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東京工業大学 1968年 理系 第4問 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/場合分け
東京工業大学 1968年 理系 第4問 解説

方針・初手

点 $P, Q$ の座標は $\theta$ に依存して変化するため、扱いやすい変数に置き換えます。$t = \cos^2 \theta$ とおくと、点 $P, Q$ の座標は $t$ の1次式で表され、直線 $PQ$ の方程式は $t$ についての2次方程式となります。

問題は「直線が通らない点の範囲」を求めることですが、「直線が通る点の範囲(通過領域)」を求めてからその補集合をとるか、あるいは「方程式が指定された範囲に実数解を持たない条件」を直接求めることで解決できます。

解法1

$\theta$ が $0$ から $2\pi$ まで変わるとき、$t = \cos^2 \theta$ とおくと $t$ のとりうる値の範囲は $0 \le t \le 1$ である。

点 $P$ の座標は $(t, t)$ である。 また、$\sin^2 \theta = 1 - \cos^2 \theta = 1 - t$ より、点 $Q$ の座標は $(1-t, t-1)$ である。

2点 $P, Q$ を通る直線の方程式を求める。

(i) $x_P = x_Q$ すなわち $t = 1-t \iff t = \frac{1}{2}$ のとき

$P \left( \frac{1}{2}, \frac{1}{2} \right), Q \left( \frac{1}{2}, -\frac{1}{2} \right)$ となり、2点を通る直線の方程式は $x = \frac{1}{2}$ である。

(ii) $t \neq \frac{1}{2}$ のとき

直線の傾きは $\frac{t - (t-1)}{t - (1-t)} = \frac{1}{2t-1}$ であるから、直線の方程式は

$$ y - t = \frac{1}{2t-1}(x - t) $$

分母を払って整理すると

$$ (2t-1)y - t(2t-1) = x - t $$

$$ x - (2t-1)y + 2t^2 - 2t = 0 $$

$$ 2t^2 - 2(y+1)t + x + y = 0 $$

となる。この方程式に $t = \frac{1}{2}$ を代入すると $x - \frac{1}{2} = 0 \iff x = \frac{1}{2}$ となり、(i) の場合もこの方程式に含まれる。

したがって、直線 $PQ$ の方程式は $t$ を用いて次のように表せる。

$$ x = -2t^2 + 2(y+1)t - y $$

この直線が点 $(x, y)$ を通るための条件は、上式を $t$ の関数とみなしたとき、$0 \le t \le 1$ を満たす $t$ が存在することである。右辺を $g(t)$ とおき、$y$ を固定して $t$ が $0 \le t \le 1$ の範囲を動くときの $x = g(t)$ の値域を求める。

$$ g(t) = -2\left(t - \frac{y+1}{2}\right)^2 + \frac{y^2+1}{2} $$

この放物線の軸は $t = \frac{y+1}{2}$ である。軸の位置によって場合分けを行う。

(ア) 軸 $< 0$ すなわち $y < -1$ のとき

$0 \le t \le 1$ において $g(t)$ は単調に減少する。 最大値は $g(0) = -y$、最小値は $g(1) = y$ である。 したがって、$x$ のとりうる範囲は

$$ y \le x \le -y $$

(イ) $0 \le \text{軸} \le 1$ すなわち $-1 \le y \le 1$ のとき

$g(t)$ は $t = \frac{y+1}{2}$ で最大値 $\frac{y^2+1}{2}$ をとる。 最小値は、区間の端点 $t=0$ または $t=1$ のうち、軸から遠い方でとる。 $g(0) = -y, \ g(1) = y$ である。 $-1 \le y < 0$ のときは $y \le -y$ より最小値は $y$、 $0 \le y \le 1$ のときは $-y \le y$ より最小値は $-y$ となる。 これをまとめると、最小値は $\min(y, -y) = -|y|$ である。 したがって、$x$ のとりうる範囲は

