北海道大学 2025年 文系 第3問 解説

方針・初手
隣接3項間漸化式から階差数列の漸化式を導き、一般項を求めてから級数の和を計算する標準的な数列の問題である。 (1) では、与えられた漸化式の各項の係数の和が $(n+1) - (2n+3) + (n+2) = 0$ となることに着目し、式を $a_{n+2} - a_{n+1}$ と $a_{n+1} - a_n$ の形が作れるように変形する。 (2) では、(1) で得られた $b_n$ の漸化式から階差数列の一般項を求め、そこから元の数列 $a_n$ の一般項を計算する。 (3) では、求めた $a_n$ を用いて分数の和を計算するが、分母が積の形になるため、部分分数分解を利用して中間の項を打ち消す手法を用いる。
解法1
(1)
与えられた漸化式は以下の通りである。
$$ (n + 1)a_{n+2} - (2n + 3)a_{n+1} + (n + 2)a_n = 0 $$
中央の項の係数を $2n + 3 = (n + 1) + (n + 2)$ と分割して、式を整理する。
$$ (n + 1)a_{n+2} - \{(n + 1) + (n + 2)\}a_{n+1} + (n + 2)a_n = 0 $$
展開して、係数が同じものでまとめる。
$$ (n + 1)(a_{n+2} - a_{n+1}) - (n + 2)(a_{n+1} - a_n) = 0 $$
ここで $b_n = a_{n+1} - a_n$ とおくと、$b_{n+1} = a_{n+2} - a_{n+1}$ となるため、これらを代入する。
$$ (n + 1)b_{n+1} - (n + 2)b_n = 0 $$
$$ (n + 1)b_{n+1} = (n + 2)b_n $$
$n$ は自然数であり、$n + 1 \neq 0$ であるから、両辺を $n + 1$ で割ることができる。
$$ b_{n+1} = \frac{n + 2}{n + 1}b_n $$
以上より、与式が成り立つことが示された。
(2)
(1) の結果の両辺を $n + 2$ で割ると、以下の式が得られる。
$$ \frac{b_{n+1}}{n+2} = \frac{b_n}{n+1} $$
これは数列 $\left\{ \frac{b_n}{n+1} \right\}$ がすべての自然数 $n$ において一定の値をとることを示している。 初項 $b_1$ の値は、与えられた $a_1 = 1$、$a_2 = 3$ より次のように求まる。
$$ b_1 = a_2 - a_1 = 3 - 1 = 2 $$
これを用いて定数を求める。
$$ \frac{b_n}{n+1} = \frac{b_1}{1+1} = \frac{2}{2} = 1 $$
したがって、階差数列 $b_n$ の一般項は以下となる。
$$ b_n = n + 1 $$
数列 $\{b_n\}$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列であるから、$n \geqq 2$ のとき、$a_n$ は次のように求められる。
$$ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k $$
$$ a_n = 1 + \sum_{k=1}^{n-1} (k + 1) $$
$$ a_n = 1 + \left( \sum_{k=1}^{n-1} k + \sum_{k=1}^{n-1} 1 \right) $$
$$ a_n = 1 + \frac{1}{2}(n - 1)n + (n - 1) $$
$$ a_n = \frac{1}{2}(n - 1)n + n $$
$$ a_n = \frac{1}{2}n(n - 1 + 2) $$
$$ a_n = \frac{1}{2}n(n + 1) $$
この式に $n = 1$ を代入すると、$\frac{1}{2} \cdot 1 \cdot (1 + 1) = 1$ となり、$a_1 = 1$ と一致するため $n = 1$ のときも成り立つ。 よって、数列 $\{a_n\}$ の一般項は以下となる。
$$ a_n = \frac{1}{2}n(n + 1) $$
(3)
(2) で求めた一般項を用いて、求める和の各項を変形する。
$$ \frac{1}{a_n} = \frac{1}{\frac{1}{2}n(n + 1)} = \frac{2}{n(n + 1)} $$
これを部分分数分解する。
$$ \frac{2}{n(n + 1)} = 2 \left( \frac{1}{n} - \frac{1}{n + 1} \right) $$
これを利用して、求める和 $\sum_{n=1}^{225} \frac{1}{a_n}$ を計算する。
$$ \sum_{n=1}^{225} \frac{1}{a_n} = \sum_{n=1}^{225} 2 \left( \frac{1}{n} - \frac{1}{n + 1} \right) $$
$$ = 2 \left\{ \left( \frac{1}{1} - \frac{1}{2} \right) + \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{3} \right) + \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{4} \right) + \cdots + \left( \frac{1}{225} - \frac{1}{226} \right) \right\} $$
途中の項が互いに打ち消し合い、最初と最後だけが残る。
$$ = 2 \left( 1 - \frac{1}{226} \right) $$
$$ = 2 \cdot \frac{225}{226} $$
$$ = \frac{225}{113} $$
解説
- 隣接3項間漸化式において、各項の係数の和が $0$ になる場合、階差数列を導入することで次数を下げ、隣接2項間漸化式に帰着できる典型的なパターンである。
- (2) で導出した漸化式 $b_{n+1} = \frac{n+2}{n+1}b_n$ から一般項を求める際、両辺を $n+2$ で割って $\frac{b_{n+1}}{n+2} = \frac{b_n}{n+1}$ の形に気づけると計算が非常に簡明になる。
- (3) は階差数列から一般項を求め、さらに部分分数分解によって和を計算するという、数列の重要テーマが詰まった良問である。
答え
(1)
$$ b_{n+1} = \frac{n+2}{n+1}b_n $$
(2)
$$ a_n = \frac{1}{2}n(n + 1) $$
(3)
$$ \frac{225}{113} $$
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