トップ 大阪大学 1975年 理系 第5問

大阪大学 1975年 理系 第5問 解説

数学A/確率数学B/数列テーマ/確率漸化式
大阪大学 1975年 理系 第5問 解説

方針・初手

AとBが自分の手番で勝つ確率、および勝たない確率をそれぞれ求める。ゲームの進行はAから始まり、AとBが1回ずつサイコロを振る2回の操作を「1セット(1周期)」として考えると見通しが良い。

解法1

Aが自分の順番でさいころをふるとき、目の和が9になるのは $(3, 6), (4, 5), (5, 4), (6, 3)$ の4通りである。 したがって、Aが自分の順番で勝つ確率は、

$$ \frac{4}{36} = \frac{1}{9} $$

であり、Aが勝たずにゲームが続く確率は、

$$ 1 - \frac{1}{9} = \frac{8}{9} $$

である。

次に、Bが自分の順番でさいころをふるとき、2つの目が同じ(ゾロ目)になるのは $(1, 1), (2, 2), (3, 3), (4, 4), (5, 5), (6, 6)$ の6通りである。 したがって、Bが自分の順番で勝つ確率は、

$$ \frac{6}{36} = \frac{1}{6} $$

であり、Bが勝たずにゲームが続く確率は、

$$ 1 - \frac{1}{6} = \frac{5}{6} $$

である。

(1)

「A, Bがそれぞれ2回ずつふっても、勝負がきまらない」という事象は、1回目(A)、2回目(B)、3回目(A)、4回目(B)のすべてにおいて、誰も勝たないということである。 各回の結果は独立であることを考慮し、求める確率は、

$$ \left( \frac{8}{9} \times \frac{5}{6} \right)^2 = \left( \frac{20}{27} \right)^2 = \frac{400}{729} $$

(2)

$(2n-1)$ 回目にAが勝つためには、1回目から $2n-2$ 回目までの $n-1$ 回のAとBのそれぞれの順番で両者とも勝たず、$(2n-1)$ 回目にAが勝つ必要がある。 1セット(Aがふり、次にBがふる)で両者とも勝たない確率は $\frac{8}{9} \times \frac{5}{6} = \frac{20}{27}$ であるから、

$$ p_n = \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1} \times \frac{1}{9} = \frac{1}{9} \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1} $$

$2n$ 回目にBが勝つためには、1回目から $2n-2$ 回目までの $n-1$ セットで両者とも勝たず、$(2n-1)$ 回目にAが勝たず、$2n$ 回目にBが勝つ必要がある。 したがって、

$$ q_n = \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1} \times \frac{8}{9} \times \frac{1}{6} = \frac{4}{27} \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1} $$

(3)

数列 $\{p_n\}$ は初項 $\frac{1}{9}$、公比 $\frac{20}{27}$ の等比数列であり、数列 $\{q_n\}$ は初項 $\frac{4}{27}$、公比 $\frac{20}{27}$ の等比数列である。 公比 $\frac{20}{27}$ は $-1 < \frac{20}{27} < 1$ を満たすため、それぞれの無限等比級数は収束する。

Aが勝つ確率 $\sum_{n=1}^{\infty} p_n$ は、

$$ \sum_{n=1}^{\infty} p_n = \frac{\frac{1}{9}}{1 - \frac{20}{27}} = \frac{\frac{1}{9}}{\frac{7}{27}} = \frac{1}{9} \times \frac{27}{7} = \frac{3}{7} $$

Bが勝つ確率 $\sum_{n=1}^{\infty} q_n$ は、

$$ \sum_{n=1}^{\infty} q_n = \frac{\frac{4}{27}}{1 - \frac{20}{27}} = \frac{\frac{4}{27}}{\frac{7}{27}} = \frac{4}{27} \times \frac{27}{7} = \frac{4}{7} $$

解説

無限にゲームが続く可能性を考慮し、誰かが勝つ確率を無限等比級数の和として求める典型的な反復試行の問題である。2人のプレイヤーの行動の1往復を「1周期(1セット)」と見なし、前回の周期までの事象をまとめることで立式が容易になる。 計算後、Aが勝つ確率とBが勝つ確率の和が $\frac{3}{7} + \frac{4}{7} = 1$ となることを確認することで、永遠に勝負が決まらない確率は0であり、計算ミスがないことの強力な検算となる。

答え

(1)

$$ \frac{400}{729} $$

(2)

$$ p_n = \frac{1}{9} \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1}, \quad q_n = \frac{4}{27} \left( \frac{20}{27} \right)^{n-1} $$

(3)

Aが勝つ確率: $\frac{3}{7}$, Bが勝つ確率: $\frac{4}{7}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。