$$ -|y| \le x \le \frac{y^2+1}{2} $$

(ウ) 軸 $> 1$ すなわち $y > 1$ のとき

$0 \le t \le 1$ において $g(t)$ は単調に増加する。 最小値は $g(0) = -y$、最大値は $g(1) = y$ である。 したがって、$x$ のとりうる範囲は

$$ -y \le x \le y $$

以上により「直線が通る点」の範囲が求まった。求める「直線が通らない点」の範囲はこれらの補集合であるから、以下のようになる。

解法2

解法1と同様に、直線の方程式を $t$ について整理すると以下のようになる。

$$ 2t^2 - 2(y+1)t + x + y = 0 $$

この直線が点 $(x, y)$ を通らないための条件は、$t$ についての2次方程式 $f(t) = 2t^2 - 2(y+1)t + x + y = 0$ が $0 \le t \le 1$ の範囲に実数解を持たないことである。

方程式の判別式を $D$ とすると

$$ \frac{D}{4} = (y+1)^2 - 2(x+y) = y^2 - 2x + 1 $$

放物線 $z = f(t)$ の軸は $t = \frac{y+1}{2}$ であり、区間の両端での値は以下の通りである。

$$ f(0) = x + y $$

$$ f(1) = 2 - 2(y+1) + x + y = x - y $$

$f(t) = 0$ が $0 \le t \le 1$ に実数解を持たないのは、次の (A) または (B) の場合である。

(A) 実数解を持たない場合

$$ D < 0 \iff y^2 - 2x + 1 < 0 \iff x > \frac{y^2+1}{2} $$

(B) 実数解を持つが、すべて $0 \le t \le 1$ の範囲外にある場合

(B-1) すべての解が $t < 0$ にある

$$ \begin{cases} D \ge 0 \iff x \le \frac{y^2+1}{2} \\ \text{軸} < 0 \iff y < -1 \\ f(0) > 0 \iff x > -y \end{cases} $$

(B-2) すべての解が $t > 1$ にある

$$ \begin{cases} D \ge 0 \iff x \le \frac{y^2+1}{2} \\ \text{軸} > 1 \iff y > 1 \\ f(1) > 0 \iff x > y \end{cases} $$

(B-3) 1つの解が $t < 0$、もう1つの解が $t > 1$ にある

$$ \begin{cases} f(0) < 0 \iff x < -y \\ f(1) < 0 \iff x < y \end{cases} $$

これをまとめると $x < -|y|$ となる。

求める範囲は、(A), (B-1), (B-2), (B-3) の和集合である。 $x$ の上限側の条件((A), (B-1), (B-2))を $y$ の値によって整理する。

これらと、$x$ の下限側の条件 (B-3) の $x < -|y|$ を合わせることで、解法1と同じ領域が得られる。

解説

媒介変数を含む直線群の通過領域を求める典型問題です。 変数の置き換えによって見通しを良くすることが第一歩です。その後、「通らない範囲」を直接求める(解法2のように2次方程式の解の配置問題として処理する)ことも可能ですが、両方の解が区間の外側に分かれる条件((B-3))を見落としやすいため注意が必要です。 解法1のように、順像法を用いて一旦「通過領域」を求め、最後に補集合をとるアプローチの方が、場合分けが整理されやすく計算ミスも減らせるためお勧めです。

答え

求める領域は、次の不等式を満たす点 $(x, y)$ の集合である。

$$ x < -|y| \quad \text{または} \quad \begin{cases} x > -y & (y < -1) \\ x > \frac{y^2+1}{2} & (-1 \le y \le 1) \\ x > y & (y > 1) \end{cases} $$

図示する領域の境界線は以下の通りであり、領域は境界線を含まない。

(座標平面上において、$y$軸より左側で $x=-|y|$ より左側の領域すべて、および右側で上記の境界線よりもさらに右側の領域全体となる)

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