大阪大学 2011年 文系 第1問 解説

方針・初手
「どのような整数 $l, m, n$ に対しても等式が成り立つ」という条件から、与えられた等式を $l, m, n$ についての恒等式として扱う。等式を $l, m, n$ について整理し、それぞれの係数が $0$ になるという条件から $x, y, z$ についての連立方程式を導く。
解法1
与えられた等式を $l, m, n$ について整理すると、
$$ (10^{x-y} + 10^{y-z} - 13)l + (10^{x-z} - 36)m + (-x - y)n = 0 $$
この等式が任意の整数 $l, m, n$ に対して成り立つための必要十分条件は、各係数がすべて $0$ となることである。したがって、
$$ 10^{x-y} + 10^{y-z} - 13 = 0 \quad \cdots \text{(1)} $$
$$ 10^{x-z} - 36 = 0 \quad \cdots \text{(2)} $$
$$ -x - y = 0 \quad \cdots \text{(3)} $$
(3)より、
$$ y = -x \quad \cdots \text{(4)} $$
これを(1)に代入して、
$$ 10^{2x} + 10^{-x-z} = 13 $$
ここで(2)より $10^{x-z} = 36$、すなわち $10^{-z} = 36 \cdot 10^{-x}$ であるから、これを上の式に代入すると、
$$ 10^{2x} + 10^{-x} \cdot 36 \cdot 10^{-x} = 13 $$
$$ 10^{2x} + 36 \cdot 10^{-2x} = 13 $$
$X = 10^{2x}$ とおくと、$x$ は実数より $X > 0$ であり、方程式は
$$ X + \frac{36}{X} = 13 $$
両辺に $X$ を掛けて整理すると、
$$ X^2 - 13X + 36 = 0 $$
$$ (X - 4)(X - 9) = 0 $$
$$ X = 4, 9 $$
これらはともに $X > 0$ を満たす。
(i)
$X = 4$ のとき
$10^{2x} = 4$ であり、$10^x > 0$ であるため $10^x = 2$ となる。両辺の常用対数をとって、
$$ x = \log_{10} 2 $$
(4)より、
$$ y = -\log_{10} 2 $$
また、(2)の $10^x \cdot 10^{-z} = 36$ に $10^x = 2$ を代入して、
$$ 2 \cdot 10^{-z} = 36 $$
$$ 10^{-z} = 18 $$
$$ -z = \log_{10} 18 $$
$$ z = -\log_{10} 18 $$
(ii)
$X = 9$ のとき
$10^{2x} = 9$ であり、$10^x > 0$ であるため $10^x = 3$ となる。両辺の常用対数をとって、
$$ x = \log_{10} 3 $$
(4)より、
$$ y = -\log_{10} 3 $$
また、(2)の $10^x \cdot 10^{-z} = 36$ に $10^x = 3$ を代入して、
$$ 3 \cdot 10^{-z} = 36 $$
$$ 10^{-z} = 12 $$
$$ -z = \log_{10} 12 $$
$$ z = -\log_{10} 12 $$
以上より、条件を満たす実数の組は $(x, y, z) = (\log_{10} 2, -\log_{10} 2, -\log_{10} 18)$ および $(\log_{10} 3, -\log_{10} 3, -\log_{10} 12)$ である。
解説
「任意の~に対して成り立つ」という表現から、変数についての恒等式として処理する典型問題である。本問では $l, m, n$ が変数としての役割を果たす。係数比較によって得られた連立方程式は指数を含むが、文字を消去し、指数を一つの変数に置き換えて二次方程式に帰着させるという基本的な解法で処理できる。
答え
$$ (x, y, z) = (\log_{10} 2, -\log_{10} 2, -\log_{10} 18), \ (\log_{10} 3, -\log_{10} 3, -\log_{10} 12) $$
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