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大阪大学 1966年 文系 第3問 解説

数学2/式と証明数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
大阪大学 1966年 文系 第3問 解説

方針・初手

与えられた2つの関係式において、$b$ と $c$ が対称に現れていることに着目します。 $b^2 + c^2$ と $bc$ をそれぞれ $a$ の式で表し、基本対称式である $b+c$ と $bc$ の値(あるいは式)を求めることが第一歩です。 (1) では、2つの実数 $b, c$ が存在するための条件を、解と係数の関係を用いて2次方程式の判別式に帰着させます。 (2) では、$ab+bc+ca$ を $a$ だけで表し、(1) で求めた定義域における最小値を求めます。$b+c$ が2パターンの式で表されるため、場合分けが必要になります。

解法1

(1)

与えられた関係式は以下の通りである。

$$ a^2 + b^2 + c^2 - 10a - 11 = 0 \quad \cdots \text{①} $$

$$ a^2 - bc - 4a - 5 = 0 \quad \cdots \text{②} $$

①より、

$$ b^2 + c^2 = -a^2 + 10a + 11 \quad \cdots \text{③} $$

②より、

$$ bc = a^2 - 4a - 5 \quad \cdots \text{④} $$

③、④を用いて、$(b+c)^2$ を $a$ の式で表す。

$$ \begin{aligned} (b+c)^2 &= b^2 + c^2 + 2bc \\ &= (-a^2 + 10a + 11) + 2(a^2 - 4a - 5) \\ &= a^2 + 2a + 1 \\ &= (a+1)^2 \end{aligned} $$

これより、$b+c = a+1$ または $b+c = -(a+1)$ である。 (このとき、$b+c$ は常に実数として存在する)

実数 $b, c$ が存在するための必要十分条件は、$b, c$ を2つの解とする $t$ の2次方程式 $t^2 - (b+c)t + bc = 0$ が実数解をもつことである。 この方程式の判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ が条件となる。

$$ \begin{aligned} D &= (b+c)^2 - 4bc \\ &= (a+1)^2 - 4(a^2 - 4a - 5) \\ &= a^2 + 2a + 1 - 4a^2 + 16a + 20 \\ &= -3a^2 + 18a + 21 \\ &= -3(a^2 - 6a - 7) \\ &= -3(a+1)(a-7) \end{aligned} $$

したがって、求める条件は

$$ -3(a+1)(a-7) \geqq 0 $$

$$ (a+1)(a-7) \leqq 0 $$

これを解いて、

$$ -1 \leqq a \leqq 7 $$

(2)

求める式を $K = ab+bc+ca$ とおく。

$$ K = a(b+c) + bc $$

(1) の結果より、$b+c$ の値によって場合分けを行う。

(i) $b+c = a+1$ のとき

$$ \begin{aligned} K &= a(a+1) + (a^2 - 4a - 5) \\ &= a^2 + a + a^2 - 4a - 5 \\ &= 2a^2 - 3a - 5 \\ &= 2\left(a - \frac{3}{4}\right)^2 - \frac{49}{8} \end{aligned} $$

(1) で求めた $a$ の範囲は $-1 \leqq a \leqq 7$ であり、頂点の $a = \frac{3}{4}$ はこの範囲に含まれる。 よって、この範囲における $K$ の最小値は $-\frac{49}{8}$ である。

(ii) $b+c = -(a+1)$ のとき

$$ \begin{aligned} K &= a(-a-1) + (a^2 - 4a - 5) \\ &= -a^2 - a + a^2 - 4a - 5 \\ &= -5a - 5 \end{aligned} $$

$-1 \leqq a \leqq 7$ の範囲において、関数 $K = -5a - 5$ は単調減少する。 よって、$a = 7$ のとき最小値をとり、その値は

$$ -5 \cdot 7 - 5 = -40 $$

(i)(ii) より、$K$ がとりうる値の最小値は $-\frac{49}{8}$ と $-40$ のうち小さい方である。 $-\frac{49}{8} = -6.125$ であるため、$-40$ の方が小さい。

したがって、求める最小値は $-40$ である。

解説

対称式を含む方程式・不等式の典型的な問題です。 $b^2+c^2$ と $bc$ が与えられているため、$b+c$ と $bc$ を求めて基本対称式に帰着させるのが定石となります。 (1) では「実数 $b, c$ が存在する」という条件を数式化する際、$b, c$ を解に持つ2次方程式の判別式を利用します。$(b-c)^2 \geqq 0$ から導く方法も本質的に同じです。 (2) では $(b+c)^2 = (a+1)^2$ から平方根を外す際、$\pm$ の2通りの場合分けが発生することに注意が必要です。片方だけを計算してしまうと正しい最小値に辿り着きません。得られた2つの最小値の候補のうち、より小さい方を最終的な答えとします。

答え

(1) $$ -1 \leqq a \leqq 7 $$

(2) 最小値 $-40$

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