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東北大学 2005年 文系 第3問 解説

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東北大学 2005年 文系 第3問 解説

方針・初手

各回の操作は,出た目が異なるときに「黒いサイコロの番号の箱から白いサイコロの番号の箱へ1枚移す」というものである。したがって,3回振ったあとの各箱の皿の枚数は,

$$ 3+(\text{その箱への移動回数})-(\text{その箱からの移動回数}) $$

で決まる。

よって,求める最終状態が実現するために,3回の操作としてどのような移動列が必要かをまず特定し,そのような出方の総数を数えればよい。1回の出方は白・黒それぞれ6通りなので,3回の出方の総数は

$$ 36^3 $$

である。

解法1

(1) 皿が4枚の箱と2枚の箱がそれぞれ3個ずつとなる確率

最終的に4枚の箱は「もとの3枚から1枚増えた箱」,2枚の箱は「1枚減った箱」である。

したがって,各箱の増減は

でなければならない。

3回の操作で増える皿の総数は,実際に移動が起これば1回につき1枚ずつである。ここで最終的な増加分の総和は

$$ 1+1+1=3 $$

であるから,3回とも移動が起こらなければならない。すなわち,3回とも白黒の出目は異なる。

さらに,各箱の増減が $\pm1$ しかないので,

ことが分かる。よって,6個の箱は

に分かれ,3回の操作ではそれぞれがちょうど1回ずつ使われる。

3回の操作を順に見て,

$$ {}_6P_3=6\cdot5\cdot4 $$

通り

$$ {}_3P_3=3\cdot2\cdot1 $$

通り

である。

したがって,条件を満たす3回の出方の総数は

$$ {}_6P_3\cdot{}_3P_3 =6\cdot5\cdot4\cdot3\cdot2\cdot1 =720 $$

通りである。

よって求める確率は

$$ \frac{720}{36^3} =\frac{720}{46656} =\frac{5}{324} $$

である。

(2) 皿が3枚の箱が2個,5枚の箱,4枚の箱,2枚の箱,1枚の箱がそれぞれ1個ずつとなる確率

最終状態を,もとの3枚からの増減で見ると

である。

ここでも増加分の総和は

$$ 2+1=3 $$

であるから,3回とも移動が起こらなければならない。

5枚になる箱を $A$,4枚になる箱を $B$,2枚になる箱を $C$,1枚になる箱を $D$ とする。

このとき,

となる。3回しか操作がないので,3枚のままの2個の箱はまったく関与しない。

したがって,3回の移動は必ず

$$ D\to A,\quad D\to A,\quad C\to B $$

の3回である。

まず,6個の箱から

を選ぶ方法は

$$ 6\cdot5\cdot4\cdot3=360 $$

通りである。

次に,3回のうちどの1回が $C\to B$ であるかを決めれば,残り2回は $D\to A$ に決まるので,移動列の順序は

$$ \frac{3!}{2!}=3 $$

通りである。

よって条件を満たす3回の出方の総数は

$$ 360\cdot3=1080 $$

通りである。

したがって求める確率は

$$ \frac{1080}{36^3} =\frac{1080}{46656} =\frac{5}{216} $$

である。

解説

この問題では,各回の操作を「どの箱からどの箱へ1枚動くか」という有向辺として捉えるのが有効である。すると,各箱の最終枚数は「入ってくる回数」と「出ていく回数」の差だけで決まる。

(1) では各箱の変化量がすべて $\pm1$ であるから,同じ箱が2回以上関与したり,出す側と受け取る側を兼ねたりできない。このため,6個の箱がちょうど「3個の移動元」と「3個の移動先」に分かれる。

(2) では変化量が $+2,+1,-1,-2,0,0$ と決まっているので,3回の移動の内容が事実上ただ1種類に定まる。3枚のままの箱を途中で経由させる余地はない,という点が重要である。

答え

$$ \text{(1)}\ \frac{5}{324} $$

$$ \text{(2)}\ \frac{5}{216} $$

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