東北大学 2006年 文系 第2問 解説

方針・初手
選ばれた $3$ 個の数を小さい順に $Z<Y<X$ とみると、$1$ から $7$ までの並びの中で
- $Z$ の前にいくつ空きがあるか
- $Z$ と $Y$ の間にいくつ空きがあるか
- $Y$ と $X$ の間にいくつ空きがあるか
- $X$ の後にいくつ空きがあるか
を考えると対称性が使える。これにより期待値が一気に求まる。
解法1
次のようにおく。
$$ a=Z-1,\quad b=Y-Z-1,\quad c=X-Y-1,\quad d=7-X $$
すると $a,b,c,d$ はいずれも $0$ 以上の整数であり、
$$ a+b+c+d=4 $$
が成り立つ。
逆に、$a+b+c+d=4$ を満たす非負整数 $a,b,c,d$ が与えられれば、
$$ Z=a+1,\quad Y=a+b+2,\quad X=a+b+c+3 $$
と一意に復元できる。したがって、$1$ から $7$ までの中から異なる $3$ 個を選ぶことと、非負整数解 $(a,b,c,d)$ を $a+b+c+d=4$ のもとで一つ選ぶことは $1$ 対 $1$ に対応する。
しかも、どの $3$ 個の選び方も同様に確率は等しいので、対応する $(a,b,c,d)$ も等確率で現れる。
ここで、方程式
$$ a+b+c+d=4 $$
は $a,b,c,d$ の役割が完全に対称であるから、
$$ E[a]=E[b]=E[c]=E[d] $$
である。
また、
$$ E[a]+E[b]+E[c]+E[d]=E[a+b+c+d]=4 $$
より、
$$ E[a]=E[b]=E[c]=E[d]=1 $$
となる。
よって、
$$ E[Z]=E[a+1]=2 $$
$$ E[Y]=E[a+b+2]=1+1+2=4 $$
$$ E[X]=E[a+b+c+3]=1+1+1+3=6 $$
したがって、
$$ E[X]=6,\quad E[Y]=4,\quad E[Z]=2 $$
である。
解法2
まず全体の選び方は
$$ {}_{7}\mathrm{C}_{3}=35 $$
通りである。
$X$ の期待値
$X=k$ となるのは、最大が $k$ で、残り $2$ 個を $1,2,\dots,k-1$ から選ぶ場合である。したがって
$$ P(X=k)=\frac{{}_{k-1}\mathrm{C}_{2}}{{}_{7}\mathrm{C}_{3}} \qquad (k=3,4,5,6,7) $$
である。
よって、
$$ E[X] =\frac{1}{35}\sum_{k=3}^{7} k{}_{k-1}\mathrm{C}_{2} $$
$$ =\frac{1}{35}\left( 3{}_{2}\mathrm{C}_{2}+4{}_{3}\mathrm{C}_{2}+5{}_{4}\mathrm{C}_{2}+6{}_{5}\mathrm{C}_{2}+7{}_{6}\mathrm{C}_{2} \right) $$
$$ =\frac{1}{35}(3+12+30+60+105) =\frac{210}{35} =6 $$
$Z$ の期待値
同様に、$Z=k$ となるのは、最小が $k$ で、残り $2$ 個を $k+1,k+2,\dots,7$ から選ぶ場合である。したがって
$$ P(Z=k)=\frac{{}_{7-k}\mathrm{C}_{2}}{{}_{7}\mathrm{C}_{3}} \qquad (k=1,2,3,4,5) $$
である。
よって、
$$ E[Z] =\frac{1}{35}\sum_{k=1}^{5} k{}_{7-k}\mathrm{C}_{2} $$
$$ =\frac{1}{35}\left( 1{}_{6}\mathrm{C}_{2}+2{}_{5}\mathrm{C}_{2}+3{}_{4}\mathrm{C}_{2}+4{}_{3}\mathrm{C}_{2}+5{}_{2}\mathrm{C}_{2} \right) $$
$$ =\frac{1}{35}(15+20+18+12+5) =\frac{70}{35} =2 $$
$Y$ の期待値
選ばれた $3$ 個の和の期待値を考える。
$1$ から $7$ までの平均は
$$ \frac{1+2+\cdots+7}{7}=4 $$
であるから、$3$ 個取り出した数の和の期待値は
$$ 4+4+4=12 $$
である。したがって
$$ E[X]+E[Y]+E[Z]=12 $$
より、
$$ E[Y]=12-6-2=4 $$
となる。
解説
この問題の本質は、順序統計量 $X,Y,Z$ をそのまま追うより、間の空き方に置き換えると対称性が見える点にある。解法1はその対称性を最も直接的に使う方法であり、計算量も少ない。
一方、解法2は最大値・最小値の分布を直接数え上げる標準的な方法である。こちらでも十分求められるが、中央の $Y$ は和の期待値を使うと簡潔に処理できる。
答え
$$ E[X]=6,\qquad E[Y]=4,\qquad E[Z]=2 $$
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