大阪大学 2016年 文系 第3問 解説

方針・初手
関数列の漸化式において $x$ の代わりに式を代入していく問題である。毎回 $x$ に $\frac{1}{a} + \frac{1}{b} - x$ や $-x$ を代入するため計算が煩雑になりやすい。そこで、定数となる $\frac{1}{a} + \frac{1}{b}$ を $c$ などと文字で置き換えて、まずは $f_6(x)$ まで関数の一般形を求めてしまうのが見通しの良い方針である。
解法1
定数 $c = \frac{1}{a} + \frac{1}{b}$ とおく。
条件 (ア) より
$$ f_1(x) = \sin(\pi x) $$
条件 (イ), (ウ) を順次用いて $f_6(x)$ まで求める。
$$ f_2(x) = f_1(c - x) = \sin(\pi(c - x)) $$
$$ f_3(x) = f_2(-x) = \sin(\pi(c - (-x))) = \sin(\pi(c + x)) $$
$$ f_4(x) = f_3(c - x) = \sin(\pi(c + (c - x))) = \sin(\pi(2c - x)) $$
$$ f_5(x) = f_4(-x) = \sin(\pi(2c - (-x))) = \sin(\pi(2c + x)) $$
$$ f_6(x) = f_5(c - x) = \sin(\pi(2c + (c - x))) = \sin(\pi(3c - x)) $$
(1)
$a = 2, b = 3$ のとき、定数 $c$ の値は以下のようになる。
$$ c = \frac{1}{2} + \frac{1}{3} = \frac{5}{6} $$
上で求めた $f_5(x)$ の式に $x = 0$ を代入して計算する。
$$ f_5(0) = \sin(\pi \cdot 2c) = \sin\left(2\pi \cdot \frac{5}{6}\right) = \sin\left(\frac{5}{3}\pi\right) = -\frac{\sqrt{3}}{2} $$
(2)
$f_6(0) = 0$ となる条件を考える。上で求めた $f_6(x)$ の式に $x = 0$ を代入すると、以下のようになる。
$$ f_6(0) = \sin(\pi \cdot 3c) = \sin(3\pi c) $$
したがって、$f_6(0) = 0$ となるための条件は、$3c$ が整数となることである。
$$ 3c = 3\left(\frac{1}{a} + \frac{1}{b}\right) = \frac{3}{a} + \frac{3}{b} $$
$a, b$ はさいころの目であるから、1以上6以下の整数である。各項 $\frac{3}{a}$ および $\frac{3}{b}$ の取り得る値を小数で表して調べる。
$$ \frac{3}{1} = 3, \quad \frac{3}{2} = 1.5, \quad \frac{3}{3} = 1, \quad \frac{3}{4} = 0.75, \quad \frac{3}{5} = 0.6, \quad \frac{3}{6} = 0.5 $$
これら2つの和が整数となるのは、以下の2つの場合である。
(i)
$\frac{3}{a}, \frac{3}{b}$ がともに整数となる場合
小数部分が $0$ 同士の足し算になる場合である。該当するのは $a \in \{1, 3\}$ かつ $b \in \{1, 3\}$ の組み合わせであり、これらは $2 \times 2 = 4$ 通りある。
(ii)
$\frac{3}{a}, \frac{3}{b}$ の小数部分がともに $0.5$ となる場合
小数部分が $0.5$ 同士の足し算になり、繰り上がって整数となる場合である。該当するのは $a \in \{2, 6\}$ かつ $b \in \{2, 6\}$ の組み合わせであり、これらは $2 \times 2 = 4$ 通りある。
小数部分が $0.75$ や $0.6$ となる場合、足して整数となるペアが存在しないため不適である。
以上より、$3c$ が整数となる $(a, b)$ の組み合わせは、合計で $4 + 4 = 8$ 通りある。
さいころの目の出方は全部で $6 \times 6 = 36$ 通りであり、これらは同様に確からしいので、求める確率は以下のようになる。
$$ \frac{8}{36} = \frac{2}{9} $$
解説
漸化式で与えられた関数に順次代入を繰り返す問題である。定数部分の塊を1つの文字に置き換えることで、式変形中の計算ミスを大幅に減らすことができる。(2) では、$\frac{3}{a} + \frac{3}{b}$ が整数になる条件を探すことになるが、分数を小数の形に直して「小数部分の和が整数になる組み合わせ」に着目すると、漏れなく数え上げることができる。
答え
(1)
$-\frac{\sqrt{3}}{2}$
(2)
$\frac{2}{9}$
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