-1} $$

第2式と第3式より

$$ 9k+18 = (a+4)(3k+5-a) $$

展開して $k$ について整理する。

$$ 9k + 18 = 3(a+4)k + (a+4)(5-a) $$

$$ \{9 - 3(a+4)\}k = -a^2 + a + 20 - 18 $$

$$ -3(a+1)k = -(a+1)(a-2) $$

(i) $a = -1$ のとき 上式は $0 = 0$ となり、任意の $k$ で成り立つ。 このとき、係数の比の第1式と第3式に $a = -1$ を代入すると

$$ \frac{2k-6}{2} = \frac{3k+6}{-1} $$

$$ k-3 = -3k-6 $$

$$ 4k = -3 $$

$$ k = -\frac{3}{4} $$

よって、$k = -3/4$ とすればすべての比が一致し、条件を満たす。

(ii) $a \neq -1$ のとき $-3k = -(a-2)$ より $k = \frac{a-2}{3}$ である。 これを第1式と第3式の関係 $\frac{k(1-a)-6}{2} = -(3k+5-a)$ に代入する。

$$ k(1-a) - 6 = -6k - 10 + 2a $$

$$ (7-a)k = 2(a-2) $$

$$ (7-a)\frac{a-2}{3} = 2(a-2) $$

$$ (7-a)(a-2) - 6(a-2) = 0 $$

$$ (a-2)(1-a) = 0 $$

$a \neq -1$ より $a = 1, 2$ を得る。

(i), (ii) より $a = \pm 1, 2$ となる。 最後に解法1と同様に、3直線が相異なる条件から $a = 2$ を除外し、$a = \pm 1$ を得る。

解説

(1) では 2直線 $a_1x + b_1y + c_1 = 0$ と $a_2x + b_2y + c_2 = 0$ が平行になる条件 $a_1b_2 - a_2b_1 = 0$ を用いるのが最も見通しが良い。 (3) は計算量が多くなるが、連立方程式を解いて交点を求め、それを3つ目の直線に代入するというのが定石である。あるいは解法2のように直線の束を利用すると、計算を少し工夫できる。 本問の最大の罠は、冒頭の「相異なる 3 直線」という条件である。方程式を解いて出てきた $a$ の値をすべて鵜呑みにせず、元の直線が一致してしまわないか(特に2直線が完全に同じ方程式にならないか)を確認する癖をつけることが重要である。

答え

(1) $a = 4$ (2) ない (3) $a = \pm 1$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。