大阪大学 1964年 理系 第6問 解説

方針・初手
与えられた無限級数は公比が $x$ の式で表される無限等比級数である。公比の範囲を確認して和の公式を用いて $S(x)$ を求める。次に、$f(x)$ の形を特定し、放物線と直線の交点の $x$ 座標を用いて面積 $A$ を定式化する。面積は放物線と直線で囲まれる面積の公式(いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式)を用いて計算し、傾きをパラメータとする関数の最小値を求める。
解法1
無限級数の初項は $x^2$、公比は $\frac{1}{1+x^2}$ である。 $x \neq 0$ より $x^2 > 0$ であるから、$1+x^2 > 1$ となり、公比の範囲は
$$ 0 < \frac{1}{1+x^2} < 1 $$
となる。公比の絶対値が $1$ より小さいため、この無限等比級数は収束し、その和 $S(x)$ は
$$ S(x) = \frac{x^2}{1 - \frac{1}{1+x^2}} = \frac{x^2}{\frac{x^2}{1+x^2}} = 1+x^2 $$
となる。
次に、関数 $f(x)$ を求める。 $x \neq 0$ のとき $f(x) = S(x) = x^2 + 1$ である。 $x = 0$ のとき問題文より $f(x) = 1$ と定義されている。 ここで、$x=0$ を $x^2 + 1$ に代入すると $0^2 + 1 = 1$ となるため、すべての実数 $x$ において
$$ f(x) = x^2 + 1 $$
と表せる。よって、$y=f(x)$ は放物線である。
点 $P(1, 3)$ を通る直線 $g$ の傾きを $m$ とおく。直線 $g$ の方程式は
$$ y - 3 = m(x - 1) $$
$$ y = mx - m + 3 $$
となる。 放物線 $y = f(x)$ と直線 $g$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解である。
$$ x^2 + 1 = mx - m + 3 $$
$$ x^2 - mx + m - 2 = 0 $$
この2次方程式の判別式を $D$ とすると、
$$ D = (-m)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (m - 2) = m^2 - 4m + 8 = (m - 2)^2 + 4 > 0 $$
となるため、直線 $g$ は放物線 $y = f(x)$ と常に異なる2点で交わる。 この2つの交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta \ (\alpha < \beta)$ とおくと、解と係数の関係より
$$ \alpha + \beta = m, \quad \alpha\beta = m - 2 $$
が成り立つ。放物線と直線で囲まれる部分の面積 $A$ は、
$$ A = \int_{\alpha}^{\beta} \left\{ (mx - m + 3) - (x^2 + 1) \right\} dx $$
$$ A = -\int_{\alpha}^{\beta} (x^2 - mx + m - 2) dx $$
$$ A = -\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx $$
$$ A = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3 $$
となる。ここで、$(\beta - \alpha)^2$ を $m$ で表すと、
$$ (\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta = m^2 - 4(m - 2) = m^2 - 4m + 8 = (m - 2)^2 + 4 $$
となる。$\beta - \alpha > 0$ であるから、
$$ \beta - \alpha = \sqrt{(m - 2)^2 + 4} $$
これを面積 $A$ の式に代入すると、
$$ A = \frac{1}{6} \left\{ (m - 2)^2 + 4 \right\}^{\frac{3}{2}} $$
となる。$A$ が最小となるのは、$(m - 2)^2 + 4$ が最小になるときであり、それは $m = 2$ のときである。 このとき、直線 $g$ の傾きは $2$ となり、面積の最小値は、
$$ A = \frac{1}{6} \cdot 4^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot (\sqrt{4})^3 = \frac{1}{6} \cdot 8 = \frac{4}{3} $$
となる。
解説
無限等比級数の和から放物線と直線の交わり・面積の最小値を求める、典型的な融合問題である。 前半の無限級数では、公比の絶対値が $1$ より小さいことを明記することが重要である。これを怠ると論理の飛躍とみなされる可能性がある。 また、$x=0$ の場合が別途定義されているが、結果的にすべての実数で $f(x) = x^2+1$ と一つにまとめられることに気付けば、あとは基本的な面積計算に帰着する。面積の計算においては、交点の $x$ 座標を解の公式で具体的に求めるよりも、解と係数の関係と積分公式を活用する方が計算ミスのリスクを大幅に減らすことができる。
答え
$S(x) = x^2 + 1$ 傾き $2$、面積の最小値 $\frac{4}{3}$
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