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大阪大学 1964年 理系 第5問 解説

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大阪大学 1964年 理系 第5問 解説

方針・初手

曲線上の接点の $x$ 座標を $t$ とおき、その点における接線の方程式を立式します。求めた接線の方程式が点 $P(1, a)$ を通るという条件を代入することで、$t$ と $a$ の方程式が得られます。

3次関数の場合、異なる接点からは異なる接線が引けるため、接線の本数はこの $t$ に関する方程式の異なる実数解の個数に一致します。定数 $a$ を分離してグラフの共有点の個数を調べる手法が有効です。

解法1

曲線 $y = x^3$ について、導関数は $y' = 3x^2$ である。 曲線上の点 $(t, t^3)$ における接線の方程式は、

$$ y - t^3 = 3t^2(x - t) $$

すなわち、

$$ y = 3t^2x - 2t^3 $$

この接線が点 $P(1, a)$ を通るから、$x = 1, y = a$ を代入して、

$$ a = 3t^2 - 2t^3 $$

となる。3次関数の場合、接点が異なれば接線も異なるため、求める接線の個数は、この $t$ に関する方程式の異なる実数解の個数に等しい。 ここで、関数 $f(t)$ を

$$ f(t) = -2t^3 + 3t^2 $$

と定める。方程式の実数解の個数は、曲線 $y = f(t)$ と直線 $y = a$ の共有点の個数と一致する。 $f(t)$ を $t$ で微分すると、

$$ f'(t) = -6t^2 + 6t = -6t(t - 1) $$

$f'(t) = 0$ となるのは $t = 0, 1$ のときである。 $f(t)$ の増減表は以下のようになる。

$$ \begin{array}{c|ccccc} t & \cdots & 0 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline f'(t) & - & 0 & + & 0 & - \\ \hline f(t) & \searrow & 0 & \nearrow & 1 & \searrow \end{array} $$

増減表から、$f(t)$ は $t = 0$ のとき極小値 $0$ をとり、$t = 1$ のとき極大値 $1$ をとることがわかる。 曲線 $y = f(t)$ と直線 $y = a$ のグラフの位置関係から、共有点の個数は $a$ の値によって次のように変化する。

(i) $a < 0$ または $1 < a$ のとき 共有点は1個であるから、接線は1個。

(ii) $a = 0$ または $a = 1$ のとき 共有点は2個であるから、接線は2個。

(iii) $0 < a < 1$ のとき 共有点は3個であるから、接線は3個。

解説

接線の本数を問う問題における典型的な解法です。「曲線外の点から引いた接線」を考える際は、まず曲線上の接点を文字で置き、そこでの接線の方程式を立ててから通る点の座標を代入するのが基本手順となります。

本問において「接点の個数=接線の個数」として扱ってよい理由は、3次関数が二重接線(異なる2点で接する接線)を持たないためです。4次関数以上の場合は二重接線が存在し得るため、接点の個数と接線の個数が必ずしも一致しないことに注意が必要です。

また、文字定数 $a$ を含む方程式の実数解の個数を調べる際、定数項のみを分離して $a = g(t)$ の形に持ち込み、固定された曲線 $y = g(t)$ と上下に平行移動する直線 $y = a$ の交点を見る「定数分離」の手法は、計算量や場合分けのミスを減らす上で非常に強力です。

答え

$a < 0, 1 < a$ のとき、1個 $a = 0, 1$ のとき、2個 $0 < a < 1$ のとき、3個

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