北海道大学 2015年 文系 第1問 解説

方針・初手
- (1) 2点 $P, Q$ の座標から直線の傾きを求め、導関数を用いて放物線 $C_1$ の接線の方程式を立てる。
- (2) 放物線 $C_2$ の方程式と接線 $l$ の方程式を連立して2次方程式を作り、その判別式 $D>0$ の条件を求める。
- (3) 線分 $PQ$ の長さは2点間の距離の公式から直接計算する。線分 $RS$ の長さは、直接交点の座標を求めるのではなく、(2) で得た2次方程式に対して解と係数の関係を用いて計算を簡略化する。
解法1
(1)
点 $P(a, a^2)$、点 $Q(-2a, 4a^2)$ を通る直線の傾きを $m$ とすると、$a \neq 0$ であるから、
$$ m = \frac{4a^2 - a^2}{-2a - a} = \frac{3a^2}{-3a} = -a $$
となる。直線 $l$ はこの直線と平行であるから、$l$ の傾きも $-a$ である。
放物線 $C_1: y = x^2$ について微分すると $y' = 2x$ であるから、接点の $x$ 座標を $t$ とおくと、接線の傾きは $2t$ となる。これが $-a$ と等しくなるので、
$$ 2t = -a \iff t = -\frac{a}{2} $$
このとき、接点の $y$ 座標は $\left(-\frac{a}{2}\right)^2 = \frac{a^2}{4}$ である。
したがって、接線 $l$ の方程式は、
$$ y - \frac{a^2}{4} = -a \left(x - \left(-\frac{a}{2}\right)\right) $$
これを整理して、
$$ y = -ax - \frac{a^2}{2} + \frac{a^2}{4} $$
$$ y = -ax - \frac{a^2}{4} $$
(2)
放物線 $C_2: y = -(x-1)^2$ すなわち $y = -x^2 + 2x - 1$ と直線 $l: y = -ax - \frac{a^2}{4}$ が異なる2つの共有点をもつ条件を考える。
これらを連立して $y$ を消去すると、
$$ -x^2 + 2x - 1 = -ax - \frac{a^2}{4} $$
$$ x^2 - (a+2)x + 1 - \frac{a^2}{4} = 0 $$
$C_2$ と $l$ が異なる2つの共有点をもつための条件は、この $x$ についての2次方程式が異なる2つの実数解をもつことである。判別式を $D$ とすると、$D > 0$ となればよい。
$$ D = \{-(a+2)\}^2 - 4 \cdot 1 \cdot \left(1 - \frac{a^2}{4}\right) $$
$$ D = (a^2 + 4a + 4) - 4 + a^2 $$
$$ D = 2a^2 + 4a $$
したがって、$2a^2 + 4a > 0$ を解いて、
$$ 2a(a + 2) > 0 $$
$$ a < -2, \quad 0 < a $$
(3)
線分 $PQ$ の長さの2乗は、2点間の距離の公式より、
$$ PQ^2 = (-2a - a)^2 + (4a^2 - a^2)^2 $$
$$ PQ^2 = (-3a)^2 + (3a^2)^2 = 9a^2 + 9a^4 = 9a^2(1 + a^2) $$
次に、線分 $RS$ の長さを考える。点 $R, S$ の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、これらは (2) で導いた2次方程式 $x^2 - (a+2)x + 1 - \frac{a^2}{4} = 0$ の異なる2つの実数解である。解と係数の関係より、
$$ \begin{aligned} \alpha + \beta &= a + 2 \\ \alpha\beta &= 1 - \frac{a^2}{4} \end{aligned} $$
が成り立つ。点 $R, S$ は傾き $-a$ の直線 $l$ 上の点であるから、線分 $RS$ の長さの2乗は次のように表せる。
$$ RS^2 = (\beta - \alpha)^2 + \{(-a\beta - \frac{a^2}{4}) - (-a\alpha - \frac{a^2}{4})\}^2 $$
$$ RS^2 = (\beta - \alpha)^2 + (-a)^2(\beta - \alpha)^2 = (1 + a^2)(\beta - \alpha)^2 $$
ここで、$(\beta - \alpha)^2$ を解と係数の関係を用いて変形する。
$$ (\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta $$
この値は (2) で求めた判別式 $D$ の値に等しいため、
$$ (\beta - \alpha)^2 = 2a^2 + 4a $$
となる。よって、
$$ RS^2 = (1 + a^2)(2a^2 + 4a) $$
問題の条件より $PQ = RS$ であるから、$PQ^2 = RS^2$ が成り立つ。
$$ 9a^2(1 + a^2) = (1 + a^2)(2a^2 + 4a) $$
$a$ は実数であるから、常に $1 + a^2 > 0$ であり、$1 + a^2$ で両辺を割ることができる。
$$ 9a^2 = 2a^2 + 4a $$
$$ 7a^2 - 4a = 0 $$
$$ a(7a - 4) = 0 $$
$a = 0, \frac{4}{7}$ となるが、(2) で求めた条件 $a < -2, \ 0 < a$ を満たすのは $a = \frac{4}{7}$ のみである。
解説
放物線と直線の交点間の距離を求める際、交点の座標を解の公式で直接求めてから距離の公式に代入すると、根号を含んだ複雑な計算になり計算ミスを誘発しやすい。
このような問題では、(3) のように交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおき、「解と係数の関係」を利用して対称式 $(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta$ の値を求める手法が非常に有効である。また、交点が直線 $y = mx + n$ 上にあることから、2点間の距離を $\sqrt{1+m^2}|\beta - \alpha|$ と表せることも典型的な工夫の一つである。
答え
(1) $y = -ax - \frac{a^2}{4}$
(2) $a < -2, \quad 0 < a$
(3) $a = \frac{4}{7}$
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