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東京工業大学 1973年 理系 第1問 解説

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東京工業大学 1973年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた不等式の各辺に式を掛けて分母を払い、整数問題の定石である「変数のとり得る値の範囲を絞り込む」形に持ち込む。本問では、中央の式が $0$ より大きいことに着目し、整数を引数とする絶対値が $1$ 以上になる性質を利用して $q$ の値を絞り込むのがポイントである。

解法1

不等式

$$ 0 < \left| \frac{p}{q} - \frac{2}{3} \right| < \frac{1}{q^2} $$

において、分母に $q$ が含まれるため、$q \neq 0$ である。

各辺の絶対値の中身を通分すると、

$$ 0 < \left| \frac{3p - 2q}{3q} \right| < \frac{1}{q^2} $$

となり、

$$ 0 < \frac{|3p - 2q|}{3|q|} < \frac{1}{q^2} $$

と変形できる。

各辺に正の値である $3|q|$ を掛けると、

$$ 0 < |3p - 2q| < \frac{3}{|q|} $$

となる。

ここで、$p, q$ は整数であるから、$3p - 2q$ も整数である。

$|3p - 2q| > 0$ であるため、$|3p - 2q|$ は自然数($1$ 以上の整数)である。

したがって、

$$ 1 \le |3p - 2q| < \frac{3}{|q|} $$

が成り立つ。

これより、$\frac{3}{|q|} > 1$ すなわち $|q| < 3$ を満たす必要がある。

$q$ は $0$ でない整数であるから、$q = \pm 1, \pm 2$ に絞られる。

以下、それぞれの場合について $p$ を求める。

(i) $q = 1$ のとき

不等式は $0 < |3p - 2| < 3$ となる。

$3p - 2$ は整数であるから、$|3p - 2| = 1, 2$ である。

よって、$(p, q) = (1, 1), (0, 1)$ を得る。

(ii) $q = -1$ のとき

不等式は $0 < |3p + 2| < 3$ となる。

$3p + 2$ は整数であるから、$|3p + 2| = 1, 2$ である。

よって、$(p, q) = (-1, -1), (0, -1)$ を得る。

(iii) $q = 2$ のとき

不等式は $0 < |3p - 4| < \frac{3}{2}$ となる。

$3p - 4$ は整数であるから、$|3p - 4| = 1$ のみである。

$3p - 4 = \pm 1$ より $3p = 5, 3$ となる。$p$ は整数より $p = 1$ である。

よって、$(p, q) = (1, 2)$ を得る。

(iv) $q = -2$ のとき

不等式は $0 < |3p + 4| < \frac{3}{2}$ となる。

$3p + 4$ は整数であるから、$|3p + 4| = 1$ のみである。

$3p + 4 = \pm 1$ より $3p = -3, -5$ となる。$p$ は整数より $p = -1$ である。

よって、$(p, q) = (-1, -2)$ を得る。

以上 (i)(iv) より、求める整数の組 $(p, q)$ はすべて求められた。

解説

不等式を満たす整数の組を求める問題である。分母を払って変数のとり得る範囲を絞り込むのが整数問題の定石である。

本問では、左辺が $0$ より大きいという条件から、絶対値の中身が $0$ にならない(つまり $1$ 以上になる)という整数特有の性質を用いることが最大のポイントである。これにより、$|q|$ の上限が定まり、有限個の場合分けに帰着できる。

答え

$$ (p, q) = (1, 1), (0, 1), (-1, -1), (0, -1), (1, 2), (-1, -2) $$

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