大阪大学 2006年 文系 第3問 解説

方針・初手
直線 $l$ が $x$ 軸、$y$ 軸と交わるという条件から、直線の傾きを媒介変数として設定し、点 $P, Q$ の座標を求める。次に、与えられたベクトルの関係式を用いて点 $R$ の座標を媒介変数で表し、その媒介変数を消去することで点 $R$ が描く曲線(関数 $f(x)$)の式を導く。
解法1
直線 $l$ は $x$ 軸と交わるため、その傾きは $0$ ではない。また、$y$ 軸と交わるため、$y$ 軸に平行ではない。 したがって、直線 $l$ の傾きを $m \ (m \neq 0)$ とおくことができる。
直線 $l$ は点 $A(1, 2)$ を通るので、その方程式は、
$$ y - 2 = m(x - 1) $$
と表される。
点 $P$ は直線 $l$ と $x$ 軸の交点であるから、$y = 0$ を代入して、
$$ -2 = m(x - 1) $$
$m \neq 0$ より $x = 1 - \frac{2}{m}$ となる。よって、点 $P$ の座標は $P\left( 1 - \frac{2}{m}, 0 \right)$ である。
点 $Q$ は直線 $l$ と $y$ 軸の交点であるから、$x = 0$ を代入して、
$$ y = 2 - m $$
よって、点 $Q$ の座標は $Q(0, 2 - m)$ である。
与えられた条件式 $\overrightarrow{OP} + \overrightarrow{OQ} = \overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OR}$ を変形すると、
$$ \overrightarrow{OR} = \overrightarrow{OP} + \overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OA} $$
となる。点 $R$ の座標を $(X, Y)$ とおくと、$\overrightarrow{OA} = (1, 2)$ であるから、
$$ (X, Y) = \left( 1 - \frac{2}{m}, 0 \right) + (0, 2 - m) - (1, 2) $$
これを成分ごとに計算すると、
$$ X = 1 - \frac{2}{m} + 0 - 1 = -\frac{2}{m} $$
$$ Y = 0 + 2 - m - 2 = -m $$
となる。
$Y = -m$ を $X = -\frac{2}{m}$ に代入すると、
$$ X = \frac{2}{Y} $$
$m \neq 0$ であるから、$X \neq 0$ かつ $Y \neq 0$ であり、
$$ Y = \frac{2}{X} $$
と変形できる。
したがって、点 $R(X, Y)$ は関数 $y = \frac{2}{x}$ のグラフ上にある。
解法2
直線 $l$ と $x$ 軸、$y$ 軸との交点をそれぞれ $P(p, 0), Q(0, q)$ とおく。
(i) 直線 $l$ が原点を通らない場合
このとき $p \neq 0, q \neq 0$ であり、直線 $l$ の方程式は次のように表せる。
$$ \frac{x}{p} + \frac{y}{q} = 1 $$
直線 $l$ は点 $A(1, 2)$ を通るので、
$$ \frac{1}{p} + \frac{2}{q} = 1 $$
が成り立つ。
与えられたベクトルの条件式 $\overrightarrow{OR} = \overrightarrow{OP} + \overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OA}$ より、点 $R(X, Y)$ の座標は、
$$ (X, Y) = (p, 0) + (0, q) - (1, 2) = (p - 1, q - 2) $$
したがって、$X = p - 1, Y = q - 2$ となり、$p = X + 1, q = Y + 2$ を得る。これを上記の式に代入すると、
$$ \frac{1}{X + 1} + \frac{2}{Y + 2} = 1 $$
これを変形していく。
$$ \frac{2}{Y + 2} = 1 - \frac{1}{X + 1} $$
$$ \frac{2}{Y + 2} = \frac{X}{X + 1} $$
ここで、$l$ は $x$ 軸および $y$ 軸と交わり、かつ $x$ 軸に平行ではないため $q \neq 2$(すなわち $Y \neq 0$)であり、同様に $p \neq 1$(すなわち $X \neq 0$)である。 両辺の逆数をとると、
$$ \frac{Y + 2}{2} = \frac{X + 1}{X} $$
$$ \frac{Y}{2} + 1 = 1 + \frac{1}{X} $$
$$ \frac{Y}{2} = \frac{1}{X} $$
$$ Y = \frac{2}{X} $$
(ii) 直線 $l$ が原点を通る場合
このとき、$P(0, 0), Q(0, 0)$ であり、$A(1, 2)$ を通る直線 $y = 2x$ が該当する。 このとき、点 $R$ の座標は、
$$ X = 0 - 1 = -1 $$
$$ Y = 0 - 2 = -2 $$
となり、これは $Y = \frac{2}{X}$ に代入すると $-2 = \frac{2}{-1}$ となるため満たしている。
以上 (i), (ii) より、直線 $l$ の傾きにかかわらず、点 $R$ は関数 $y = \frac{2}{x}$ のグラフ上にある。
解説
動く直線によって決まる点の軌跡を求める典型的な問題である。直線の表し方として、解法1のように「通る点と傾き」を用いる方法と、解法2のように「$x$ 切片と $y$ 切片」を用いる方法がある。 どちらを採用しても計算量は多くないが、解法2のように切片形 $\frac{x}{p} + \frac{y}{q} = 1$ を用いる場合は、直線が原点を通る場合($p=0$ または $q=0$)を分母が $0$ になってしまうため表現できず、場合分けによる例外処理が必要となる点に注意したい。
答え
$$ f(x) = \frac{2}{x} $$
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